令和2年5月3日
引きつづきちいとのゲーム会です。
☆タペストリー
○概要
作者:JameyStegmaier
対象年齢:12歳以上
対象人数:1-5人
標準時間:90-120分程度
科学、技術、探求、軍事という4つの分野を進歩させながら自文明の繁栄を目指すという文明発展系のゲームとなります。
①ゲーム開始時にランダムに文明シートを選択します。
②手番になると進歩か収入のどちらかのアクションを選択します。
③進歩は4つある分野のうちどれかひとつでコストを支払いその分野を進歩させます。この時、分野と進歩のレベルに応じた報酬が受け取れます。
④収入手番を選択すると新たな時代を向かえることになります。この時、文明シートの効果の適用、錦旗カードのプレイにより文明への能力付与(即時効果のものなどもあり)、技術カードのアップグレードに勝利点、収入の獲得を行います。各時代の収入手番を最初に行ったプレイヤーにはボーナスがあります。
⑤各プレイヤーには首都シートがあり、収入拠点の開放や分野ごとのトラック進捗状況に応じて建物を配置して行きます。これによって収入手番の得点の増加や、エリアを埋めたことによるボーナスなどが受け取れます。
⑥これらを繰り返し、各プレイヤーとも5回目の収入手番を終えたらゲームから抜け、全プレイヤーが5回目の収入手番を終えるとゲーム終了です。ゲーム終了時に最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。
○プレイ経過
ゲーム開始時の様子です。中央にメインマップ、その周囲4辺に各分野のトラックがあり、手番毎にいずれかのトラックを選び進歩させていくことになります。
こちらは個人ボードなど。中央のカラフルなミニチュアは世界遺産で、首都シートを埋める際通常の建物よりより広範囲を埋めることが出来ます。
中央下は文明カード、その左も個人ボードで条件を満たすことで収入建物を取り除き収入が増え、取り除いた建物は首都シートに配置します。建物のしたには錦旗カードを配置するスペースがあります。
序盤、どちらも軍事から上げてお互いの文明が接します。先手を打ったのは管理人でちいのエリアを奪いますが、次の時代へ移る際にちいがプレイしたの錦旗カードの効果で、反対に奪われてしまいます。
このあと、ちいはこのまま軍事を中心にまい進しますが、管理人はこれ以上軍事で対抗するのは難しい(2つのコマがあるマスには入ることができない。)と判断し技術の方に向きを変えます。
ちいの侵略は続き、残る都市はひとつとなっています。反対に技術は急成長で技術の数も豊富に集まっています。しかしながら、得点機会が乏しく、定期的に得点を獲得しているちいにだんだんと得点差をつけられていっています。
最終的に管理人もここまで準備をした技術により大きな得点を獲得することができたのですが、後半に入るまでについた得点差は大きくあまり縮めることができず、トラック半周以上の差をつけてちいの勝利という結果でした。
ちなみにゲーム終了時の個人ボードですがこんな感じで、世界遺産が賑やかそうな感じです。
○評価
彩色済みのミニチュアを始めStonemaier社のタイトルらしい全体的に豪華なコンポーネントをした文明発展系のゲームです。一見すると複雑そうなゲームにも見えますが、基本的に手番に行うことはコストを支払い4つの分野の中でひとつを進歩させ進歩後の効果を実行するというだけでゲームは進んでいくというシンプルなものになっています。各分野でどのような影響があるかというのも概ね方向としては決まっていますが、その上で他の分野や個人の場に影響を与えるものも多く、どの分野を進めて組み合わせながら得点につなげていくかというのが考えどころとなっています。
また、先般プレイした「エバーデール(「自宅ゲーム会268後半」を参照。)」と同様にラウンドにあたる時代の終了がプレイヤー一律ではなく終了のタイミングをプレイヤーが選択でき、各自5つの時代を終えるとゲームから抜けることになるためゲーム終了のタイミングも異なってくるというのも特徴となっています。時代の終了時に収入を得るタイミングがあるということもあって、各時代でしっかりアクションを行うということは当然大切ですが、「エバーデール」と異なりこのゲームの場合先に時代を終えることで資源ボーナスが手に入るため、他のプレイヤーが終了を狙うタイミングもうかがう必要もありますね。
