遠野放浪記 2014.02.16.-11 空虚 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

俺を乗せた汽車は宮守を離れ、土沢そして花巻へと向かって走り始めた。


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空は嘘のように晴れ上がっている。喜びも哀しみも内に秘めた夢のような街から、俺は現実へと帰らなければならない。

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ひと晩かけて越えた峠も岩根橋も、汽車はあっという間に走り抜けて行く。

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昨日のことなど無かったかのように、車窓は何処までも透き通っていた。

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さて、俺は汽車が花巻に到着するまでに昼ごはんを済ませておくことにする。

今回も近所の100円ショップで買っておいた山菜ごのみ。以前同じような山菜シリーズを食べたことがあるが、これはなめこも入っていて味わい豊かなのが嬉しい。

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昼ごはんを食べ終わる頃になり、汽車は花巻市街地に突入。程無くして終点の花巻駅に到着した。

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花巻の街や駅も、雪に覆われてはいるが宮守程ではなく、今のところいつもと変わらない様子だ。

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空模様はやや御機嫌斜め。遠くに盛岡方面の山々が辛うじてその姿を見せている。

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東北本線は時刻表通りに走っているようだ。お昼過ぎの微妙な時間帯だからか、ホームに人は多くない。俺はすぐにやって来る列車に備え、列の先頭に並んだ。

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次の列車は北上までしか走らないが、北上でもそう時間を掛けずに乗り継ぎ出来るみたいだ。いつもと違う駅で下車する楽しみも少しばかりあったりする。