RHPSODY OF FIREの
フルアルバムとしては14枚目のアルバム。
オリジナルメンバーはキーボードの
アレックス・スタロポリのみで、
ルカに続いてファビオまで抜けてしまい、
どうなるかと思っていましたが、
こうして音楽性を変えず活動を続けていることは
素晴らしいですね。
ヴォーカリストがジャコモ・ヴォーリに
代わって3枚目ということですが、
意外と違和感なく聴けました。
パワーや個性という意味では
ファビオの方が上ですが、
クセの無いハイ・トーン・ヴォイスは
この音楽性に非常にマッチしています。
1曲目の「Challenge the Wind」は
オープニングにピッタリな
キャッチーなアップ・テンポの曲。
大仰なイントロは無く、
コンパクトな出来で、
この辺は昔からのファンには
物足りなく感じるかもしれません。
僕も1stから聴いていた人間ですが、
逆に大げさ過ぎるなぁなんて思っていたので、
これぐらいが丁度良かったりします。
続く「Whispers of Doom」、
「The Bloody Pariah」もコンパクトな出来で、
エピック・メタルと言うよりも
正統派メタルに近づいたような感じですね。
ヴォーカルもファビオほどコテコテしていないので、
余計にコンパクトに感じるのかもしれません。
4曲目の「Vanquished by Shadows」は
約16分の大曲で、これはこのバンドお得意のパターン。
ただやはり往年の作品に比べ、出来はやや
あっさりめであります。
6曲目の「Diamond Claws」、
7曲目の「Black Wizard」という
疾走ナンバーが続く展開は
やはりアツくなりますね。
大仰さという意味では
物足りないかもしれませんが、
曲としての完成度は素晴らしいです。
8曲目の「A Brave New Hope」は
このバンドにしては珍しく
爽やかさも感じる爽快なナンバー。
この辺は今のRHAPSODYの新たな
魅力かもしれませんね。
ラストを締めくくる
「Holy Downfall」、
「Mastered by the Dark」は
今までの作品同様重厚な締めで、
捨て曲ナシのカッコいい1枚に仕上がっています。
また日本盤はボーナス・トラックとして
「Challenge the Wind」の日本語ヴァージョンが
入っていますね。
まあいかにも外国人が歌う日本語といった感じで、
オマケとしては面白いですが、
まあ本当にオマケですね(笑)。
という訳で、他のレビューを見ると、
物足りない、ファビオが歌えば~、といった
意見も散見されますが、
そこは確かにとも思います。
ただ僕はかえって、このあっさりめの
RHAPSODYも良いかなと思えました。
正統派メタルに近づいたと言うのか、
聴きやすくて良いと思います。
エピック・メタル初心者こそ、
この最新作から入っても
良いかもしれません。
☆「往年の作品と比べるとあっさりしているが、これはまた正統派っぽくてカッコいい」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!