スウェーデン出身のプログレHRバンド、
A.C.Tの3rdアルバムです。
しかし何とも不思議な魅力に溢れた
素晴らしいバンドであります。
僕はこのバンドの2ndアルバム、
「Imaginary Friends」にドはまりしてしまい、
すっかりこのバンドの魅力にとりつかれてしまいました。
最近5thアルバム
「Circus Pandemonium」を聴いたんですが、
これまた凄い作品でした。
ただサーカスをテーマとした
コンセプト・アルバムだったので、
少し散漫な印象があり、
個人的には2ndの方がコンパクトで
聴きやすく、好みではありました。
さて、この3rdは2ndの流れをくむ
コンパクトな出来で、
ポップな聴きやすさは維持しながら、
プログレ要素を一歩推し進めた印象。
僕は2ndアルバムのレビューで
「VALENSIA+DREAMTHEATER」のような
という例えを挙げたんですが、
この3rdも方向性としては近いと思います。
まあ若干雑な例えですが…(汗)。
それにしても
このメロディ・センスは
素晴らしいですね。
ポップでありながらも
哀愁、切なさを感じる
感動的な展開の数々。
曲作りは
キーボードのジェリー・シーリンが中心なんですが、
ジェリーのセンスと技巧派の演奏陣、
それにヘルマン・サミングの甘~い歌唱が
絶妙なバランスで独特の音像を生み出しています。
プログレ特有の難解さは無く、
かと言ってただのハード・ポップと呼ぶには
絶妙な仕掛けや創り込みが素晴らしく、
世の音楽愛好家を唸らせるに違いない
素晴らしいバンドであります。
ただこういう方向性だと
どうしても聴く層が限られてしまいますよね。
DREAM THEATER的なプログレHMを期待すると、
肩透かしを食らうでしょうしね。
本当は一般のロック、ポップを聴く層に
もっと知られて欲しい存在ですが、
やはりレーベルからしても
HR/HMまたはプログレを聴く層から
入っていく人が多いと思います。
「聴きやすさ」と「プログレッシヴ」は
相反すると思われがちですが、
こういった「聴きやすいプログレ」
というものがあることを
もっと広く知って欲しいと
このバンドのアルバムを聴くと
強く思いますね。
☆「2ndの方向性を更に進化させた、ポップで聴きやすい、メロディアスでファンタジックなプログレ」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆星満点!