習慣化コンサルタントの古川です。
経験知を伝える技術(ドロッシーレナード)
の書籍を読みました。
ディープスマートは、暗黙知、経験値のことで、
深い知恵。
引用しながら、その本質を明確にしたいと思います。
ディープスマートとは、直訳すると深い知恵。
例えば、アメリカの企業が、
トヨタのカンバン方式やアンドンを仕組みだけ
真似しようとしたが、多くは移転できず失敗した。
なぜなら、
その根底にある暗黙の知識、思考様式というディープスマート
がないからだ。
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ディープスマートの土台になるのは幅広い経験だ。
それが豊富な経験のレパートリーとシステムレベルの理解を生む。
この広い基盤に支えられた知識が武器になって、エキスパートは
膨大な情報の海から意味のあるパターンを見つけ出せる。
ばらばらの知識を統合・理解し、関連あるパターンを見いだして、
それをもとに行動するためには、ディープスマートが欠かせない。
中略
熟練の開業医は、さまざまな専門医の報告を考え合わせて診断を下す。
中略
一般に「直感のひらめき」だの「虫の知らせ」だのと言われているものは
実はたいてい瞬間的な無意識のパターン認識だ。
子供はこのような直感のひらめきを経験しない。
それまでに経験したパターンが乏しいので、目の前の状況と照らし合わせる
材料がないのだ。
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ディープスマートの本質は、
幅広い経験×パターン認識力
だと言っています。
幅広い経験は、多種多様な経験。
私はシステム業界にいましたが、
システムエンジニアをやって営業をやった人は、
エンジニア一筋20年の人とは違う経験を持っている。
どっちがいいかではなく、幅の広さと深さが意味を持ってくる。
さらにそこにパターン認識力が関わってくる。
つまり、同じ体験をしていても、パターンを類推する力がなければ
ただの経験の垂れ流しになるだけ。
だから、1を経験して10を知る人と
10を経験してようやく1を知る人の違いが出てきます。
そのためには、普段の経験をまとめたり、人に話をしたりして
法則化、抽象化、体系化することが重要です。
私は本を書いたりするので、その機会に恵まれますが、
その経験の深い深い本質テーマを洞察する力があれば
パターン認識力は高まり、最終的にディープスマートは
豊かなものになります。
経験はまさにディープスマート。
というより経験からしかディープスマートは育ちません。
だから私たちは、缶詰の研修よりOJTで仕事を覚えていきます。