遠野放浪記 2014.08.20.-09 再会への祈り | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

緑の絨毯、花畑、荒涼とした大地。厚い雲、青空、太陽。

荒川高原で出会った全ての風景に俺は感銘を受けたが、しかしその風景の中に、一番会いたかった馬だけがいなかった。


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次に訪れるときには、地平線を埋め尽くさんばかりの馬たちに会いたい。光に満ちた晴天下であろうと、雨が降ろうと雪が降ろうと、馬たちに迎えられる光景は幸せに満ちているだろう。

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光と影に彩られた、長い一日が終わりに向かおうとしている。

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美しい高原の道が、やがて夜の闇に包まれる光景を想像すると、胸がざわざわする。

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俺はパティに跨り、元来た道を引き返し始めた。

高原内の道はアップダウンの繰り返しだが、緩やかに確実に街へ向かって下って行く。

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天国の中へ延びる、天上の楽園と地上を繋ぐたった一本の道である。

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数時間掛けて歩いて来た風景が、あっという間に後方に流れて消えて行く。

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管理棟らしき建物に数台の車が集まって来ていた。しかし今回の旅で、馬どころか人ともすれ違うことは無かった。

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これからまた長い道程を下って街へ帰る。だがその前に、一ヶ所是非足を運んでみたかった場所が、帰り道の途中にあるのだ。