KING CRIMSON/The Power to Believe…2003年 | 車通勤メタル!

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児童養護施設で働くメタル好き中年保育士のCD日記。目指せ1万枚!

KING CRIMSONのスタジオ・アルバムとしては

最終作となるであろう、13枚目のアルバム。

 

僕の中でのクリムゾンは

「Vroom」、「Thrak」のいわゆる

ダブルトリオ期で止まってしまっていましたが、

その後もこういった作品が出ていたのは

全く知らなかったですね…(汗)。

 

「Thrak」はかなり

メタリックかつ重厚なアルバムで、

なかなか聴きごたえがありましたが、

この「The Power to Believe」も

メタルであります。

 

「Thrak」はロバート・フィリップ自ら

「ヌーヴォ・メタル」と名付けた意欲作でしたが、

これは更にその方向性を推し進めた作品と言えるでしょう。

 

言わば「ヌーヴォ・メタル」の最終形。

その後バンドは活動休止、再始動を繰り返し、

ツアー中心の活動になります。

この次のアルバムを聴いてみたかった気持ちもありますが、

これがラスト・アルバムで完結というのも

妙な納得感と言うか、それだけの

説得力を感じる、素晴らしい作品であります。

 

特に2曲目の「Level Five」は

ヌーヴォ・メタルの完成形とも言える

素晴らしい曲で、

狂気じみた重苦しい音像と、

計算し尽くされた構築美が

同時に楽しめる名曲。

 

続く「Eyes Wide Open」は

重苦しい空気が一転して、

透明感がある穏やかなナンバー。

この辺りの対比は

実に巧いです。

 

次の「Elektrik」も良いですね~。

80年代のクリムゾンの雰囲気を感じる

モダンでテクニカルな曲。

音自体はオシャレで軽やかですが、

演奏は超絶技巧という、これぞプログレッシヴですね。

 

6曲目の「Facts of Life」は

混沌とした雰囲気が70年代っぽさも感じる

面白い曲ですね。

ただ初期作品にあった

「何が起こるか分からない」という感じは無く、

あくまで「計算し尽くされた混沌」であります。

 

9曲目の「Happy With What You Have to be Happy With」は

モダンでヘヴィなナンバー。

これは完全にヘヴィ・メタルしてますね~。

曲もそうですが、エイドリアン・ブリューの

攻撃的な歌とギター・ソロが楽しめる、

重苦しい雰囲気ながらもアツい曲であります。

 

このモダンかつヘヴィ、

重苦しい雰囲気がありながらも

何故か聴きやすいという…。

よくよく考えると

これぞクリムゾンの魅力そのもの

なんじゃないですかね。

 

まさにクリムゾンの最終作にふさわしい、

素晴らしい味わい深い作品です。

 

☆「正直2000年以降のクリムゾンには期待していなかったが、やはり本物は違う」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!