習慣化コンサルタントの古川です。
さて、クール・・脳はなぜ「かっこいい」を買ってしまうのか?
日本経済新聞社
という書籍に、消費行動を分析するためこんな引用があります。
人間には3つの本能的快感機能があるといいます。
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神経経済学という分野は、
神経科学、コンピュターサイエンス、そして経済学を組み合わせたものです。
この神経経済学では人を3つの意思決定機関(コントローラー)の連合体とみなる。
ある種の快感機械が3つ、あなたの中に潜んでいるのだ。
その3つとは、
「生存快楽機械」「習慣快楽機械」「目標快感機械」である。
これらは進化の過程で、それぞれ違う圧力によってつくられたものだ。
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3つの本能的機能は、次の通りです。
1.生存欲求コントローラーは、食べる、寝る、性行為までを衝動的に選ばせる
2.目標達成コントローラーは、1日で成し遂げることをTODOリストにして達成する
3.習慣行動コントローラーは、朝新聞を読みながら、コーヒーを飲むという習慣的行動をとる
さて、ここからは本はわかりにくいので、私なりの考察で展開していきましょう。
目標達成と習慣化は、根本的に違います。
すぐに英語やダイエット・運動も目標達成にしがちです。
私たちは目標達成は、仕事でも普段から活用しており、理性の制御で
行える便利な機能だからです。
私たちは習慣化と目標達成の根本的な違いを理解していません。
目標達成は、達成の成果に焦点を置き、そこに至るまでの認知資源(注意力)を
最大限活用して到達します。
仕事でも受験勉強でも同じで、目標にたどり着くまでに「認知資源」をかなり多く投入するのです。
仕事という環境や報酬・強制力が大量にある分野は自分の認知をほぼそこに注ぎ込めるため
確かに集中できるでしょう。
学生であれば、勉強以外に認知資源を奪うものは恋愛でしょうか。。。
でもそれがなければ、受験に集中できる環境です。
そう、目標達成には、認知資源を使うことが求められます。
私たちの認知資源は1日で限られたものにしか向けることができません。
40%の行動が習慣的であると言われていますが、まさに上記の習慣行動コントローラー
から生まれています。
でも、私たちは目標達成コントローラーで習慣化を目指そうとして失敗します。
つまり、夏までに10キロ痩せるぞ!と決めて
毎日、食べるものを意識する、運動をするぞ!と意気込むものの
3日坊主になる。
それは、認知資源(注意力)が枯渇しているからです。
通常、仕事や家庭のことなどしっちゃかめっちゃか。
クレーム対応を3件も処理して、夫婦喧嘩をした挙句、
ダイエットのことを決意した時と同じレベルで覚えていられるでしょうか?
それは絶対に無理なのです。
意志が弱いからではなく、私たちの認知資源は仕事などに最大限使ってそれでも
足りない状態なのです。
だから、注意を向けることができなくなり、習慣は途絶えるもの。
だからこそ、習慣行動コントローラーに早くバトンタッチをしてあげることです。
習慣行動コントローラーの管理下に置かれれば、モチベーションは自動化(無意識)されて
ほとんど認知エネルギーを使いません。
自然にやってしまうものです。
その習慣行動コントローラーにバタンタッチするには、脳に当たり前の行動だよと
教えてあげる必要があります。
そのためには、
行動習慣なら1ヶ月、
身体習慣なら3ヶ月
思考習慣なら6ヶ月
を区別し、毎日小さく変化を覚えさせていくことが重要です。
一定機関、それがいつも通り!と脳が認識したら、
目標達成コントローラーの役目はおしまい。
引き継ぎ、習慣行動コントローラーにバトンを渡します。
認知資源を使うことも無くなります。
目標達成と習慣化は違うということをお伝えしました。
この3つのレベルについては、まだ長くなりそうなので、
別の機会でもお伝えします。