自宅ゲーム会119 前半 トーレス 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

 平成30年1月20日

 

 本日はやま、ちい、しょうとのゲーム会を予定していましたが、しょうはインフルでダウン、ちいは家族にインフルが発症し辞退となった結果、やまと2人で比較的軽いものから中量級くらいを中心としたゲーム会となりました。いやあ、インフルエンザが流行っているみたいなので皆様もお気をつけくださいませ。

 

☆赤の国青の国

○概要

作者:菅沼正夫

対象年齢:10歳以上

対象人数:2人

標準時間:10分程度

 

  ゲムマ2017秋の新作(多分)で、武力に長けた赤の国の王子と、資源に富んだ青の国の王女による争いをテーマとしたカードゲームです。

 

①手番になると、占拠している拠点からの収入によりカードの購入を行います。カードはノーマルとエリート別々の山からの購入となり、それぞれ必要となる金が異なります。

②カードを購入した後は、手札を使用し出兵を行います。誰もいない拠点には任意の1枚、相手プレイヤーが占拠している拠点には2枚まで、カードをプレイできます。

③相手プレイヤーの拠点の場合、相手側は配置されているカードに加え、もう1枚援軍としてカードをプレイできます。

④両方のプレイヤーがカードをプレイするとプレイしたカードを公開し、攻撃側は攻撃力(合計)、防御側は防御力(合計)に領地の防御力を加えて比較し、勝っている方が勝利となります。攻撃側が勝利した場合、出兵に使用したカードを1枚領地に残して占拠となります。

⑤出兵は任意の回数を行えパスをすると手番が終了となり、相手プレイヤーの手番になります。

⑥これらを繰り返し、相手側の王子または王女を撃破するか、全ての領地を占拠すればゲーム終了となり、達成したプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時はこんな感じです。管理人が赤の国、やまが青の国の担当となります。管理人の王子の方が攻撃時(カード左上に描かれた数字は上段が攻撃時、下段が防御時となる)の武力が高く、青の国は王都の収入が高く設定されています。それぞれの領地は、どちらの勢力が占拠するかによって微妙に収入や防御力が異なるようになっています。

 

 序盤、順調に領地を増やした管理人が徐々に王都に迫ります(ちなみに実際は端から占拠していく必要はなくいきなり王都に出兵してもルール上は問題ありません)。しかし王都の防御は固く、なかなか陥落させることができず、王都侵攻→手札の消耗→やまの反撃といった感じで、何だかんだと一歩手前の青の街あたりで一進一退の攻防が繰り返されます。

 

 

 5つある領地のうち3つを常に確保していた管理人が、領地から得た収入により、エリート兵(黄色いカード)を増やしていっていますが、やはり王都の防衛はなかなか崩せません。そんな中、やまは時折王女を手札に戻しますが、王女の攻撃力は低めということもあり、結局王都に侵攻された際に援軍として再度登場ということも何度か起こります。

 

 形勢的には管理人が明らかに優勢ですが、王都が陥落しない&王女が倒せないため膠着状態。

 

 膠着が長引く状況の中、結局最後はやまが青の王女を侵攻に使用し、撃退されたところでゲーム終了。王女の撃退により管理人の勝利となりました。ただ、やまも半分自滅のつもりで使用したので、これがなければ最終的な結果は変わらなかったと思いますが、まだまだ長引いていたと思います。

 

○評価

 ファンタジーっぽい雰囲気があるキャラクターが可愛らしく、ルールも手軽なカードゲームです。また、カードのみのコンポーネントで余計なものがないため非常にコンパクトな作りとなっています。

 ただ、それ以外の要素は全体的に気になる点が多いゲームといった印象です。まず、攻撃力が高い王子といえどその能力は3で、ノーマルですら条件を満たせばそれくらいの攻撃力は出せるためあえて王子を攻撃に使う必要性は薄く、赤の王子の特徴といえる武力の強さはほぼ意味がなくなっています。また、攻撃に使うということはその領地に残るということになるため、防御効果のない王都以外の領地に滞在させるのは撃破される確率を上げるだけでリスクが非常に高く、結果初期のまま王都に配置(防御効果の高い土地に防御力の高いユニットを置く)というのが王子&王女の一番有用な使い方といえます。このこともあって、せっかく勝利条件は「全拠点の占拠」と「王子(王女)の撃退」の2つがあるのですが、結局全拠点を占拠するためには王子(王女)を撃退する必要があり2つある勝利条件は活きていません。

