おはようございます。
習慣化コンサルタントの古川武士です。
管理職の方々とお話しする中で、
共通して聞こえてくる声があります。
「とにかく毎日、やることが終わらない」
「ToDoリストがずっと減らない」
「重要なことほど後回しになっている気がする」
部下のマネジメント、
会議、資料作成、顧客対応……
ひとつひとつはちゃんとこなしているのに、
なぜか「自分の仕事が進んでいる実感がない」。
終業時刻が近づくころには、
肝心なタスクが手つかずのまま残っていて、
そのたびに自己嫌悪と焦りがじわじわ
積み重なっていく。
この“やり残し感”は、
日々の満足度や達成感を下げるだけでなく、
将来に対する漠然とした不安にもつながっていきます。
時間管理の本質は、「気分」ではなく「順番」
私が日々実践しており、
企業研修でもお伝えしている
高密度仕事術の核心にあるのが、
「ToDoリストを決めた順にやる」
というシンプルな習慣です。
伊藤忠商事の元社長・岡藤正広さんの
エピソードをご存知でしょうか?
「残業なしでも成果を出す」
ことで有名な岡藤さんの時間術は、
驚くほど明快です。
「やるべきことを重要な順に並べて、朝から着手する。
夕方には、自分でなくてもいいことしか残っていない。」
このように、
順番を守ることが結果を変える鍵なのです。
なぜToDoリストは終わらないのか?
私たちがToDoを終わらせられない一番の理由は、
「優先順位を決めず、気分で動いてしまうから」です。
・取りかかりやすい軽いタスクから始めてしまう
・面倒なことは後に回したくなる
・気づけば夕方に、重い仕事がどっさり残っている
そして結局、
「今日も大事なことができなかった…」という
やるせなさが残るのです。
この小さな後悔が、自己信頼を削っていきます。
重要なことから手をつける。それだけで変わる
だからこそ、
以下の3ステップを習慣にしてみてください。
-
タスクを、重要な順に並べる
-
朝から、書いた順に取りかかる
-
途中で順番を変えない・飛ばさない
ポイントは、
「気分ではなく、決めた順番に従う」
ということ。
人間は自然と、
やりにくいこと・時間がかかること
を避けたがります。
でも、それこそが未来につながる
“重要なタスク”であることが多いのです。
自分へのしつけとして、まずは7日間だけ
正直に言うと、
順番通りにやるのは簡単ではありません。
「これを先にやった方が効率がいいかも」
「気が乗らないから、あとでやろうかな」
——そう思う場面が、1日に何度も訪れます。
それでも、
「決めた順でやる」と最初に約束したなら、
迷わずやる。
この小さな自己ルールを守り続けることが、
“自分との信頼関係”を築く第一歩になります。
ぜひ、まずは7日間だけでも試してみてください。
タスクが“実際に入るか”も、見積もっておく
ToDoを並べる前に、
その日のスケジュールに収まるかを確認する
ことも大切です。
会議、外出、移動時間、
メール対応、終業後の予定——
すべての予定を含めた“実際の時間枠”に、
そのToDoが本当に入るのかを見積もること。
これを私は「実枠確認」と呼んでいます。
事前にそれを見積もっておけば、
やりきれなかったという無力感に
振り回されることも減っていきます。
習慣は、キャリアを整える土台になる
40代・50代という節目は、
キャリアの転換期でもあり、
体力・気力のバランスが
変化する時期でもあります。
そんな今だからこそ、
「ToDoリストを決めた順にやる」
この小さな習慣が、自分の仕事、時間、
そして人生を再び整えてくれる“軸”になるのです。
習慣とは、
「自分との信頼」を積み上げる技術です。
あなたの時間が、
後悔のない順番で使われますように。
今日も一歩ずつ、整えて進んでいきましょう。