習慣化コンサルタントの古川です。
全力投球で必死にプレーする
甲子園球児たちを応援したくなるのは人情です。
しかし、全力投球の美学に酔いしれて、
なんでもかんでも全力投入で頑張ることは、
仕事においてはマイナスの結果を生みます。
私も御多分もれずこのタイプですが、
頑張ることが美学になると、
プロセスややり方よりも、そこに傾ける熱量や投入時間に
ばかり目が行きます。
大量努力はある程度の結果を生むことは間違いありませんが、
しかし、ある程度までです。
新人期や未経験の仕事においては、
勘所がつかめないものです。
その時に大量努力はある程度いいのですが、
それ以降は闇雲に努力するのではなく、
結果から逆算して「作用点」がどこかを探る
思考センスが必要になります。
この作用点を見つけるのが上手な人は、
学生時代で言えば、
テスト前に「ヤマを張る」タイプの人です。
ヤマを張るより、
勉強しろよ!
と私などは思っていましたが、
勉強が好きではなかった私も結局、
試験前1週間から必死に着手していました。
全力投球派の私は、最初から最後まで1つずつ勉強していくのですが、
時間が足りません。結果は、可もなく不可もなくというまあまあの状態ばかり。
ヤマを張る友人は、
同じ勉強時間でも、点数が私よりも常に3割増しでよかったのです。
邪道なヤマを張る方法を
どうやっているのか聞いて見ると、
「授業でここは出るぞ!」と先生が言ったポイントをノートにメモしておく。
メモを忘れていたら友達からノートを借りてそこを重点的に勉強する。
昨年のテストのコピーを先輩からもらって、
出ていたテスト問題をチェック。
同じ先生が作るなら、問題の傾向がほぼ同じだから、
そこに集中して勉強する。
と言っていたのです。
なるほど、今から思えば、
先生は「ここは出るぞ!」と何度も行っているし、
私などはそれはテストが配られて初めて、「あっ、言ってたやつだ」
と気づくのでした。
また、同じ先生なら、
テストをゼロから作るのは大変だから、
前回のマイナーチェンジで終わらせる傾向があるのは、
考えてみればすぐわかることです。
もちろん、勉強において
ヤマを張って点数だけ良くしたところで
実力がつかなければ、それは表面だけ繕った方法に見えます。
しかし、このヤマを張れる人は、
恐らく学生時代を終えて、仕事を始めるようになると、
この思考が生きてきます。
なぜなら、
仕事には必ず作用点があり、
最重要の顧客がおり、
プロセスにも「勝負所」があるからです。
これを見極めて、
そのタイミングで全力投球する。
冒頭に高校野球の話をしましたが、
プロ野球で先発完投する投手は、
下位打線の7番、8番、9番のバッターに豪速球は投げません。
また、点差があれば三振ではなく、
ヒットのリスクがあっても、打たせてとるようにします。
ホームランを打たれるリスクがあっても、
ストライクを取り、
フォアボールだけは避けます。
フォアボールが続き、ホームランを打たれると
試合の形成が逆転するからです。
最高のピッチャーは、
この投球術に優れています。
仕事も人生も同じで、
結果を出したいならば、「作用点」を掴み、
そこの考えとエネルギーと投入することが重要です。
徹底して作用点に
力を注ぐこと。
闇雲に全力投入することに酔うのは、
低い結果にとどまる思考パターンです。
悪い習慣 闇雲に全力投球して頑張る
良い習慣 作用点に集中して努力する