電力各社は、原発停止で燃料費が嵩むと、赤字分を利用者に転嫁しているが、
そう何時までも、電力会社本位の勝手な値上げは許されないだろう。

 事実、関電管内では、この3カ月間で1050件もの大口顧客が逃げ出している。

 一方、燃料調達でも積極姿勢の中部電力は、生き残りを賭けて三菱系の新電力を買収し首都圏へ参入、
手負いの王者・東電に挑む。

 3年後の家庭向けの電力小売り自由化で、原発停止での赤字分転嫁は事実上不可能になる。
事業者選択の自由を得た利用者は、原発のせいで高くなった9電力の電気を選ばず、理不尽な値上げ分を
値引きするより仕方がなくなる。

 電気を作っていない原発の経費を、火力・水力などで作った電気の料金に上乗せするなど、
本来は許されないこと。

 例えれば、クラウンが売れず赤字なので、カローラを値上げするようなもの、
しかし市場原理が働く一般社会では、消費者にカローラの理不尽な値上げが受け入れられる筈はなく、
無理やり値上げしても、当然 ニッサンやホンダに顧客を奪われ経営が成り立たなくなる。 

 つまり、厄介者で金喰い虫の原発を放り出さない限り、高コストの旧電力は、
いずれ適正価格の“新電力”に駆逐され、歴史の表舞台から退場する運命なのです。

関連記事 安いは大ウソ!原発維持に最低11兆円=いずれ電気料金や税金で徴収
       “原発ない分安い”新電力へ:神奈川県施設90% 東電以外から
       原発大国 アメリカで異変 相次ぐ廃炉の理由は…ずばり割高なコスト

  Exciteニュースより
中部電、三菱系の新電力買収=首都圏市場に本格参入
【 中部電力は、三菱商事の100%子会社で電力小売会社のダイヤモンドパワー(東京)を買収する方針を決めた。10月にも同社株式の8割程度を約10億円で取得するとみられる。7日午後に発表する。2016年度をめどに家庭向けの電力小売りも自由化されることから、首都圏で本格的な電力販売体制を構築するのが狙いだ。

 これまで既存の大手電力会社が他の地域へ電力を販売したのは1例しかないが、今後は電力市場の全面自由化をにらんだ越境の動きが加速する可能性がある。

 ダイヤモンドパワー買収に伴い、中部電は16年までに、静岡県富士市の日本製紙工場内に出力10万キロワット規模の石炭火力発電所を、同社と三菱商事と共同で新設する。総事業費は250億円前後。発電した電気は、ダイヤモンドパワーが首都圏向け販売のために買い取る。 】

 東京新聞より
関電離れ、企業や自治体千超す 4月の値上げ後
【 関西電力が企業向けの電気料金を値上げした4月以降、関電から離脱した企業や自治体など大規模契約の顧客が千を超えたことが7日、分かった。自ら発電したり他社から調達したりして電力を安く販売する特定規模電気事業者(新電力)に契約を切り替えたとみられる。

 関電と同時に企業向け料金を値上げした九州電力でも顧客の離脱が相次いでおり、7月から値上げした四国電力、9月から値上げする北海道電力、東北電力にも同様の動きが広がりそうだ。
 関電によると、契約をやめた顧客数から契約を結び直した顧客数を差し引いた数は、4月1日から7月1日までの3カ月間で1050だった。】