遠野放浪記 2013.12.31.-08 留守番 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

宇都宮線が東京に向かって走る頃には、車外はもう真っ暗になっていた。

しかし首都圏の街はこの年の瀬にも、煌々と灯る明かりで旅人たちを見送っていた。


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特にトラブルらしいトラブルも無く、19時頃には上野駅に到着。

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相変わらず街は人で溢れているが、心なしか皆、歩みが忙しないような気がする。

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これから一旦、荷物を整理しに本郷の自宅に帰ることにする。

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本郷通りまでは車の通りも多く、季節問わずな感じがするが、菊坂まで来るともう人の気配は無い。

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普段ならば19時過ぎには、まだ近所の人の賑やかな声が聞こえて来るのだが。

じっと年が過ぎるのを待っているのか、遠く離れた家族の元に帰って行ったのか……。

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やがて、白山通りに程近い我が家に辿り着いた。

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いつもならば此処でゆっくりしたいところだが、今回は不要な荷物を置いた後、茅ヶ崎の実家まで帰らなければならない。身支度もそこそこに、再び家を飛び出した俺は、御茶ノ水駅に向けて歩き始めた。

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パティには、今回は本郷で待っていて貰うことにする。

今年も一緒にいろいろなところへ旅をし、本当によく頑張ってくれた。パティとの旅路は、目を閉じればすぐに詳細が頭に浮かんで来るくらい、常に思い出に溢れていた。

次の旅まで束の間、ゆっくりと休むがいい。