遠野放浪記 2013.11.02.-01 夜の季節が来る | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

遠野まつりの次に遠野を訪れる機会は、元々は年末まで待たなければならない筈だったのだが、少し予算が余ったので11月の連休にも遠野に旅することにした。

11月にもなれば、東北はめっきり冷え込む季節。夜が長い季節である。冬の直前のこのような時期に遠野を訪れるのは初めてなので、今回もまたこれまでに見たことがない遠野の表情に出会えるのではないかと思うのだ。


今回は勿論、油断して始発に乗り遅れるなんてことも無い。ゆっくり朝ごはんを食べていこう。

毎度御馴染みのグルメシティで見切り品を買い込んできた。今日はナポリタンに鶏の唐揚げ、塩焼きとなかなかにジャンクな顔触れだが、およそ半日に渡る長旅を乗り切るには、カロリーが不可欠なのだ。


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ところで、JR東日本では3連休になると、3連休乗車券という切符を売り出すのを御存知だろうか?

俺は今まで全く知らなかった。お得な切符なんて調べ尽くした気でいたが、まだこんなものがあったなんて。どうやら全ての3連休で売り出すわけではないみたいだが、初めてその存在に気付いた今回、使わない手はない。

ちなみに切符の有効範囲は、JR東日本の全線と北海道の一部、それに元JRの私鉄にも乗れたり乗れなかったりする。特急料金を追加で払えば、新幹線にも乗れるので案外便利だぞ。

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外はまだ真っ暗……ようやく少しずつ、空が白んで来る頃か。ほんの少し前まで、5時を過ぎれば朝が来ていたのに、今はまだ夜が支配している。

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菊坂にも文字通り、人っ子ひとりいない。

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本郷通りまで上ると、流石に車や人の数が多い。空もようやく明るくなってきて、東京にも朝が近付いているようだ。

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既に列車が行き交っている上野駅に到着。今回もパティと一緒なので、公園口から改札に入る。

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新幹線に乗れる切符を持っていても、俺が乗るのはいつもの通り、各駅停車の宇都宮線だ。これから冬目前の遠野に向けて、11時間半の旅が始まる。