山をぶらぶらと歩いてみたが、他の場所でも幾つかのターザンロープが見付かるのみで、特に何もなかった。
子供たちはこの深い森の中で、ターザンロープをしたりきのこを探したりしているのだろうか。
心なしか少し明るくなって来て、森を出ると湿気も落ち着いて来たように感じる。
再び片岸橋のバス停に戻る頃には、体調はすっかり良くなって腹も減って来た。
中途半端な時間だが、昼ごはんを食べて行くことにした。
今回は、ちょっと奮発して買い揃えた缶つまシリーズから「赤鶏さつま炭火焼」を選択。スモークしてあるのか、仄かに香ばしい。流石に、良い御値段するだけのことはある味だ。
さて、雨はほぼ上がったし、天気は相変わらず不安定ではあるが明るくもなって来たので、取り敢えずは旅を続けることが出来そうだ。
遠くの山に霞が掛かっている。この風景の中に、実に様々な自然と人間の物語がある。
長い夏の日も直に暮れる。このタイミングだからこそ、俺は普段見られない遠野の深淵を見たい。







