今までの検査は、事前通告が必要な上に、対象箇所も限定された ナンチャッテ立ち入り検査だった。
去年4月からは抜き打ち検査が可能となったが、伝家の宝刀?が抜かれることはなかった。

規制委、原電に(事前通告付き)ナンチャッテ?立ち入り検査へ データ書き換え問題で

九電が検査?規制委は確認するだけ? 川内原発 きょうから「使用前検査」
【本来なら規制庁の検査官が行うべき検査を、被検者の九電自ら行い、
それを規制委が適切かどうか確認する??

 事故米不正転売事件の例のように、検査を受ける側と行う側が結託すれば
いとも簡単に「検査」をすり抜けられる。 まして、九電が自ら行う検査など・・】

東電は、原子力ムラ仲間?の規制庁が、ここまでやるとは想定しておらず、
テロ対策を疎かにしても、まさかバレるとは思わず、油断していたのだろう。

言いたいことは山ほどあるが、油断を突いて東電を急襲した規制庁を、今回だけは褒めたい。

原発ID不正入室問題=問われる、東電と規制委・規制庁の適格性

柏崎刈羽原発 テロ対策に不備 東電幹部らを国会招致で合意

 NHKニュースWEB 2021年3月18日 20時16分
東電柏崎刈羽原発”休日の夜 抜き打ちで検査“ 原子力規制庁

【東京電力柏崎刈羽原子力発電所で不正な侵入を防ぐ検知設備に長期間にわたる不備が指摘された問題で、先月検査を行った原子力規制庁の検査官がNHKの取材に応じました。休日の夜、“抜き打ち”の形で訪れた際、壊れた設備の代替措置の中には機能しないものがあり、その後、外部からの侵入を防ぐことができないと判断されたということです。

原子力規制庁の柏崎刈羽原子力規制事務所の渡邉健一所長は、東京電力が報告した代替措置を確認するため、本庁からの指示で先月21日、日曜日の午後9時ごろ、部下の検査官と2人で原発に入りました。

渡邉所長によりますと、検査は事前に日程調整をせず、いわば“抜き打ち”の形で行われ、訪れたところ、代替措置の中には、機能しないものがあったということです。

写真を撮るなどして本庁に報告し、その後、外部からの侵入を防ぐことができないと判断されました。

去年4月に本格導入された国の新しい検査制度では、従来より自由な検査をしやすくしており、渡邉所長は「核物質防護の確認をする本庁も含むチーム検査だと、いつごろ検査を始めるかなど、日程の調整が必要になる。平日の昼間に入っても検査の結果は同じだったかもしれないが、“フリーアクセス”の効果はあったと思う」と話していました。

東京電力は「検査の評価を重く受け止め、意見陳述がない旨を原子力規制委員会に返答した。規制庁の検査に対しては真摯(しんし)に対応するよう努めている」としています。】


 毎日新聞 2021/3/17 18:16
柏崎刈羽原発 検査官が明かした特別指示の「抜き打ち検査」
【東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で発覚した最悪レベルの核セキュリティーの不備で、原子力規制庁が不備を発見したのは「抜き打ち検査」だった。柏崎刈羽原子力規制事務所の渡辺健一所長が17日、毎日新聞の取材に応じ、自ら抜き打ち検査をしたことを明らかにした。【内藤陽】

 渡辺氏によると、実施したのは2月21日午後9時。日曜日の夜だった。東電はこの2日前に「核物質防護規定違反の可能性がある複数の事案を規制庁に報告した」と公表したが、詳細は明かしていなかった。

 原発の核セキュリティーに関する検査は、本庁の検査官が出張して担当するのが通例だ。規制事務所員は専門の訓練を受けていないためだ。だが、事態を重く見た原子力規制委員会の更田豊志委員長から渡辺氏に「休日、夜間に生の現場の状況を見てほしい」と特別な指示があった。

 渡辺氏は別の検査官と共に2人で、日曜夜に突如、柏崎刈羽原発を訪ね、抜き打ち検査を実施。現場の状況を写真に収め、本庁に報告した。

 渡辺氏は「警備が手薄になりがちな休日の夜にあえて行って(現場を)見た。詳細は話せないが、東電が講じた代替措置には実効性がなく、複数箇所で長期間、不正侵入を検知できない状態だったと分かった」と話す。

 これを可能にしたのが、2020年4月に本格導入した新検査制度だ。検査官には時間や場所の制約を受けずに、原発構内を検査できる「フリーアクセス」が認められている。突然の「抜き打ち検査」は現地の検査官ならではのもので、移動を伴う在京の本庁検査官にはなかなか難しいという。

 更田氏は3月16日夕の記者会見で、抜き打ち検査をしたことを明かし「新検査制度の下で、いつでも検査に行って確認できるようになった効果の一つだ」と述べた。

    ◇    

 東電は16日夜、「大変重く受け止める。故障した核物質防護設備はすでに全ての箇所が復旧しており、故障が新たに発生しても、実効性ある代替措置が実施できる態勢を構築している」とのコメントを発表した。

 東電によると、20年3月以降、侵入検知設備の故障16カ所のうち10カ所で代替措置が不十分で、不正侵入が検知できない状態が30日を超えていた。東電広報は「地域、社会に不安、心配をおかけしていることをおわびする」と改めて陳謝した。】