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車通勤メタル!

児童養護施設で働くメタル好き中年保育士のCD日記。目指せ1万枚!

アメリカのプログレHRバンド、

ENCHANTの3rdアルバム。

 

 

西海岸サンフランシスコを拠点としている

バンドですが、

湿り気のあるダークで内省的な音であります。

 

DREAM THEATERのような派手さは無く、

FATES WARNINGに近い雰囲気があります。

歌もどこかレイ・アルダーっぽさを感じます。

 

プログレと言うよりも、

逆に無駄を省いた

シンプルな展開で現代的。

 

曲名もタイトル曲の「Break」をはじめ、

「King」、「My Enemy」など、

極めてシンプルであります。

 

1stは当時ビクターから国内盤も出ていましたが、

もうちょっと派手な

プログレ・ハードを展開していたように

記憶しています。

 

他のレビューを見ると、

やはりこのアルバムの方向性は

異色のようですが、

出来としては高水準であります。

 

歌もギターもフレーズは

非常に練られており、

癒されるメロディ満載です。

 

雰囲気で聴く、

お洒落な大人の

プログレと言えるでしょう。

 

☆「派手さは無いが、味わい深い、大人の1枚」…☆☆☆☆☆☆☆☆星8つ!

 

 

スウェーデン出身のギタリスト、

トーマス・ラーソン初のソロ・アルバム。

 

 

SIX FEET UNDER、BALTIMOOREといった

ゼロ・コーポレーション好きには

懐かしいバンドのギタリストで、

グレン・ヒューズのバンドでも

プレイしていたギタリストです。

 

グレン・ヒューズの「From Now On...」でもプレイし、

その時の来日公演でも弾いていましたね。

僕はその来日公演を生で観たので、

非常に思い入れの強いギタリストでもあります。

 

思い入れの強いと言いつつ、

当時は買わずじまいだったんですが(汗)、

いや、今更ながら、これはいいですよ。

まさに隠れた名盤。

 

1曲目の「Freeride」と、

7曲目の「Ruff Boy」は

北欧メタルファンにはお馴染みの

ヨラン・エドマンが参加しています。

 

他には読み方が分からないんですが、

Erik Jalmarssonというシンガーが4曲、

10曲目の「Bad Sign」ではトーマス自身が

歌っております。

 

残る4曲はインスト曲で、

ギタリストのソロにしては

インスト曲は少なめで、

自己主張は控えめ。

 

ただどの曲も歌、ギター・プレイともに

非常にメロディアスで、良い曲が揃っております。

 

少しブルージーな雰囲気もありながら、

北欧らしい透明感もある

メロディアスHRといったところで、

非常に聴きやすいアルバムです。

 

グレン・ヒューズと活動した後から

制作したというアルバムなので、

心なしか「From Now On...」に近い

雰囲気も感じます。

 

また北欧のギタリストのソロという括りで言えば

同じスウェーデン出身のジョン・ノーラムの

ソロ作品に近い方向性ですかね。

 

とにかく心地よい、

肩ひじ張らずに

ただただ楽しめる

1枚であります。

 

☆「北欧らしさとブルージーな雰囲気を楽しめる、隠れた名盤」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆星満点!

 

 

カナダのプログレ・ハード・ロック・バンド、

SAGAのスタジオ・アルバムとしては

11枚目の作品。

 

 

SAGAと言えば

ヒット作「Worlds Apart」に代表される

ポップなプログレ・ハードという印象ですが、

このアルバムは一味違います。

 

SAGAには珍しいコンセプト・アルバムで、

音はエッジがきいていて、ハード&ヘヴィ。

ロック・オペラのような作風であります。

 

特に2曲目の「Generation 13 (Theme #1)」は

壮大なオーケストラも導入した

スリリングでドラマティックな曲。

 

その後は小説を基にした

コンセプト・アルバムということで、

場面が変わるごとに曲が変わる構成。

 

18曲から成り立つ組曲とも言える

言わば「聴く小説」であります。

 

そのような構成なので

どの曲という訳でなく、

1枚トータルで楽しむ作品です。

 

ただ難解さは無く、

印象的なフレーズが

散りばめられており、

そこはSAGAらしい

キャッチーさが光ります。

 

他のSAGAの作品を聴いて、

物足りないと感じたメタル層には

このアルバムを聴いて欲しいですね。

見事にプログレ・メタルしております。

 

ただDREAM THEATERのような

テクニックで押すタイプでは無く、

どちらかと言えば

QUEENSRYCHEや

FATES WARNINGに近い感じがします。

 

これは逆にポップなSAGAが好きな

ファンからするとどうでしょうか。

SAGAの中では異色の作品と言えますが、

さすがの完成度であります。

 

☆「SAGAの中では異色の珍しいメタリックなコンセプト・アルバム」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!

