自宅ゲーム会146 初日 上と下と 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成30年6月28日

 

 6月も末となりましたが久々に芋が帰省ということもあって、帰省に合わせいつものように芋とのゲーム会です。前半は2人でのゲーム会となっていますが、後半はちいややまを加えて多人数重ゲーと3日に渡ってしっかりとゲームを行っています。とりあえず、初日は中量級を2タイトルほど。

 

 

☆ニューファンドランド

○概要

作者:MartinKAllenborn&JochenScherer

対象年齢:10歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:60-90分程度

 

 探検船を操作して新大陸の発見を目指すとともに、交易などにより多くの富をもたらすことを目的としたゲームです。

 

①ラウンドのはじめに収入を得て資源を支払うことで船舶の購入や建物の建設が行えます。

②計画フェイズでは「積み込み(資源、1xカードの獲得)」「入植(発見された島タイルへのキューブ配置資源の獲得)」「販売(資源の出荷と出荷先の都市へのキューブ配置)」「発見(島タイルを公開し、公開したタイルへのキューブ配置と資源獲得)」の4つのアクションについてスタートプレイヤーから順に投入する船舶を宣言します。船舶の代わりにチャーター船(1xカードの一種)を使用することも可能です。

③それぞれのアクションの実行については投入した船舶の速力に応じて順に行っていきます。また、アクションの効率も投入した船舶の能力に依存しますが、アクションの種類によって参照する能力値が異なります。

④アクションの終了後、プレイ人数に応じてランダムな島タイルが公開され配置されます。

⑤4つある島ごとに全てのマスにタイルが配置されると決算となり、配置されたキューブごとに1点と、キューブの数に応じてボーナスが獲得できます。また3つある都市のマスがキューブで埋まると決算となり、島と同様に得点が獲得できます。

⑥得点トラックにはマーカーが配置されており、その得点まで到達したプレイヤーはボーナスカードを選択して獲得することが出来ます。あるプレイヤーがボーナスカードを獲得すると、そのマーカーは下に移動し次以降のプレイヤーはより低い得点でボーナスを受け取ることが出来るようになります。

⑦ボーナスカードの多くは特定の条件を満たすことで得点につながります。また2個目のマーカーに到達した場合は船長カードとなり、特別なボーナスが受け取れます。

⑧4ラウンドが経過するとゲーム終了となり、この時点で決算の行っていない島や都市に配置されたキューブ、未使用の1xカードやボーナスカード、50点に到達した順位によるボーナスなどを加え、最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子で、管理人はフランス(赤)、芋はイギリス(黄)となっています。国籍ごとに個人ボードに書かれた建物の一部が異なっており、管理人は販売の際にボーナスが獲得できるもの、芋は積み込みの際1xカードを追加で獲得できるものとなっています。

 中央に通っているトラックが得点トラックで、途中途中にある○や△のマーカーがボーナスとなります。右奥は購入できる船タイル、左奥が島、中央やや左の手前が都市となっています。

 

※今回は2人プレイ時様のヴァリアントである第3勢力のコマをラウンド終了時に公開された島タイルに配置するというのを忘れています。

 1ラウンドが終わった辺り。最初は船が少ないため手数が少なく、ほとんど得点ができず。船が増えてくる2ラウンド目辺りからゲーム展開は速くなってきますが、とりあえず概ねの方向性として芋は積み込みなどで資源を貯めつつ都市狙い、管理人は島の発見によるマジョリティ狙いと言った感じでゲームは進みます。

 

 2ラウンド終了時。前半戦は資源を貯めて出荷を狙う芋より、発見や入植でキューブを配置した島タイルなどですぐに得点を得ることが出来ていた管理人が先行します。

 

 3ラウンド終了時。この辺りになると芋も着々と得点を重ねてきてはいたものの、管理人はボーナスカードを得点化するなどして差は維持しています。

 

 しかしながら、最終となる4ラウンド。ここまで資源を貯めていた芋が、2枚の出荷タイルで合計20点以上を獲得し一気に管理人を追い抜きます。

 ようやく島の決算が起こるなどして、島のマジョリティに力を注いでいた管理人も何とかついていきますが・・・

 

 僅かながらに差が詰めきれず。2点差で芋の勝利となりました。いやあゲーム終了時に思いましたが、出荷が得意なフランスで島に力を入れるというのは我ながら明らかに作戦ミスだったように思います。

