広大な宮城の田園地帯を列車は南に向かって進む。
夏の盛りまであと少し。遠くの山では雨が降っているのだろうが、その雨が東北に夏を齎すだろう。
時々、何も植わっていない田畑を見掛けることがある。
キャベツやカリフラワーといった野菜は夏植えなので、その準備中だろうか。
やがて列車は県境に差し掛かり、一瞬空が暗くなる(何故かいつも県境は天気が悪い)。
雲は多いが、日差しはしっかりと地上に届いている。福島の夏は明るい。
福島から郡山へ下り、白河を渡ればもう北関東に突入だ。旅の終わりはあっという間な気がして、このあたりから少しずつ寂しさが込み上げて来る。
次は黄金の福島が、俺を出迎えてくれるのだろうか。