『社長「正しい教育できていなかった」』??と、朝日の記事にあるが、正しい教育が必要なのは、社長・会長ら経営陣の方だろう。
「原発を動かせるわけがない」 相次ぐ東電の不祥事、国の政策にも影

問題なのは、経営陣の「安全より経営」と云う、東電・原子力ムラに根ずく安全軽視の伝統?では?

東京新聞の記事には「東電が22日公表したテロ対策不備の原因を分析した報告書からは、内外の指摘を軽視し、トップに情報が伝わらない組織のずさんさが浮かぶ。」とあるが、
実際は、「トップに情報が伝わらない」のではなく、トップが悪い情報を望まず、何らの対策も講じず握り潰してきたからでは?
「津波予測不能」主張の東電、2002年に、旧保安院の津波想定要請を拒否
吉田所長、東電被告3人に巨大津波想定と防潮堤の必要性〝御前会議〟で報告


 新潟日報モア 2021.09.23 13:07
完了していたはずの“未完了工事”新たに5か所確認 火災感知器は100個が不適切な場所に設置
【「完了した」と発表されていた柏崎刈羽原発7号機の安全対策工事の一部が実際は完了していなかった問題で、東京電力は9月22日、未完了の工事が新たに5か所見つかったと発表しました。

いずれも配管やケーブルが壁などを貫通する所で浸水のトラブルがあってもそれが広がらないようにする工事です。

また7号機の火災感知器のうち、不適切な場所に設置されたものが100個あったことも公表されました。】一部抜粋

 NHKニュースWEB 021年9月22日 19時27分
東京電力 柏崎刈羽原発のテロ対策不備「意識の低さあった」
【柏崎刈羽原発では経営の観点から保守管理を委託する業者との契約を見直し、支払いを2015年度からの5年で10分の1まで切り詰めるなど、保守管理体制の縮小を図ったことなどを問題の背景として挙げています。

東京電力は報告書の中で。一連の問題の根本的な原因として現場の実態を把握する力が弱く、外部からの指摘があっても是正できない組織そのものの弱さだと結論づけました。

そのうえで、経営層や発電所上層部などの現場への関与を強化し、核物質防護の問題について情報伝達のルートなどを改めて現場の課題を速やかに是正できる体制を構築するなどとしています。

報告書“テロ対策への意識の低さ”

東京電力が設置した第三者による検証委員会は、社員ら4000人近くを対象にアンケートを行いました。

問題が発生した当時、経営層や管理層が「核セキュリティー」と「その他の利益」のどちらを重視していたと思うか尋ねたところ、2割以上が「その他の利益」「どちらかというとその他の利益」と答えました。

この回答を選んだ人たちにその理由を複数回答で尋ねたところ、核セキュリティーについて
▽部署に十分な人員が確保されていないからが53.2%
▽維持・向上のために必要な資金が投入されていないからが41.3%
▽トップのメッセージを経営層や管理層が発信する頻度が低いからが27.1%
▽経営層や管理層、上司からコスト削減が強く推進されているからが15.8%
などとなりました。

東京電力 原発事故前から不祥事

東京電力は福島第一原発の事故の前から不祥事をたびたび起こし、そのつど、原因分析や、組織風土の改善などを目指した取り組みが行われてきました。

1998年、東京電力の委託会社が使用済み核燃料の輸送容器に使う放射線を遮蔽する材料の数値を基準を満たしているかのように書き換えるなどのデータ改ざんが明らかになり、原子力業界への信頼を揺るがす事態となりました。

それからまもない2002年、原発の設備の不備を組織的に隠蔽したなどとして大きな問題となった、いわゆる「トラブル隠し」が発覚。当時の会長や社長などが辞任する事態となりました。

この後、東京電力は、再発防止対策の浸透を図り、世界レベルの優れた原子力事業者になることを目的として、“原子力再生活動”を開始。このときは、原子力部門と他の部門との人事交流を積極的に行うなどして社内風土の改革に取り組みました。

