遠野放浪記 2014.05.24.-04 Fruits of Love | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

郡山から福島まで、列車は広い平原を走る。青く晴れた晩春の空が地上の水鏡に映り込み、本当に気持ちの良い光景が続いて行く。


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このあたりまで来ると、まだ稲の植え付けが終わっていない区画もあったりする。とはいえこの数日中に、大方の水田が若い稲で埋まるだろう。

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畑や果樹園の季節もまた先へ進もうとしている。街を見守る山が戴く雪も、数日中に消えて無くなりそうだ。

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空も山も地上も、全てが透き通る青。

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大自然の中に暮らす人々の存在は、本当にちっぽけだ。

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何も遮るものが無い広大な平原に、人を寄せ付けない山から流れ出た川が潤いを齎す。

何故だかわからないが、涙が出そうだ。

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次第に福島の街が近付き、人の生活の匂いが車窓にも漂って来る。

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県北まで来ると、水田よりも果樹園が目立つようになる。この風景を見ていると、福島のフルーツが恋しくなって来る。

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荒川を越えると列車はすぐに福島駅に到着する。

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次の目的地は東北一の大都会・仙台。いよいよ晩春の北東北へと足を踏み入れるのだ。