CONCERTO MOON/Rain Fire…2020年 | 車通勤メタル!

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児童養護施設で働くメタル好き中年保育士のCD日記。目指せ1万枚!

日本の様式美メタル・バンドの

スタジオ・アルバムとしては13枚目のアルバム。

 

このアルバムの前年に「Ouroboros」という

過去の名曲のリレコーディング作品をリリースしていますが、

その時と同じメンバーによるアルバムになります。

 

「Ouroboros」は新布陣の

お披露目的な作品でもあった訳ですが、

芳賀 亘(Vo)、三宅 亮(Key)という新メンバーに

少し違和感を覚えたのは事実でした。

 

もちろんオリジナル曲のイメージが頭にあるので、

リレコーディングという時点で違和感はあるんでしょうけど、

歌、キーボード共に「弱さ」「線の細さ」を感じました。

 

ただ新メンバーは2人とも若いので、

恐らく島さんにビシビシ鍛えられ

て成長していくんだろうなと思っていましたが、

早くもレベルアップしてきましたね。

 

1曲目の「Long Way to Go」を聴けば、

このメンバー・チェンジは

良い方向に作用しているのが分かります。

 

「Ouroboros」での芳賀 亘の歌は

綺麗で繊細なハイトーンではありましたが、

やはり線の細さや発音の甘さなどが目立ちました。

 

まあこれはクリーンなハイトーン・ヴォーカリストの

宿命ではありますが、無理にがなったりすること無く、

綺麗な声はそのままに、表現力が増した感じがします。

 

キーボードのプレイも同様で、

「Long Way to Go」のイントロからして、

丁寧に作りこんでいることが分かります。

音の使い方のセンスを感じます。

 

この「Long Way to Go」は実に素晴らしい曲で、

初期の名曲のような古典的な雰囲気もあり、

古くからのCONCERTO MOONファンにも

納得のナンバーであります。

 

ただやはり残念なのは

良い曲と、そうでない曲がはっきりしていて、

ミドル・テンポ、スロー・テンポの曲が

やや退屈なところですかね。

 

まあ初期のアルバムに比べれば

かなり改善されてはいますが、

ここも含めて、良くも悪くも

CONCERTO MOONらしいところであります。

 

他に3曲目の「Run for the Light」、

6曲目の「Burnt Society」、

10曲目の「Mirror Design」がアップ・テンポの曲。

 

「Burnt Society」は

イントロとリフ、ギター・ソロがカッコよく、

これぞ島 紀史といったナンバー。

ギター・ソロのオーバーダブによる

ハモりはRIOTっぽくて良いですね。

 

本編ラストの「Mirror Design」は何故か

完全にRAINBOW。

イントロで何だかリッチーっぽいな~と思っていたら、

リフで完全にやってます(笑)。

 

一昔前の様式美HR/HMバンドなら

1曲は必ずと言って良いほどあった

「Spotlight Kid」調のナンバーで、

今更感はありますが、

令和の時代に逆に新鮮に感じるかもしれません。

 

バラードやミドル・テンポの曲は

確かに芳賀 亘の魅力が出ていて

他のレビューを読む限り好評のようですが、

僕には歌謡曲のように聴こえてしまい、

ちょっと苦手ではあります。

 

とは言え日本の様式美メタル・バンドとして

長年音楽性を変えずに保っているのは

単純に凄いことだと思います。

 

あとやっぱりフロントマンは

若くてカッコいい方に越したことはありません。

僕自身はあまり見た目で判断しない方ですが、

この芳賀 亘はなかなかのイケメンで、

ファン層を広げる可能性もありますね。

 

という訳で、

先日ニュー・アルバムもリリースされたということで、

老舗バンドながら、今後の成長にも期待できる

素晴らしいバンドであります。

 

☆「若い力を注入した新生CONCERTO MOON。今後の展開にも期待」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!