 また、王子(王女)が配置されていれば王都の防御力はその時点で6となります。この数字はノーマル×2では到達できない数字で、エリートならば達成できなくはないのですが、当然援軍も加わると考えると、エリートの中でも王都の制圧ができるユニットの組み合わせというのは非常に限られます。そのことからすると、相手の王都に攻め入れる状況になっても、王都の制圧ができるユニットが揃うまでは無駄に膠着状態となりやすいです。さらに、一部のユニットを除きほとんどのユニットが攻撃力に比して防御力は低めということもあって(そもそも攻撃力より防御力が高いのは王子と王女、攻撃力が0の神官くらい)、攻め取れても相手の反撃を守りにくいため消耗戦になりやすいというところもあり、色んな要素の結果なんだかんだと長期戦になりやすいです。

 とりあえず、プレイ時間は10分となっていますが、正直10分で終わるようなゲームにはなっていないといった感じです。これが、盛り上がりのある長期戦ならまだしも、優勢な側の手札が揃うまでという膠着というのが往々にして起きそうな内容で、当然盛り上がりには欠け長引いてるだけというのがなんとも調整不足感かなあといったゲームでしたね。

 

 

☆時の潮流

○概要

作者:KristianCurla

対象年齢:8歳以上

対象人数:2人

標準時間:15-20分程度

 

 調査員として人知を超えた旧き神々の知識を発見しようとするゲームです。同作者による「時の潮流(「自宅ゲーム会41 初日」を参照。)」のクトゥルフバージョンといった感じですが、クトゥルフらしい狂気という要素が加わっています。

 

①手札から1枚を選んで公開し、残ったカードを交換します。

②これらを手札がなくなるまで行い、手札がなくなったらラウンドが終了となります。

③ラウンド終了時には配置した狂気シンボルのあるカードの数だけ狂気を受け取ります。より多くの狂気を受け取ったプレイヤーは狂気を減らすか、追加の勝利点をもらうことができ、その後各カードによる得点計算を行います。

③場のカードの中から1枚を確保(自分の場に残る)し、別の1枚をゲームから除外します。

④2枚手札を補充し新しいラウンドを行います。

⑤3ラウンド目が終わるとゲーム終了で、得点の高いプレイヤーが勝利となります。また、いずれかの時点で狂気を9つ集めたプレイヤーは即座に敗北となります。

 

○プレイ経過

 第1ラウンド終了時の様子です。管理人は狙いを絞りきれずほとんど得点できず。一方のやまはカードを上手くそろえ得点を稼ぎ差をつけられます。

 

 第2ラウンドは管理人も上手くカードをそろえ得点を伸ばしましたが、やまも負けずとほぼ五分五分。ただ、やまはこの時点で狂気の数が6つとかなり危うい状況です。

 

 続く最終ラウンド、やまは狂気のリスクがありカードの獲得にかなり制限を受けている印象でした。一方管理人は狂気が少なかったこともあり、それほど気にせず必要なものを集めていきます。結果、管理人は全てのスートが必要となる「ニャルラトテップ」をはじめ、高得点につながるカードの条件を次々と満たしたことで、最終ラウンドはかなりの得点を稼ぎ、1ラウンドのアドバンテージをひっくり返し逆転。管理人の勝利となりました。

 

○評価

 基本的なゲームシステムや内容はほぼ「時の潮流」と同様なため、そちらの記事を参照してください。ただ、時の潮流では和訳シールなしでプレイしていましたが、今回はプレイアビリティを優先でシールを貼ってプレイしていますので、時の潮流で気になると書いていた部分はほぼ当てはまらないです。

 追加要素として「狂気」がありますが、狂気を集めるとボーナスがある反面、狂気の数が9個以上になると即敗北となるため、狂気をどこまで集めるかというところが考えどころとして加わっていて、これはこれで面白い要素だと思います。

 

 

☆トーレス

○概要

作者:ミハエルキースリング&ウォルフガングクラマー

対象年齢:10歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:60分程度

 

 王の後継者となるべく、配下の騎士を送り込みより大きく高い城を建設することを目的としたゲームです。2000年のドイツ年間ゲーム大賞受賞作ですが、最近新版が発売されて、管理人が所有しているのもその新版になります。

 

①ゲームは大きく3つのラウンドに分かれており、それぞれのラウンドが数ターンに分かれています。プレイ人数により受け取る数は異なりますが、ラウンドの最初にターンごとにわけて(ターンごとに使用できる上限が決まっている)建物ブロックを受け取ります。