原発事故後にまとめられた報告書では、事故を防げなかった要因として、安全意識を向上させる対策が組織全体で不足していたことや当時の経営層全体のリスク管理に甘さがあったことなどを上げています。

専門家“経営層の意識改革が第一歩“

原発事故の翌年、国会が設置した事故調査委員会に参加した、経営の専門家、宇田左近さんは、東京電力で不祥事がなくならないのは経営層に問題があると述べました。

そのうえで「東京電力は原子力政策を推進する核となる企業で、原発事故以前、経営の最優先課題は、政策の実現だという意識が強く安全に対するリスクが過小評価される傾向にあった。安全が第一と言ってはいるが原発事故のあとも、政策実現を最優先とする意識は変わっていないのではないか」と述べ構造的な問題だと指摘しました。

そのうえで、原発の安全を最優先にするには、現場の社員が感じた異変や違和感について率直に声を上げることができ、経営層がその声を責任を持って受け止められる組織に変わることが不可欠だとしています。】一部抜粋


 東京新聞 2021年9月23日 06時00分
東電の社内改革遠く 柏崎刈羽原発テロ対策で内外の指摘軽視…調査で浮かぶ組織のずさんさ
【東京電力が福島第一原発事故後の経営再建の柱として再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)と本社の原子力部門は、経営見直しを進める中で危機意識が薄れ、自浄能力を失った。東電が22日公表したテロ対策不備の原因を分析した報告書からは、内外の指摘を軽視し、トップに情報が伝わらない組織のずさんさが浮かぶ。

◆原子力部門の膿、想像以上

「他(福島第一、第二原発)でできたことが、なぜ柏崎刈羽でできなかったのか。組織の風通しの悪さは気になるところです」

 東電の小林喜光会長=前三菱ケミカルホールディングス会長=は22日の記者会見で、厳しい表情を見せた。テロ対策不備の調査まっただ中の今年6月に就任して改革の必要性を強調してきたが、原子力部門の膿うみは想像以上だった。
 発端は、2011年3月の福島原発事故だった。全原発の運転ができず、事故収束費用と被災者への賠償が重くのし掛かり、経営が悪化。その一方で柏崎刈羽6、7号機の再稼働に向けた事故対策工事に前のめりとなったことで、テロ対策への金と人の投入がおろそかになっていく。

◆経営再建の名でおろそかになったもの

 費用削減のあおりで、装置の故障が増えていく。福島第一、第二原発よりも5~8年古いためだ。東電側は「故障しても(カメラなどによる)代替措置を取っていれば問題ない」と考え、19年度からは原発内に常駐する委託会社の社員も6人から3人に半減した。
 「保守管理がうまくいかなくなる」と委託会社は繰り返し懸念を示したが、東電は応じなかったという。その後、20年3月~21年2月に装置が16カ所で故障。うち10カ所は代わりの措置も不十分だったと原子力規制委員会に指摘される事態となり、一部は復旧に300日以上かかった。

◆実態、幹部に共有されず

 原子力部門には、内外の指摘を軽視する姿勢があった。17、18年度の内部監査では、故障した検知装置の復旧に長時間かかっていることが指摘されたが、是正につながらなかった。
 規制委事務局の原子力規制庁や他の電力会社との定期的な意見交換では、テロ対策設備の保守管理について経営層が注意を払うように指摘が続いたが、発電所長や本社の原子力部門トップに報告されなかった。

◆「資格ないとの烙印押される」

 東電は今後、原子力部門の本社機能を東京から新潟に移し、他社からの人材登用も検討する。人や金の投入を惜しまないという。
 「是正措置をやり遂げなければ、原子力事業をやる資格がないとの烙印らくいんを押されるととらえ、最後の機会を与えられたものとして取り組む」。小林会長は決意を語ったが、いばらの道が続く。】