 

○評価

 新大陸へ船舶を派遣することでさまざまな物を獲得していくゲームで、アクションの実行前にどのアクションを行うかを宣言するというプロット系になるとは思うのですが、いわゆる同時プロットで全員が一斉にアクションを選択するのではなく、アクションごとに手番順にどの船舶を投入するかを宣言していくのは特徴的ですね。アクションは投入した船舶の能力によって手番順やアクションの効率が決まるため、どのアクションにどの船舶を投入するか、そもそもどういう目的(どのアクションに力を入れたい等)をもってどの船舶を獲得するかというところから考えどころになっています。

 また、もうひとつ特徴的なのは英語のタイトルの頭に「レーストゥ」とついているように、得点トラックをより早く進むことでボーナスの選択に優先権があるレース的な要素のあるところで、最終的により多くの得点を稼ぐということが目的ではあるのですが、その過程においては如何に早くアクションを得点につなげ有利なボーナスを獲得していくかというのが大切になってくるゲームです。島タイルのボーナスや出荷などにおいて、リソースを貯めることで後々大きな得点につながる可能性はあるのですが、得点トラックのボーナスを考えると後々の得点効率よりも今得点を獲得することが大切ということも多く、この辺りの判断は悩ましいところです。ちなみに、島タイルや都市へのキューブ配置も、それほど多くのプレイヤーが配置することは難しい(特に多人数の場合)ので、どの要素を優先するかというのもレースっぽいところです。

 一方で、プロットによるアクションの選択自体は考えどころだとは思うのですが、あえてアクションごとに順次プロットさせるというのは、アクション自体にそれほど排他性がないため、あまり有効的に機能していないという印象です。プロットのメリットとして同時に行うことでダウンタイムの軽減ということがあると思うのですが、それと引き換えにしてまでこの方法でやる必要はなかったのかなと。ただ、使用できる船舶の数が各プレイヤーともそれほど多くないので、ダウンタイムが発生しやすいとまでは言えないので悪いわけではないです。

 また、プレイ人数による調整があまりないため、2人でのプレイの場合ボーナスの選択においてそれほど急ぐ必要がなく全体的に急いで得点を稼ぐレースという要素が弱くなるというのも気になったかな。というのも、2人プレイであればトップで通った人間がボーナスごとに5択、2位は4択であるためそれほど差がないのですが、4人プレイの場合トップは5択で、4位だと2択になるため急ぐことへの意識付けに違いがでそうという感じです。

 あとは、タイル類や1xカードの総数が少なく4人プレイになると頻繁に捨て山を回収して戻さないといけなさそうなのは手間かな。この中でも島タイルは島の形状によって配置スペースが限定されるため、配置スペースの少なくなる後半ラウンドの最後に配置する際、適合する場所がなくほとんど全てのタイルを引いた(このタイミングでの配置は、どの島に配置するかが決まっており適合するタイルが出るまで引き直し)こともあったので、バランスなどはあると思いますが全体的にもう少し量があってもあってもよかったかなと思います。

 とまあ、気になる点はあるのですが、とりあえず限られた船舶をどのアクションに割り当て、速度と効率を天秤にかけつつ得点を獲得していくか、ルール量は少し多めですが実際にプレイするとゲーム全体のテンポが良いこともあってプレイしやすくなかなk面白いタイトルだと思います。

 

 

☆上と下と

○概要

作者:RyanLaukat

対象年齢:13歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:90分程度

 

 蛮族の襲撃を逃れ、たどり着いた新天地の地下には広大な洞窟が広がっていた・・・といった感じで始まり、地上で建物を建てながら街を発展させ、一方では地下にもぐって冒険をするというワーカープレイスメント系のゲームです。数十ページに上る地下探索用のブックはゲームブック(ストーリー仕立てになっており、選択肢によって進む先のページが変わり分岐する)風になっているのが特徴です。

 

①手番になると使用する村人を選択しアクションを実行します。また、村人を必要としない「資源の売買」「建物の更新」「パス(ラウンドから抜ける)」といったフリーアクションもあります。

②アクションには「探索(後述)」「建築(コストを支払って建物の建設)」「収穫(建物から資源の回収)」「訓練(コストを支払い村人の獲得)」「労働(資金の獲得)」があります。

