自宅ゲーム会408 前半 Saladin | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

3月6日

 

 3月になり最初のゲーム会ですが、2月後半辺りから近隣の状況も落ち着いてきていることから、本日は久々となるやまも参加してのゲーム会です。というか、3人で集まるのは新年初ですね(汗)

 とりあえず、午前中はちいと2人でウォーゲームを1タイトルプレイしています。

 

☆Saladin

○概要

作者:DenisSauvage

対象年齢:14歳以上

対象人数:2人

標準時間:45分程度

 

 イスラム国家の英雄サラディンと十字軍との間で勃発した2つの戦いをテーマにしたウォーゲームです。

 

①プレイするシナリオを選択しセットアップを行います。

②ターンの最初に1つ+壊滅したバナーごとに1つのオーダートークンを失います。

③主導権を持つプレイヤーから交互に手番を行います。

④手番にはアクションを実行するバナーと、アクションの種類を選択します。アクションの多くはオーダートークンをコストとして必要とします。

⑤アクションを行ったバナーは行動済みとなります。コストを支払うことが出来れば行動済みのバナーもいくつかのアクションを実行できます。

⑥アクションの多くはダイスを振ってどちらかの軍に損害等を与えます。

⑦一定数の損害を受けるごとにオーダートークンを失います。

⑧全バナーが実行済みになっている場合のみパスを行え、パスを行うとターン中の手番が飛ばされます。

⑨両軍がパスを行うとターン終了となります。

⑩これらを繰り返し、先にオーダートークンを全て喪失したプレイヤーが敗北となります。

 

○プレイ経過

 シナリオはサラディンと獅子王リチャードの戦いを扱ったアルスフで、管理人が十字軍、ちいがアイユーブ軍を担当しています。

 ちなみに、マップ右手前にアルスフ城がありますが、ここに置いてあるユニットは誤りでアイユーブ軍のものが正しいです。

 

 距離を置き矢の雨を降らすアイユーブ軍に対して重騎兵の突撃で戦況の打開を狙う十字軍という感じです。未実行のアイユーブ軍のバナーは突撃に対するリアクションが取れるため最初は決定打になりにくいのですが、十字軍は実行済みでも突撃は使用可ということもあって、アイユーブ軍が活性化した後などタイミングを見て仕掛けます。上手く成功すると突撃は強力な威力を発揮しアイユーブ軍へ多くの打撃を与えることができます。

 

 左翼は攻めあぐねやや押されていたものの、右翼と中央は突撃に成功しアイユーブ軍の戦力を削っています。ちなみに、時間や損害によりオーダートークンは減少していく反面、損害の多い部隊はアクションのコストが増えるため、後半になるにつれて強力なアクションの実施は難しくなっていきます。

 

 中盤はお互い一進一退といったところですが、中央に損害を与えながら何度か突撃を敢行し、徐々にアイユーブ軍の損害を増やしていきます。

 

 後半。両軍とも損害はかなりのものとなっていますが、完全に壊滅したバナーはないという状況です。オーダートークンはかなり少なくなっておりアクションの実行も難しくなってきていますが、十字軍は唯一ほぼ無傷の部隊をひとつ残しており、この部隊の突撃でアイユーブ軍をほとんど命令不能に陥らせることに成功します。

 

 とはいえ、突撃のコストを払った分十字軍側もほとんどトークンは残っておらず、最後にはお互い命令不能な乱戦となります。かなりぎりぎりであったもののこのターンも全バナーが壊滅を免れていた十字軍に対して、アイユーブ軍はサラディンを含む2つのバナーが壊滅しており、アイユーブ軍のオーダートークンが先に尽きたことで十字軍の勝利となりました。

 

○評価

 英雄サラディンと十字軍との戦いをテーマにしたウォーゲームです。以前プレイした「アウステルリッツの戦い(「自宅会336 後」を参照。)」と同じく、ウォーゲームにおける重要な要素のひとつである機動という要素をばっさりと落とし、各戦線(バナー)を活性化させて正面の敵と殴り合う系のシステムとなっています。このシステムは比較的ルールが見やすくプレイアブルになるのはいいところですが、その分ややもするとダイス運大きくない?という部分がでてくるという印象です。

 しかしながら、本作の場合は軍全体の統制というか士気というのかそのあたりの状況をオーダーの数で表しており、このオーダーをどう使用していくかという部分が非常に悩ましい要素となっています。というのも、このゲームではターン毎に必ず各バナーが一度は活性化しなければならず、多くのアクションでコストとしてオーダーが必要となっており、オーダーが必要ないアクションは総じて自軍が損害を受けるというアクションになっています。このため、各バナーにはオーダーを消費し何らかのアクションを行わせたいとなるものの、オーダーはゲーム開始時こそ数が多く十分に行き渡るものの、ターン経過や損害によって徐々に減少していきますし、反面バナーごとに損害が増えることでアクションに必要なコストは増加していきます。中盤あたりになってくると徐々に限られたバナーにしかオーダーを費やすことができず、こうなってくると敵のアクションと自分のアクションで損害もどんどん増加していき、終盤にはひとつのバナーがアクションをするだけで手一杯という状況になっていきます。このような中、最終的に自分のオーダーをひとつでも残し相手のオーダーを削りきることが勝利条件となっていることから、戦況全体を見渡し主攻をどこに設定し敵に損害を与えるか、そして自軍の損害はどこで負うかの判断が重要となり、この辺りの駆け引きがとても良くできているという感じです。

 また、一見すると布陣図のようにも見えるコンポーネントがとても良く、見栄えがするところもいいところだと思いますね。

 大きく気になったというところはなく、最終的には戦闘ダイスの結果というところがあるものの、その過程において如何にオーダーをマネジメントしていくか、しっかりと考えどころの感じられるゲームで、プレイアビリティも高くとても面白い内容になっていると思います。

 

 

 午後に続きます。

 

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