 

元祖デス・メタル、DEATHの

ベスト盤であります。

 

 

ベスト盤はあまり買わないんですが、

こんなのあったんだと、思わず購入。

 

DEATHと言えば、5thアルバム

「Individual Thought Patterns」が

名盤中の名盤でありますが、

このベスト盤は1st~4thの曲を

収録しています。

 

言わばブレイク前の音源ですが、

さすがは元祖デス・メタル・バンド。

迫力は十分であります。

 

1stの曲は今聴くと、

デスと言うよりスラッシュ・メタルを

激しくした感じですかね。

 

2nd以降はテクニカル路線に進化し、

5thで見事に完成形を作り上げた

といったところでしょうか。

 

1stと4thは以前持っていたんですが、

先に「Individual~」を聴いていて、

当時は勝手に想像していた内容と違ったので

売ってしまいました。

 

しかしこうして過去の曲を聴いてみると、

これがなかなかカッコいい。

いや、素晴らしい。

 

こうしてベスト盤で聴いてみると、

やはりDEATHはスラッシュ・メタルから

進化していったんだなというのが

よく分かります。

 

チャック・シュルディナーの才能は

1stの時から存分に発揮されており、

曲作りもそうですが、

ギタリスト、デス・ヴォーカリストとしても

やはり素晴らしいです。

 

脳腫瘍で若くして亡くなってしまったのは

残念でなりませんが、

そこも含めて伝説なのかもしれません。

 

やはりアルバム単位で聴くべきですね。

また買い直さなくてはいけない

アルバムが増えました…(苦笑)。

 

☆「何とDEATHのベスト。歴史を振り返るには便利だが、やはりアルバム単位で聴きましょう」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!

 

 

スティーヴ・ハウ、スティーヴ・ハケットという

プログレ界のスーパー・ギタリスト2人が結成した

バンド、GTRの唯一のアルバム。

 

 

GTRときくと、車好きは反応してしまいますが、

単純にGUITERの略語だそうです。念のため。

 

ASIAを脱退したハウと、

ソロ活動をしていたハケット、

そこにマイク・オールドフィールドなどで活動していた

マックス・ベーコンとフィル・スポルディング、

元MARILLIONのジョナサン・ムーヴァーという

ASIA同様、プログレ界の

スーパー・バンドと言えるでしょう。

 

そしてプロデューサーが

ジェフ・ダウンズということで

やはりASIAに近いサウンド。

 

もっとギターが

目立ったサウンドや

スリリングな展開を期待したんですが、

割とポップな作風であります。

 

ASIAやYESのアルバムにあっても

違和感の無い曲が多く、

ハウとダウンズが関われば、

そりゃこうなるよなという出来。

 

GTRというバンド名やジャケット、

ハウとハケットの競演ということで、

バリバリのテクニカル・ギター・アルバムを

想像したりもしたんですが、

まあこういう作風に落ち着くのは

当然と言えば当然です。

 

前半はファーストシングルとなった

1曲目の「When The Heart Rules The Mind」をはじめ、

キャッチーでポップな曲が多く、

若干拍子抜け。

 

逆にマックス・ベーコンの

歌が目立つ歌モノが多く、

確かに曲としては良いけど、

期待していたものとは

違う感じがしました。

 

ただラスト2曲は

スーパー・ギタリストの競演が

存分に楽しめる展開であります。

 

9曲目の「Hackett To Bits」は

2分あまりの短いインスト曲ですが、

スリリングな展開が楽しめる曲。

 

そしてラストの「Imagining」は

曲自体は跳ねるテンポでややポップですが、

テクニカルでクセになる曲。

ラスト2曲でグッと締まった印象になりますね。

 

☆「ハウとハケットの競演。メタルでは無いので、バリバリのギター・バトルを期待してはいけない」…☆☆☆☆☆☆☆☆星8つ!