遠野放浪記 2013.07.15.-12 ブリリアントな夜 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

今日はいつもよりも早い列車で帰途に就いたとはいえ、栃木に入ってもまだ明るい空が見られるというのは実に久し振りだ。


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太陽は少しずつ西に傾き、夜を呼び寄せる支度を始めている。

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沿線でも特に好きな風景が、眩しく輝く時間帯。

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道中でいち早く季節の移ろいを感じられる場所であるだけに、稔りの秋にも真っ先に此処で出会えるのだろう。

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聖なる片岡駅……は現在、橋上駅舎への建て替えのため、工事中。

此処のホーム、好きなんだけれど、近いうちに見られなくなってしまうのか……。

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宇都宮線も半分を過ぎてからは、時間の経過が顕著である。

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西の空は眩く光り、そして地上に黄昏の影を落としている。

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宇都宮から最後の乗り換えを済ませ、一時間半程で上野駅に到着。

人の波に揉まれ、俺の列車での旅は此処で終わりだ。

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此処からはパティに再び登場して貰い、一緒に家へ帰る。

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夜も眠らない上野の街には、早くも虚飾のネオンが灯り始めていた。

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家へは真っ直ぐ帰ったのだが、いろいろと旅の後片付けをしているうちに夜が更けてきた。

最近よくごはんを買っている小石川のグルメシティでは、22時になると一斉に半額セールが始まり待ち構えていたハイエナたちがお総菜売り場に殺到するので、今日もそれに便乗することにした。


今日の晩ごはんは太巻きにした。

初日に朝・晩と寿司を食べ、最後の晩ごはんも巻き寿司というのはどうなのかと思ったりもしたが、そんなことを考えていては何も食べられなくなる。好きだから良いのだ。

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たくさんの具材がぎっちりと巻かれていて、なかなかにボリュームがあった。

一本だけで足りるかな?と思ったが、食べ終えてみれば充分におなかいっぱい。



さて、今回は予てから行ってみたかった寺沢高原に足を運ぶことが出来、さらには車窓から眺めるだけだった風景の中にも身を置くことが出来て、大変に刺激的な旅だった。

夏はこれからが本番である。夏休みの予定はまだ確定していないが、ちょっと行ってみたい場所が他にあるので、次に遠野を訪れるのは9月だろうか。3連休が2回もあるので、また遠野に入り浸る生活が待っているのかもしれない。

黄金色の遠野に再会できることを願い、此処で筆を置く。