自宅ゲーム会200 後半 For The People | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成31年4月30日

 

 さて、本日の最後にして平成最後となったゲームはこのゲームとなります。

 

☆For The People

○概要

作者:MarkHerman

対象年齢:12歳以上

対象人数:2人

標準時間:6時間程度

 

 アメリカ南北戦争の全期間をカードドリブンシステムで再現したウォーゲームです。 

 

①ターンの最初に増援が追加され、その後戦略移動で配置を調整します。増援はそれぞれの勢力、州の支配状況などでその数は変動します。また、この時登場ターンとなった将軍や除去された将軍も配置します。

②ターンに応じた枚数の手札を配布します。

③手番になると手札を1枚プレイし、カードに書かれたイベントとしてプレイするか、作戦値を使用してアクションとしてプレイするかを行います。

④アクションは「ユニットの移動」「軍の創設」「軍司令官の解任/任命」「要塞の構築」「PC(支配)マーカーの配置」のいずれかを行います。

⑤移動により両軍のユニットが同じスペースに存在すると戦闘となり、将軍の能力やユニット数などに応じた補正を行ったうえでダイスにより損害を判定し、より多くの損害を与えた側の勝利となります。戦闘の結果によって将軍の戦死判定を行う場合もあります。

⑥両軍とも国家戦意(SW)があり、州の支配、大規模戦闘での結果や軍の消滅、首都の陥落、イベントなどによって増減されます。

⑦順に手番を行い両プレイヤーの手札がなくなると政治支配フェイズへ移行します。このフェイズでは、首都が占領された場合の移転と、自軍ユニットがいるスペースへPCマーカーの配置を行います。

⑧各州には支配に必要なPCマーカーの数が設定されており、それを超えて支配すると支配権を獲得します。

⑨ターンの最後に一定数以上のユニットが存在するスペースでは消耗が発生し、この時点で補給を受けてないユニットは追加の消耗も受けます。

⑩これらのターンを繰り返し、シナリオやキャンペーンに応じた勝利条件を満たしたプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 今回はキャンペーンをプレイするので勝利条件はざっくりいえば相手の国家戦意を大きく減らすことです。全体を写しているのでやや見づらいですが、管理人が南軍、ちいが北軍を担当しゲーム開始時の様子です。

 ゲーム開始時は南2/3は南軍の支配下(灰色のスペース)、北部約1/4程度が北軍の支配下(青色)、その間に一部中立の州(黄)があります。初期配置は両軍ともに戦力はそれほど多くはありませんが、ワシントンと向かい合う東の戦線、中立のケンタッキー州を巡る中央戦線、ミズーリ州を巡る西部戦線といった感じで配備がされています。ターンが経過するにつれ徐々に増援となるユニットが到着しますが、基本的には北軍の方の数が多めです。

 また、将軍も初期はそれほど多くありませんし、南北戦争で有名な将軍の多くは未登場といったところではあるものの、南軍の方が活性値(行動をするのに必要とするための作戦値)、攻防ともにやや上といったところです。

 

 最初のターンは手札もそれほど多くないので管理人はワシントン周辺に砦を築き防御に備える程度。続くターンでは増援の多くを中央戦線に派遣し、ケンタッキー州の奪取を狙う構えをとります。

 

 ジョンストン将軍率いるユニットを軍として編成を行い計画通りケンタッキー州は制圧。さらに、反撃に出てきた北軍との初戦闘も勝利し支配を確定させます。

 しかしながら、もともと北軍の将軍の多くは活性値3(作戦値3のカードでないと行動できない)であるため積極的にはまだまだ動けずと踏んでいたのですが、やけにカードの周りがよかったようで東部戦線において北軍の将軍が活発に動き回ります。結果、ワシントン近辺に構築した砦は数の力で突破され、そのまま北軍が南下。2ターン目にして南軍の首都リッチモンドが陥落となり大きく戦意が減少。

 

 とはいえ、続く3ターン目。南軍も負けてはおらず、ワシントン近辺に新たに部隊を再編し、主力が南下しガラ空きになったワシントンを強襲。強襲に使用した軍は引き返してきた北軍の主力に敗れ壊滅はしたものの、北軍に首都の移転を強いて大きく戦意を下げることに成功します。

 また、中央戦線においては数では劣るものの質と機動力で対抗して優位に立ち回り、インディアナに影響力を広げることに成功。

 なお、北軍の首都移転先はワシントン周辺に主力が引き返していたこともあり、ワシントンのお隣のアナポリスを選択しています。

 

