習慣化コンサルタントの古川です。
私が駆け出しのコーチをしていた頃、
はじめてコラム執筆の仕事をもらいました。
原稿料もほぼタダに近く、
アクセス数も少ないメディアでしたが、
はじめての執筆依頼が嬉しくて
大いにやる気になって書きました。
ところが、自分で書き上げたコラムを見て
愕然としました。
まったく面白くなかったのです。
オリジナリティのカケラもないこの記事を
世に発信していいものかと迷い、
自分のコーチングの師匠に
率直に感想をくださいとお願いしました。
するとそのコーチは、
「コーチングとはなにかを
わかりやすく表現できていて読みやすいです。
ただ、古川さんじゃなきゃ
書けない内容ではないですね。
あくまで教科書的な一般論のようにみえます」
と言いました。
私が心で感じていたことを
ズバリ指摘されました。
自分が読んでいるプロコーチの本に比べ、
初歩的でオリジナリティのない内容に
自分の力のなさを感じたのです。
感想をくれたコーチは
洞察に満ちた本を書いていたので、
「どうすればそのような本が書けますか？」
と聞くとコーチは次のように答えました。
「『うーん、でも、今はこれでいい！』
と思えませんか？」
理想には及ばずとも
努力していることなら、
「今はこれでいい」と受け入れる
ことはできませんか？
私はこの一言で、驚くほど楽になりました。
駆け出しの身で、
いきなり洞察に満ちたものを
書けるわけがありません。
現時点で可能な限りの
最善を尽くすしかないのです。
この「『今はこれでいい！』
と思えませんか？」という言葉には、
未来の自分の成長や可能性が
包含されているのです。
「今はこれでいい！」は、
「ずっとこれでいい」とは違い、
この言葉は
「ずっとこんなものしか書けないのかも」
という不安を解消してくれるものでもあったのです。
自分の力不足を受け入れることは、
成長には不可欠のプロセスです。
でも、あまりにも高いゴールを掲げて
比較をしてしまえば、無力感にさいなまれ、
それが行動にブレーキをかけてしまうこともあります。
そんなときは、全力を尽くした結果であれば、
「今はこれでいい！」と唱えて
小さく成長していくことを
続けてみてはいかがでしょうか。
今の自分からスタートする以外に
方法はないのですから。
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