遠野放浪記 2014.09.15.-06 小さい風景 | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

胡桃ちゃんの誕生日パーティを行う会場に選んだのは、めがね橋が見えるあの場所。

ということで、駅を出た俺は街の中心を目指して歩き始めた。

 

 

道端にはすっかり秋の花が咲き、街の人々が大切に手入れをしていることがわかる。

 

 

今は無い宮守医院へ向かう小道にも、コスモスが咲いている。

 

 

空にはやや雲が多いが、爽やかな秋の雲だ。もうこれ以上、天候の悪化を心配する必要は無いだろう。

 

 

街の中心である商店街を抜け、道の駅へ。

 

 

めがね橋をバックに、黄金の稲穂が首を垂れて収穫の時を今かと待っている。来週にはこれらの稲穂もすっかり刈り取られ、冬を待つ荒涼とした風景に変わるだろう。

 

 

さて、めがね橋に辿り着いた俺は当初河原のステージ上で胡桃ちゃんのパーティを行う予定だったが、丁度川で魚を探している子供がたくさんいたので諦めた。

 

 

 

その代わり、めがね橋を眺める東屋には誰もいなかったので、此処でパーティを行うことにした。

 

 

元々この場所では、塞さんのパーティを行うつもりでいたが、折しもこの年の彼女の誕生日は大雪に見舞われ、とてもではないがケーキを広げられる状態ではなかったので泣く泣く宮守駅に避難したのであった。

 

 

姉帯さんは姉帯村で、シロは学校で、エイスリンちゃんはあの聖地で……と各メンバーにぴったりの場所で祝う計画を2月の段階で既に立てていたので、めがね橋が見える場所で誕生日を祝う機会はラストの胡桃ちゃんにしか残されていなかったのだ。そのような日に最高と言える空模様に恵まれ、俺は非常にツイている。