遠野放浪記 2013.12.31.-06 終わりの黄昏 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

午後になり、空には俄かに雲が掛かって来たが、太陽の光が衰えることは無かった。


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車窓に雪はほぼ見えなくなり、冬らしい景色は北東北が最後だった。

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小さな街を遠くに見遣りながら、列車は南へ進んで行く。

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一見、柔らかい日差しに照らされた穏やかな風景に見えるが、やはり寒いことに変わりはないのだろう、道を歩く人の姿は終ぞ見られなかった。

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福島県に入り、福島駅が近付くと、少しずつ雲が広がり始めた。雪が降る程ではないみたいだが、福島県北の大地は何処かから冬の香りがした。

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早くも太陽が傾きつつある中で、列車は福島駅に到着した。ホームには早くも、夜に備えて明かりが灯っている。

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他方面からも続々と列車が到着しているが、俺と一緒に東北本線をさらに南下する乗客はあまりいないみたいだ。

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ようやく旅は折り返し地点。これから夜に向けて、まだまだ長い旅が続く。