遠野放浪記 2013.05.25.-08 綾織深淵 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

道の駅は「遠野風の丘」という名前の通り、小高い丘の上にあるので、綾織一帯がとても良く見晴らせる。


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釜石線に沿って丘を下り、昨日に引き続いて日影の交差点を目指す。

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遠方へ向かう車も多い遠野バイパスから釜石線を挟んだ向こう側には、昔から変わらない綾織の田舎道が延びている。

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あの踏切、初めて遠野に来たときに渡ったっけ。

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俺の遠野初探訪はこの綾織から始まったので、沿道の風景を眺めながら走っていると、実にいろいろなことを思い出すのだ。

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やがて、広い田園地帯の中では非常に目立つ、綾織跨線橋近くの一本木が見えて来た。

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あの木はいったい何の木なんだろう……そんなことを考えながら先へ進む。

畦道の踏切を渡る人々の表情もきっと見守り続けて来たのだろう。

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綾織跨線橋を渡った俺は、昨日の道を逆に走り、綾織郵便局の角を曲がって石上方面へ。

大通りから外れる綾織の奥には、さらに美しい水鏡の世界が広がっていた。

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覗き込んでいるとそのまま吸い込まれてしまいそうな、こんな晩春の奇跡。

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さて、そんな綾織の深淵に向かって突き進む俺が目指すのは、昔の人が遠野一帯を眺めてその風景を「湖のようだ」と感じ取ったあの場所だ。

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そう……また性懲りも無く、歩いて高清水山に登るのである。