遠野放浪記 2014.08.23.-22 来るべき戦いに備えて | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

鹿踊りが終わった後の本殿前では、今度は地元の婦人会による手踊りが披露される。

先程までの荘厳な雰囲気から打って変わり、妙齢のお姉さま方がコミカルなリズムに乗って披露する踊りはまた俺の目を惹き付けた。


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手踊りというくらいだから、この踊りの特徴は手の動きにあり、様々な情景をほぼ全て手の動きだけで表現しているから凄い。途中から肩に掛けていた手拭いも踊りの小道具として登場し、鹿踊りの扇子さながらに踊りに色を添える。

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暫く手拭いを使った踊りを披露した後は、再びその手拭いは肩に戻し、手の動きだけでの踊りを始めた。

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見たところ手拭いは、ただ肩に掛けているだけに見える。あまり激しい踊りでないとはいえ、この動きの中で手拭いを取ったりまた元に戻したり、肩から落とさずに踊り続けるのは、熟練の技術が必要な筈だ。

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手踊りは元々、歌舞伎の演目中で小道具を使わずに踊る踊りのことを指すという。これが民間にも広く踊られるようになった経緯はわからないが、華やかな世界に憧れた民間人が自分たちでアレンジして踊り始めたことが成り立ちではないだろうか。

婦人会のお姉さま方にとっても、今日が最高の晴れ舞台。鹿踊りとは全く趣が異なる、楽しくて華やかな踊りだった。