昨日のブログで書いた飲み会で、友人の一人から
村上春樹さんの短編「プールサイド」の話が出ました。
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翌々日、「今日の日本経済新聞の春秋欄で扱われてるよ」と
連絡をもらい、週末にじっくりと読み直してみました。
ちなみに、春秋の記事はこちら ↓
35歳が人生の折り返し点。そう心に決める男の話を、
村上春樹氏が25年前に「プールサイド」という題で発表した。
やりがいのある仕事、高い収入、家庭、健康、外車。
35歳ですべてを手に入れ、これ以上何を求めるべきか分からなくなり泣く。
そんな筋だった。
▼主人公は作者と同じ団塊世代。
小品ながら当時のファンの人気を集めたが、
今思えば優雅な悩みだったと言うべきか。
三菱総合研究所などがまとめた調査報告書が描く現代の35歳の姿は厳しい。
団塊ジュニアの彼らは雇用や所得に不安を抱え、
経済的な理由から結婚や出産をあきらめている人も多い、と分析する。
▼報告書はこうした現状を「35歳問題」と呼ぶ。
団塊世代が一線から引退しつつある。
人口のもう一つの山である35歳前後が果たす役割は大きい。
彼らに活気が乏しければ国全体が危うい。
この世代に向け、転職や少子化で手を打つかどうかが、
成長率や福祉負担を大きく変えると予測する。
▼30代半ば以降に人を襲う、人生このままでいいのかという迷いを
米国などでミッドライフ・クライシス(中年の危機)と呼ぶ。
順風満帆の人も揺らぐ年齢。
まして就職の不調でスタートラインにすら立ちそびれた人などはどうか。
欲しいものが見あたらないという悩みが共感を集めた世代との違いは、実に大きい。
奇しくも、昨年の6月、40歳という人生の節目に書いた
「あなたを邪魔する壁が小さくなる方法」の「あとがき」に
当時、どうしても書いておきたかった「思い」を凝縮しました。
20代や30代の若者を読者層とした自己啓発書ですが
私と同年代アラフォーの方々にも、ぜひ読んでいただきたい作品です。
私の中では青春まっただ中の20歳と還暦の60歳
その中間に位置する40歳を人生の折り返し点に設定してみたのです。
私たちは節目節目で精神的な壁にぶち当たる生き物なのではないでしょうか。
私事で恐縮ですが、毎年、お正月に個人テーマを設定します。
今年の個人テーマは、「初心に戻る」です。
やはり、中年期は自ずと自分を見直す機会になるのでしょうね。
いよいよ死へのカウントダウンが現実のものとなってきています。
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