②手番になると「騎士の配置」「騎士の移動」「建物ブロックの配置」「アクションカードの購入」「アクションカードの使用」「得点」のうち、5AP以内で任意のアクションを実行します。

③騎士は1歩、高いところには1段まで、低いところにはすきなだけという移動範囲が基本となりますが、建物ブロックの下は扉となっており、入った扉と同じ高さで連続する建物ブロックは1APで通り抜けることが出来ます。

④規定のターンを行えばラウンドが終了します。ラウンドの終了時には、各城において「騎士がいる高さ」×「城の広さ」が得点となります。また、ラウンド毎に王コマがある城の特定の階に騎士を配置(ラウンドに応じて騎士が何階にいたらよいかは異なる)していればボーナスが手に入ります。

⑤得点計算後、得点の最も低いプレイヤーが王コマを別の城に移動させます。

⑥3ラウンド終了時に最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。管理人は黄色で、やまが緑、赤い大きなコマは王コマとなります。

 

 最初のラウンドはお互い最初にいた城を拡張していきつつ、追加で招集した騎士を近隣の城に派遣しています。このラウンド、城から手に入る得点はほぼ同じでしたが、王コマのある城でボーナスを得た管理人が若干のリードです。

 

 2ラウンド目、徐々に城が高くなってきています。やまはこのラウンドも自分の城の拡張が中心でしたが、管理人は自分の城を拡張すると同時にやまの城にも騎士を派遣しています。

 王コマのボーナスはやまが得たため、思ったほどの差にはなりませんでしたが、それでも4箇所の城で得点した管理人が引き続きリードをしています。

 

 最後はやまが管理人の城に騎士を送り込んで来ましたが、あくまで得点は自分の騎士の高さであるため、そんなことは気にせず城の高さを高めていきます。そんなことをしているとターンもなくなりゲーム終了。特点計算を行うと手前の9段の高さのある城だけで9(高さ)×9(広さ)の81という高得点をたたき出し、2ラウンドからさらに差を広げての勝利となりました。

 

○評価

 アクションポイントによる陣取り系ゲームという感じで、さらにアクションカード以外にランダム要素はなく全体的にアブストラクトチックなプレイ感などクラマー&キースリングらしいゲームといった印象です。

 面白いのは普通の陣取りの多くが平面的に展開しているところを立体的にしているところで、得点が平面×高さであり如何に広範囲に広がる城を作成するかと同時に、如何により高いところへ自分の騎士を持っていくかというところが悩みどころになっています。

 ただ、広い城を作成するということはそれだけ他プレイヤーの騎士が侵入し、利用されやすいということで、それを防衛しようとすると、騎士は基本的に1段の高さしか上れず、他の騎士のいるスペースには侵入できないため、他プレイヤーの位置を見ながら城の高さや騎士の配置で工夫をする必要があります。ただ、防衛にあまり力を注ぐと得点面で見ると無駄な行動も多く、アクションカードの効果により侵入を確実に防げない状況も多く、限られたAPを何に使うかというのは難しいところですね。

 あとは、単純にだんだんと高くなっていく城を見るのは楽しかったり、ゲーム終了時のボードの見た目がいいというところはありますね。

 一方で気になる点としては、ある程度騎士の配置が済んでしまえば、後半になるとより高く上るためだけにアクションを使うことも多い印象で、2マスの範囲で建物ブロックの配置と騎士の移動を繰り返すだけという単純な手番が増えてくるのはやや単調な印象です。

 また、アクションカードには戦況を変えられるものもあるのですが、それほど有効でないものもあり、この辺の強弱は引き運が絡むのでもう少し調整が欲しかったかなと。 

 ついでに、新版特有なのかもしれませんが、やけに騎士や王コマが細くなって倒れやすいので、あえて何故この形にしたのだろうかと少し疑問です。

 とりあえず、気になる点がなくはないですが、より広くより高い城を限られたAPの中でどう組み上げていくかが面白いゲームです。ただ、このゲームをプレイしていると「サントリーニ(「自宅ゲーム会78 後半」を参照。)」が思い出され、サントリーニは似たような要素を多く含んでいる上に、プレイアビリティが高く、また神の能力によるバラエティもあると、2人であればサントリーニの方が面白いとは思います。

 

 

 後半に続きます。

 

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