遠野放浪記 2014.04.26.-11 山の彼方に | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

遠野の街にももう春の花が咲いていた。たった一ヶ月で、季節は大きく前に進んだ。


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空が薄紅色から夜の色へと移り変わって行く頃、俺は再び街に戻って来た。

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初めて遠野を訪れた日のように、当て所無く街を彷徨う。

とある一軒家の片隅に鎮座する小さな祠に西日が当たり、神々しい姿を見せている。

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今回はいつもと趣向を変え、以前から気になっていた店でおやつを食べるために遠野小学校の前までやって来た。

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街外れにある、知る人ぞ知る喫茶店、山小屋だ。

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街の中心にあるのんのんやCocoKanaと比べてメジャーではないが、地元民には前述の店に勝るとも劣らないカルト的な人気を誇り、リピーターも非常に多い店だ。この店に足を踏み入れたとき、俺の遠野見聞はまた少し広がることになる。

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山小屋の名物は数多くのパフェなのだが、その中でも異彩を放つのがジョッキパフェだ。

俺はのんのんのそれに既に慣れ親しんでいるが、元祖はこの山小屋の方。フルーツやゼリーといったバラエティ豊かな甘味が味わえ、値段も4桁を切るのが嬉しい。

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晩ごはんも山小屋で食べて行くことにした。

山小屋は喫茶店でありながら、実にたくさんの定食やオムスパ、ミート焼きそばといった名古屋めし的な雰囲気が漂う一風変わったメニューまで、食事をするにも困らないラインナップを取り揃えているのだ。

今回はミート焼きそばを発注してみた。見ての通り、普通のソース焼きそばの上にミートソースがかけられている。互いにこってりした味で主張し合いそうなものだが、コレが六本木ヴァイスばりに非常に微妙なバランスの上に見事に融和するから、実に不思議だ。

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遠野を愛する人間として、いつか山小屋には足を運ばなければならないと考えていた。それが今日叶って、とても嬉しい。