遠野放浪記 2014.08.23.-05 何処から来て何処へ行くのか | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

丘の上には小さな森があり、荒れた山道が森の奥へ続いていた。


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一応道として切り開かれているので、この奥に何かがあることは間違いなさそうだが。

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果たして森の一番奥には、名も無い小さな御社があった。

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特に銘も打たれておらず、何が祀られているのかはわからない。

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中も真っ暗で何も見えない。

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御社は森に囲まれ、集落からは隔絶された感がある。今でも集落から此処まで参拝に訪れる人はいるのだろうか。

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上って来たときには気が付かなかったが、森の片隅に小さな石碑がある。これが境内とその外を隔てる結界なのだろう。

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上って来た道とは別の道を歩いてみる。こちら側からは集落の姿は完全に隠され、見えるのは夏空の下に連なる山々ばかりだ。

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坂を下って行くと、何やら立派な建物が見えて来た。地域の公民館にしては新しく、しかも大きいので、移住者の家か或いは別荘などだろうか。

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やがて俺は丘を一周し、集落に戻って来た。

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山に囲まれ、山と共に生活する、とても美しい集落であった。

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そろそろ良い感じに太陽が高くなって来たので、このあたりで麓に降りて菅原神社の例祭に向かう準備をする。

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空は完全に明るくなり、川面に太陽の光が反射して眩しい。年に一度の祭を晴天下で行えるよう、神様が少し人々を助けてくれたのだろう。

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一旦、附馬牛の街に戻ることにする。