ちなみに、時代終了のタイミングで錦旗カードをプレイできます。このカードは強力な効果を持ちますが各時代に1枚だけしかプレイできないため、各分野の進捗状況との相性もふまえながらどのカードをプレイしていくかというのは非常に悩ましいところです。錦旗カードを獲得できる効果を持つアクションを行うことで選択肢は増えますが、プレイできる枚数は増えないのでかかるコストとの加減は難しいところです。
一方で、メインマップに陣取りの要素がありそうですが軍事や探求を重視しないと関係が薄く、全体的に見た目の印象&文明発展系のイメージからするとプレイヤー間の絡みは薄めという印象です。ついでに、文明発展というテーマからするとフレーバーと効果の関連性が弱い(技術や進歩から効果がイメージできない)ということもあって効果の方だけに目がいきがちで、あまり文明発展というのもあまり感じなかったのも少し残念なところかな。
とはいえ、きれいにまとめられたシステムながらそれぞれのつながりをしっかりと考える必要があるところなど、とても良くできた面白いゲームになっていると思います。
☆軍靴とマスケット銃
○概要
作者:URA
対象年齢:10歳以上
対象人数:2人
標準時間:10分程度
ナポレオン戦争時代の戦場での戦いをテーマに、カードとダイスを使用して対戦するウォーゲームライクなタイトルです。
①ゲーム開始時に設定したカードを準備し、交互に1枚ずつ場に裏向きで配置して行きます。
②交互に手番を行います。手番には1つの部隊の移動と、3つの部隊を選択し攻撃を行います。
③攻撃に使用した部隊は公開され、部隊の攻撃力分のダイスを振り損害判定を行います。
④これらを繰り返し、相手側のエリアに自分の部隊を移動させれば勝利です。
○プレイ経過
ゲーム開始時の様子で、今回はオプションルールの作戦カード(基本的に対応する部隊の攻撃力を上げる)を使用することとしています。初期配置は中央と両翼にお互い同じ数の部隊を配置しています。
管理人は砲兵に対応した作戦カードがあり、右翼に集中した砲兵で砲撃を行い残り1ユニットまで減らします。
ちいは中央を攻めてきますが出目が奮わず。
騎馬隊に対応した作戦カードも使用し中央の部隊も壊滅させます。ちいはは予備から中央に援軍を派遣しましたが、その間再度右翼を攻撃して崩して突破に成功。管理人の勝利となりました。
続けての2戦目。各戦線のバランスは初戦に比べ管理人が左を厚くしています。
戦力の少ない右翼が危ういところではありましたが、左翼を集中して叩き突破に成功。管理人の2連勝となりました。
○評価
ナポレオン戦争時代の戦闘をテーマにしていますが、テーマといいマップの配置といいコロンビアゲームズ社の「ナポレオン(「自宅ゲーム会94 後半」を参照。)の戦闘をカードゲーム化したような印象のゲームとなっています。初期の配置が隠匿されているのも同様で、お互いが1枚ずつ配置して行きますが、どの戦線にどのような部隊を配置していくかというのは重要で、特にどこか一箇所でも突破されたら敗北となるので各戦線に自由に増援を送ることの出来る予備にどの程度の戦力を配置するかというのが考えどころとなっています。
その一方で、各手番とも1部隊しか移動できず移動力も1なので、よほど初期配置が偏らない限り(交互におくのでそうそう偏ることもないと思いますが)移動は予備から戦線のどこかくらいでその他の移動を行う余地はあまりなく、勝敗が初期配置次第というところがなくはないです。
また、反撃のような要素もないので先に攻撃できる先手がかなり有利というのもあります。一応振り直しカードはありますが、結果が必ずよくなるわけではないので不利を補えているかは微妙です。この点は攻撃力の上昇する作戦カードを含めると余計にかなと。
ついでに、攻撃力だけではない兵種による差がもう少しあっても良かったかもしれません。
というわけで、積み木のナポレオンの戦闘部分を手軽にという感じのゲームで悪くはないのですが、初期配置をしてしまうとそれ以降の選択肢が少なくもう少し機動の余地があると良かったなという印象のゲームでした。
ここで時間となり本日は終了しています。