③探索は洞窟カードに書かれた番号の物語を他プレイヤーが読み、手番プレイヤーが物語の分岐を選択します。この時、判定が必要であれば突入させた村人による探索判定を行い成否が決まります。物語の分岐や成否の結果によって獲得できるものが変化します。また、多くの場合その洞窟カードも獲得でき、洞窟カード上に基地(建物の一種)を建てることも出来ます。

④アクションを行った村人は消耗し、また探索の結果によって負傷することもあります。回復には、そういう効果を持つリソースやラウンド毎に建物に描かれたベッドの数だけ村人が回復します。

⑤ラウンドの最後にディスプレイスペースを整理し、各プレイヤーが収入レベルに応じた収入を獲得してラウンドが終了します。

⑥7ラウンドが終了したらゲーム終了です。この時、建物や個人ボード上に配置したリソースなどによって得点を獲得し、最も多くの得点を獲得したプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。手前が個人ボードで、中央の村人の状態を管理します。また下段が収入トラックで、資源を配置するごとに定期収入が増加するとともに、配置した資源はそこに書かれた勝利点として換算されます。

 

 中央が共用ボードで、上段に獲得できる村人、下の洞窟は左がラウンドトラック、右が名声トラックとなります。名声は探索の行動によって上下します。

 

 左右に並んでいるのは建物カードのディスプレイで、コストを支払うことで建設することが出来ます。

 

 2ラウンド目が終了したところです。序盤から積極的に洞窟に潜っている管理人(緑キューブ)ですが、薬売りを襲撃したり何だかんだで名声は下がり気味。

 

 中盤。とあるイベントで名声が大きく上昇。とはいえ、探索ばかりに力を注いでいるせいか、建物の方がいまいち成長せず。

 

 一方の芋も管理人と似たり寄ったりのプレイではありますが、資金をためて大物の建物を購入しています。

 

 そんなこんなでゲーム終了時はこんな感じです。お互い探索ばかりしていて、ほとんど建物がない洞窟ばかりです。

 得点計算を行うと、管理人は村人が得点となる建物でかなり稼いではいたものの、カード効果以外の要素は芋が上回っている上、建物がない洞窟を得点化したりでカード効果でもそれなりに稼いでおり、合計すると芋の勝利となりました。

 

○プレイ経過

 村人ごとに特定のアクションが出来たりできなかったりという要素はありますが、地上部分においては村人を選択しアクションを選択すると、基本的にはワーカープレイスメントです。回復力(ベッド)に応じて、ラウンド毎に使用できる人数に多少の制限というものはありますが、それ以外に制限はなく他プレイヤーどころか自分で選択したアクションであっても複数回選択できたりと、ここまでだと特に特徴のないゲームと言えます。

 しかしながら、何よりこのゲームを特徴付けているのが洞窟の探索で、数十ページに上る地下探索用のブックはゲームブック風になっており、ストーリーの分岐や探索に送り込んだ村人の能力&ダイスに応じて結果が変化し入手できるものが異なります。物語の結末を自分で選択するというのはなかなかに面白く、また、通常は探索の成功数は多いほどよりいいものが獲得できますが、それだけの村人を洞窟に探索すると地上がおろそかになるため、このバランスをどうするかというのが悩ましいところです。

 一方で、この最大の特徴でもあるゲームブックなのですがガチのゲームとしてみると、獲得できるもののランダム性が非常に高く(探索値が多ければいいものは手に入りやすいがなにが手に入るかは結果を見るまで不明)、結果運よくいいものが入手できたプレイヤーが有利なのではというところがあります。また探索の都度ストーリーを読むため、連続して探索が起こった場合などダウンタイムが長引きがちで、2人なら交互なのでまだいいのですが、4人になると少し厳しいのではという印象があります。あとは、贅沢な要望がかもしれませんが洞窟に潜ったストーリーが1話完結で、次に潜ったときには全然異なる物語になるのはやや味気なく、もう少し連動性があっても面白かったのかなとは思います。

 とりあえず、このゲームブックというシステムが特徴なため、これをどう評価するかによって評価が分かれると思うのですが、個人的には気になるところはあるものの、洞窟を探索するという雰囲気は出ていますし結果の一喜一憂は面白く、なかなか楽しめるタイトルだとは思います。

 

 

 ここで初日は終了となり2日目に続きます。

 

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