自宅ゲーム会536 後半 ジェネラルオーダーズ 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和6年1月6日

 

 新年最初の重ゲーを終えたところで、残り時間は軽めの2人専用をプレイします。

 

☆マッチオブザセンチュリー

○概要

作者:パオロモリ

対象年齢:10歳以上

対象人数:2人

標準時間:30-45分程度

 

 1972年に行われたチェスの世界選手権における優勝決定戦を取り扱った2人専用のボードゲームです。

 

①ラウンドごとに、気力に応じた手札とポーンを補充します。

②手番になると場の空いたスペースのうちいずれか一つにカードをプレイします。この時、ポーンを配置するとカードの数値を増やすことができます。

③続いてもう一方のプレイヤーも相対するスペースにカードをプレイし数値によって勝敗を判定します。

④勝者はその分だけ優勢を得ることができますが、敗者はプレイしたカードの効果を発動させることができます。

⑤続いて勝者から手番をはじめ、これらを繰り返し場がすべて埋まるか、残りの場で逆転できない状況になるとそのラウンドの勝者が決まり勝者は1点を得ます。

⑥これらを繰り返し、最初に6点を上げたプレイヤーの勝利となります。

 

〇プレイ経過

 管理人がスパスキー(ソ連で当時の王者)、やまがフィッシャー(アメリカで史実における勝者)を担当しゲーム開始です。ちなみにカードは白黒両方の数字が描かれており、一方は数字と効果が多彩なもので、もう一方は数値1と固定の効果となっています。初戦はスパスキーの先手(白コマ)で始まり、その後は交互に白を担当しますが、担当している色に対応したカードしかプレイすることができません。

 

 序盤こそ一進一退の勝敗で進んでいましたが、管理人が敗北と引き換えに気力を大きく伸ばしてからの中盤戦は終始優勢のままゲームが続きます。

 

 最終的には6勝2敗という戦績で王座を守り切った管理人が勝利となりました。

 

〇評価

 1972年に行われたチェス界におけるソ連最強を覆した歴史的な一戦、当時の王者スパスキーとアメリカ代表のフィッシャーによる王座決定戦をテーマにした2人専用のボードゲームです…といっても実際にチェスっぽい要素は使用されているや用語、フレーバーといったゲームシステムに直接影響ない部分で、ゲームとしては両者がそれぞれ異なるデッキを持ち、カードをプレイしてラウンド毎の形勢を競うという内容となっています。そんなわけで、チェスのルール自体は知らなくても問題なく、チェスのルールを知っているよりテーマの歴史的な背景を知っていた方が楽しめると思われます。そういう意味では史実の展開を説明した冊子が同梱されているのはいいところだと思います。

 また、形成の判定は基本的に順にカードをプレイし数字を比べるというシンプルなものなのですが、負けた側がテキスト効果を発動できるというのが非常によく効いており、1-4のエリア(対応する数値分だけ勝者側に優勢判定が移動する。)のどこで負けどこで勝つのか、値の大きなものは負けた時の効果も大きくなっており、どのカードをつかって効果の発動を狙うのかというのは非常に悩ましくなっています。

 加えて、ラウンドという短期的な勝敗も重要なのですが、あるラウンドで負けてもカード効果で気力を増やしたり、白黒の転換を見据え負ける覚悟で続くラウンドに有利なカードを保持して置いたり、と長期的な視点による勝利を狙うタイミングというのも考えどころになっているのは面白いところだと思います。

 その一方で、1ゲーム辺り最低でも6ラウンド、実際には一方的に勝利ばかり取るようなゲームではないため10ラウンド前後は行うことになると思います。前半こそ上記のような駆け引きを含んだ仕組みを楽しめるのですが、後半になると僅か16枚のデッキ故に見慣れたカードばかりになりますし、気力を上昇させる効果を持ったものも多く、気力低下による厳しさというのも思ったほど発生しせずに、ややだれてくるという印象がありました。この辺りは史実性も重要ですが、もう少し短めな調整でもよかったかもしれません。

 そんなわけで、数ラウンド楽しむには面白いと思いますが、フルゲームをプレイするには牽引する要素がもう少し欲しかったかなというゲームでした。

 