 そうこうするうちに4ターン目。南軍待望のリー将軍が登場となります。ちなみに、同時にフォレスト、モーガンといった強力な騎兵将軍、続くターンにはリーと並ぶ能力を持つジャクソン、両者には劣るものの十分強力なロングストリートとこのあたりで、南軍の質は数段強化されることとなります。ちなみに、北軍最強のグラント将軍の登場は翌年、グラントに続く能力を持つシャーマンがその翌年となっています。

 

 そしてこのターン。リー・フォレストと強力な将軍を同じ軍として編成し突破力を高め東部戦線に投入します。戦闘の補正を上げすぎると戦死のリスクは高まるものの結果的にはこれが功を奏し、北軍主力を撃破し移転先のアナポリスを攻め落とします。さらに、周囲の軍につかまる前に後退し、ウェストバージニアも占拠すると大活躍。

 北軍は首都をトレントン(最北東部)に再び移転。

 

※よくよくルールを確認すれば南軍の国家戦意が北軍の2倍となった時点で自動的に勝利となるため、実際にはここで勝利だったみたいです(汗)

 

 そして5ターン目ですが、このターンもリー将軍の活躍は止まらず。一旦、北部からトレントンに回りこませようと軍を動かしたところに、北軍は主力を向かわせ砦を構築して対応を行います。しかしながら、再度ワシントン方面に回りこませることで主力の迂回に成功。北軍にとっては別の部隊で足止めをはかりたいところだったようですが、ここに来て手札が奮っておらず作戦値3のカードが尽きたようで、南軍の足止めはかなわずといったところ。

 

 結局そのままリー将軍がトレントンに突入し三度目となる首都の移転を強要させます。北軍の首都移転は南軍の首都移転に比べ倍の国家戦意を喪失させ、都合3回で90という戦意を失った(初期値が100なのでそれだけ喪失が大きい)北軍の国家戦意は0となり、これによって南軍の勝利となりました。

 

○評価

 南北戦争をテーマにしたカードドリブンによるウォーゲームで、システム的には同作者の「ワシントンズウォー「自宅ゲーム会158 2日目 前半」を参照。)」にかなり近く、またカードドリブンのシステムはイベントと作戦が1枚のカードにおさまった「ハンニバル(「自宅ゲーム会102 2日目後半」を参照。)」方式になっているということもあり、評価についてはこれらも参考にしてもらえればと思います。

 その上で、序盤における将軍の質が優位点の南軍、将軍の質では出遅れるものの兵の量と海上優勢が優位点の北軍と、それぞれの特徴を活用しどう部隊を運用していくかというのが考えどころになっていますが、ここで特徴的なのは戦死という要素です。戦闘においては補正を含め大きな数値を出した方が相手への損害が大きくなるのですが、これが一定値を越えると将軍の戦死というペナルティが発生します。戦力に乏しく将軍の補正で何とか数の差を補いたい南軍としては、このペナルティは厳しくこのリスクをどこまで背負うかというのが問題で、そのためにどのような軍の編成(人事)を行うかというのは悩ましいところです。ちなみに、戦力比で大きな差がつくと戦力が大きい方にはこのペナルティを適用しなくなるため、兵力的に優位な北軍は戦死のリスクが小さくなっており、この優位点を活かし将軍の質で劣る期間であっても敗北を前提に敵の将軍や戦力の損耗を狙うということもできます。

 一方で、陸戦だけであれば他のタイトルと大きく差がなくそれほど難しくはないのですが、海上(川も含む)に関わるルールがかなり複雑になっており、このおかげでルール全体が煩雑になっているのは気になったところです。北軍にとってこれらの要素が重要なのは確かなのですが、基本的には陸軍の運用が主となると思われるのでもう少し整理をしてもらっていればという印象はありましたね。

 とりあえず、基本的には上記2タイトルと似たプレイ感を持っていますが、しっかりと南北戦争らしさは感じられるゲームです。さすがに南北戦争期全体を扱ったキャンペーンゲームだけあってルール量、プレイ時間ともに多く、ややプレイアビリティという面ではハードルが高いのですが、プレイにこぎつけることが出来れば十分面白い内容になっていると思います。

 

 

 これで平成最後のゲーム会は終了となり、次のゲーム会は令和となります。

 

 

「ボードゲームタイトル一覧」

 


にほんブログ村