遠野放浪記 2014.11.02.-16 動き続ける季節 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

小さな集落の秋は深まり、見上げる木々も遠くの山も鮮やかな赤に色付いている。

 

 

 

猿ヶ石川が小さく蛇行する地点で、道は真っ直ぐ内陸を進むため少しの間川から離れる。しかし、田圃の畦道がかなりしっかりしていたので、引き続き川沿いを歩いてみることにする。

 

 

道端にたくさんの稲が干され、精米の瞬間が訪れるのを待っていた。

 

 

逆さ吊りにされた穂先には多くの米粒が実っており、これがどれだけの人の口に入るのだろうと、自分が収穫したわけでもないのに楽しみになる。

 

 

畦道は非常に見通しが良く、遠くの山々や少し雲が多いが爽やかな秋の空が全身で感じられる。

 

 

ただし川沿いには茂みがあり、川の流れが見られるということはなかった。

 

 

このまま畦道を回って元の道を目指してみる。

 

 

 

川沿いの茂みの中に小さな小屋があった。今も現役なのかはわからないが、これは川魚を獲る仕掛けを準備したりする作業小屋らしい。

 

 

道は再び元の道に合流していた。そして、道と水田とを隔てる柵のように、ずらっと道沿いに収穫された稲が干されていた。

 

 

鱒沢へ向かう道は、近くで見てわかる程アップダウンが激しく、実はこの田圃が広がる平地も貴重な場所なのだということがわかる。

 

 

落合橋から鱒沢駅までおよそ2.5km、釜石街道を通るよりも少し長いが、まだ時間はあるしのんびりと進んでみる。