 

☆ジェネラルオーダーズ

○概要

作者:TrevorBenjamin&DavidThompson

対象年齢:14歳以上

対象人数:2人

標準時間:30分程度

 

 実際に起こった特定の戦場ではなく第二次世界大戦時を背景に指揮官の駆け引きをテーマにした2人専用のウォーゲームのようなゲームです。

 

①手番になると指揮官をひとつ空いているアクションスペースに配置します。

②アクションには「移動」「空挺降下」「砲撃」といった盤上に指揮官を配置するものと、「カードの獲得」「戦力の補充」といったサポートボードに指揮官を配置するものがあります。

③移動により敵ユニットのいるエリアに侵入すると戦闘が発生します。防御側が先にダイスを振って攻撃側に損害を与え、その上で1対1の割合で両軍のユニットを取り除き残った方の勝利となります。

④交互に指揮官を配置し全ての指揮官を使い切るとラウンドは終了です。

⑤これらを4ラウンド行い、ゲーム終了までに相手の拠点を奪うと奪った側が、どちらも拠点を奪えない場合は得点によって勝者が決まります。

 

〇プレイ経過

 中央の街を挟んで対峙する両軍という状況からゲームは開始となります。ちなみに、こちらは山岳マップですが、メインボードの裏側は空軍の登場する島峡マップとなっています。

 

 中央の横列の各へクスにはボーナスが描かれており、このへクスを支配すると対応するボーナスを受け取ることができます。やまは街へクスの防御で有利になる中央を押さえ、管理人は左右から戦力を進めています。

 

 2ラウンド目、やまの強力な砲撃(へクスボーナスで追加ダイス)により苦戦しますが、中央に突出したやま、それを左右から挟む管理人と中央の状況に変化はありませんが、左奥やまの砲撃アクションエリアを空挺降下で空白地帯にし、続くラウンドの空挺降下で占拠することに成功します。

 

 3ラウンド目。砲撃エリア奪取のためやまが手数を割いた隙をついて中央で攻勢に出ます。砲撃ボーナスをもつエリアについてはやまの反撃2ダイスがともに空ぶったこともあり占領に成功しており、おおむねこちらが優勢といったところです。

 

 最終的ラウンドも中央で激しい攻防が繰り広げられ、このラウンドはやまの防御ダイスが猛威を振るったところはありましたが、ここまでの優勢を何とか保って逃げ切った管理人が勝利となりました。

 

〇評価

 第二次世界大戦における戦場がテーマで、ボードゲームを主にする人にも馴染みやすいウォーゲームといった趣の2人専用ゲームです。ちなみに、具体的にどこか特定の地名が当てられているわけではなく、世界観のみでゲームとしては第二次世界大戦である必要はないかもしれないという感じです。

 こんな見た目ではありますが、へクスマップの戦場にあるアクションスペースへ指揮官を配置し対応するアクションを実行するというワーカープレイスメントとなっており、砲撃や突撃アクションで敵ユニットを削り敵陣を目指すことを目的としています。よくあるタイプのように部隊の再配置的なアクションはなく(上限まで置いた場合のみ増援のタイミングで配置換えができる)、未占領のエリアを攻めることで移動を行い、補充を使って戦闘や進軍による減少を補っていきます。指揮官の数はそれほど多くなく適時戦力の補充なども必要なため、限られた指揮官をどこに配置するのか、アクション争奪を踏まえてどのような進路をとるか、アブストラクトのような行動計画も考えどころとなっています。

 ちなみに、戦闘におけるダイスや追加もしくは特殊アクションが実行できるカードという要素もあり、上記の通り通常の手番だけだとアブストラクトっぽいですが、これらのランダム要素によるままならなさや、予定調和を崩す行動の実行などは楽しいところとなっています。

 あと、このようなテーマであるものの僅か30分くらいでスパッと終われるプレイアビリティの良さというのもいいところですね。

 大きく気になったというところはなく、手軽に楽しめるウォーゲームっぽいタイトルとしてとても面白いゲームになっていたと思います。

 

 

 ここで時間となり、新年最初のゲーム会は終了となりました。

 

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