遠野放浪記 2014.02.16.-07 遥か彼方 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

岩根橋が架かる安らぎの平地を離れ、俺は再び元の場所に戻るために河原の荒れ道を歩くことにした。


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岩根橋の裏から釜石街道に上れば良いのではないかとお思いだろうが、それはそれ。

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無事に目的を果たした安堵感からか、来るときよりも幾分か足取りは軽い。

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もう、岩根橋があんなに遠くに離れてしまった。

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岩根橋に次に人が訪れるのは、いつのことになるのだろうか。長い冬の間も山間の寂しい峠道で、橋は東和と宮守を繋ぐために頑張り続けている。

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険しい道を乗り越え、再び足元がしっかりして来た様子だ。

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管老庵の姿が見えて来た。

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雪は朝よりも強く、音も無く降り続いている。この道も直に雪の下に埋もれてしまうのだろうか。

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午後の釜石線の運行に一抹の不安を抱きつつ、俺は吹き付ける雪に向かって歩いた。

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再び猿ヶ石川が俺の横に寄り添って来てくれた。

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この後はまだ僅かに時間があるので、先程行こうとして行かなかった、猿ヶ石川の対岸の集落に足を運んでみることにする。