習慣化コンサルタントの古川です。
思考と感情の関係は、
まさに鶏と卵の関係です。
私は9つの思考習慣の体系で、
感情は思考から生まれる。
ものの捉え方を変えれば感情は変わる!!
と提唱しました。
これは、認知科学の観点からも
実践学的にも100%、正しい。
私自身も、出来事に対する捉え方を変えて、
感情をコントロールしています。
思考的にコントロールするならば、
私は上記の9つの習慣は絶対的にスキルとして
お勧めします。
さて、
では、最近ご紹介している、次の図を見ると
1つ疑問の声をいただきます。
思考が感情を作っているのであれば、
「感情は思考の結果ではないのでしょうか?
なのになぜ感情習慣が真ん中にあるのですか?」
という疑問。
うーん、これは禅問答のようにややこしい説明になりますが、
私なりに言葉を尽くして、解説したいと思います。
上記の通り、
思考(ものの捉え方、考え方)から感情は生み出されていく。
たとえば、
常に自分を過小評価する
相手を変えようと必死になる
漠然と考え堂々巡りする
自分の固定観念から見る
環境に振り回される
過去を後悔し続ける
完璧を目指しすぎる
マイナスの側面を見る
過去の後悔と不安にまみれている
という思考パターンを繰り返すと感情は最悪ですよね。
だから、この思考を修正して新しい思考習慣を身につけると、
ストレスに強くなり、悩みにくくなっていきます。
これは即効性があります。
しかし、では、思考から感情は生まれていると、一方通行でパターンは起きているのかというと
これはまさに鶏と卵の関係になっていることに気づきます。
感情が思考をつくっているとも言えるし、思考が感情を生み出しているとも言える。
つまり、ポジティブな感情を味わう人が、まず楽観という感情を選択します。
まず、ここがスタートライン。
そして楽観を生み出す思考を選択するという順番です。
楽観という感情を味わう習慣がある人は、楽観的な見方・考え方が好きなのです。
だから楽観的になれる思考がついてくる。
私は、企業で「意味づけ思考」を教えたことがあります。
プラスの意味を見出すこと。
大手化学メーカーで、
会社の命により、海外転勤を余儀なくされた80名の社員に対して。
正直、地元企業の勤めて20年も経つと、
家族と離れて海外で働き、暮らすのはとても大変です。
案の定、冒頭からやる気はなく、
ネガティブな感情に包まれていました。
私の第8の習慣、プラスの側面を見出す、
感謝を見出す。
どんな出来事の中にも
プラスの意味がある。
というものですが、
見事の反応は二極化しました。
あるグループは、
「確かに、海外転勤といっても3年だし、貴重な経験になるかもしれない。他社は同じ環境にあってレイオフをしたのに
我が社はレイオスせずに配置換えで対応してくれた。不満の移動であるものの感謝しなければいけない面もあるな!」
と反応しました。
あるグループは、
「思春期の子供を残して、文化も言葉も違う海外に生かされるのは、不満でしかない。
意味はあるかもしれないが、そんなことを考える気分になれない」
と反応しました。
もちろん、どちらの反応も共感できます。
私が同じ立場でも、心には2つの反応が出るでしょう。
この2つのグループの人たちを見ていると
わかるのは、感情習慣が楽観か、悲観かの違いです。
前者のポジティブな反応を示した人は、
普段から楽観的な感情を味わうのに慣れている人です。
だから、意味づけやプラスの面を見つける、感謝を見つけるという
思考が感情にフィットする。
だから、その見方ができます。
しかし、後者のネガティブな反応を示した人は、
普段から環境に愚痴をいい、不満をいい、そんなマイナス感情の中で働いてきた人たちです。
マイナス感情に慣れ親しんでいるので、
その感情を生み出す思考が連動して付いてきているのです。
私たちは、普段当たり前に味わっている感情が習慣になり、
それにふさわしい思考パターンを生み出しているという構造も持っているのです。
だから、ある人にとって、プラス思考というのは、
単なるポジティブの押し売りのようにしか見えない。
私たちは合理的な思考の元に生きているようで、
やっぱり感情の動物。
今日の話は、言葉で明確に伝えるのが難しい部分がありますが、
少しでも気づきになれば幸いです。