遠野放浪記 2014.07.25.-01 夢を描くために | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

前回の旅から帰って来て僅か4日、俺は再び岩手へ向かうために旅支度をしていた。

7月25日はエイスリン・ウィッシュアートちゃんの誕生日なのだが、平日だったため上司に有給を取得して良いか掛け合った。理由を聞かれた俺は「エイスリンちゃんの誕生日を祝いたいんですけれど……」と申告したら、有給が承認された。正義が遂行された瞬間である。


当日は日が昇る前に目が覚め、近所のグルメシティ(当時)で買っておいた天津飯とエビカツで朝ごはんを済ませる。今回は引き続き青春18きっぷが使えるし、徹底的に経費を抑えられる。


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と思ったら、家を出て暫くしてその青春18きっぷを忘れて来たことに気付いた。

慌てて引き返し、それから超ダッシュで上野駅に向かったのだが、宇都宮線の出発には間に合わなかった。このままでは仙台のケーキ屋との約束の時間に間に合わないし、釜石線も2時間くらい待たなければならなくなる。

仕方ないので、俺は泣く泣く¥4,200をJRに支払い、宇都宮まで新幹線に乗った。


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乗りたかった宇都宮線の列車よりも一本前の列車に追い着いた。此処からは逆にのんびりとした旅を味わうことが出来る。


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宇都宮からは青春18きっぷに判子を押して貰い、実質タダで旅が出来る。

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今日は少し雲が多いが、先週の旅と違い爽やかな空模様だ。この様子なら、多少下り坂になっても雨が降ることは無いだろう。

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いつもより早い時間にこの場所に差し掛かったためか、流れている空気が全く違う。透き通った緊張感が感じられる車内。街から街へ渡り歩くに連れ、少しずつそれが解きほぐされて行く。

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いつも気になっている小さな祠の周りにも、小さな夏が訪れていた。

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夏の風景を拾い集めるように、早朝の宇都宮線は順調に北を目指して行く。

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実のところ、最終的には同じ汽車で目的地に到着することになるのだが、余裕たっぷりの旅が出来るのは良い。