大人たちの過ぎゆく日々 -4ページ目

大人たちの過ぎゆく日々

身近な家庭菜園/現代小説

 (41)冬子が髪を切ったのは何故 ?

 

旅行先で女三人、夜な夜な・・男100人浮気したら、100人の女性が絡むよね、中には主婦も居たりして・・と冗談で話したのを思い出していた。


(萩の花)

「ねぇ、渡辺くんは仕事って何時まで営業してるの?」

 

「10時まで」

 

「じゃ帰り遅くなるね」

 

「遅くなりそうな時は施術用ベットで寝たりしたことがあったよ。狭くて一度落ちた」と、笑う。

 

「え〜冬子が心配するでしょ」

 

「ん? 金土は施術が集中するのは知ってるし、遅くなるのは分かってると思うよ」

 

「違うよ、落ちたら心配するでしょうに」

 

「ああ、そうね、もう毎度のことだから。それに忙しい時が続く時もあれば、暇な時もあるからね。最近は予約だけにしたから、気分的にも楽なんだ。前は妹の件で心配が大きかったかな・・あの頃は、電話対応や受け付けのパートさんがいると助かると思ったけどね」

 

身振り手振りで渡辺くんの手を見ていたが、綺麗な手をしているのに気付く。

 

「手ですか?道具ですからね、怪我しないよう、きれいにしてますよ」と、手を差し出してきた。まるで触ってみて・・というように。慌てた涼子が

 

「あの、じゃ冬子に会わない日もあるんじゃないの?」

 

「何日もあるよ・・最近はイライラすることもないようだし・・この間の旅行で変わったのかな」

 

「お母さんや子供は大丈夫なの?なんか無理やり誘ったようで」

 

「全然大丈夫、この頃は週二回、ボランティア活動もしているし家を空けている」

 

「え、そうなの?」

 

「家に居ると嫁姑の関係があるから、気分転換で行ってるんじゃないかな?」

 

夫である渡辺くんの話なので間違いはないだろう。冬子は家から飛び出していた。それも週二も出掛けているという。ボランティアって・・?私たち女三人クラスメートは25年経って変わってきていた。つづく

 (40)二時も過ぎた頃、店内に入って来たのは渡辺くん「あれ、こんにちは」

 

「あら、こんにちは、休み時間?」

 

「そうじゃ無いけど・・今日はキャンセルだったので、ラーメン食べに来たんだよ。鈴木さんが居るなんてラッキーですね。たまには二階の店にも来てくださいよ」

 

「えー、スポーツトレーナーでしょ」

 

「普通にマッサージもしますよ」

 

「ヤダー、渡辺くんに施術されるのは恥ずかしいわ」

 

「そうじゃなくて、僕のところにも顔出して下さいってことですよ」

 

「そうだけど・・私は弘美に会いたくて来ただけだし」と強がった。

 

「家でもするんでしょ」それとなく冬子にしてあげてるのかを聞いていた。

 

「マッサージ?しませんよ。 あ、この間の旅行ではお世話になりました。楽しかったようですよ」

 

あの旅行は、私たち女三人ということで出掛けていたのだったが、実は倉田先生も一緒にドライブしていたのだった。

 

「あの頃かな ? 健康の為とかで走りだしたのは?今も続いているし、心境の変化だね」 

 

「へー、それは涼子のお陰かも知れないね。私も刺激を受けた一人よ。運動不足を実感したから」

 

「鈴木さんの刺激ってなに?」


渡辺は興味を示した。

 

「変わらぬスタイルよ。25年前と変わらないって凄いと思うわ。それで冬子も刺激受けたんじゃない?」

 

「僕も居酒屋で久しぶりに会って驚いたよ。初めは娘さんかと思って・・」

 

「あはは、お世辞が上手ね、それで冬子を口説いたのね」


「そんなこと無いよ。何となく・・」


 私たちは本音を聞き出すチャンスとも思って「何となくって冬子に失礼じゃないですか?」

 

「そうよ、大恋愛なんでしょ」


責められると松田は厨房で引っ込んてしまう「恋愛じゃないです。最近は考えてることが分からないほど、意見の食い違いが多くなってきている。お互い長い付き合いで我慢してきた日々だったのか?今になって本音がぶつかるのかな」

 

「お互い他人だもん。意見の食い違い、やることなすこと気に入らないって分かるわ。良くしたい、良く見られたい気持ちからなんだよ。それがさ、野球に例えれば努力しても、空振りではやる気なくすよ」


(コキアの花)


「そういえば、最近はヘアスタイル変えたようだ」

 

「へー、渡辺くんが言ったんでしょ」

 

「言わないけど」誰かに言われたのかな ? 冬子に男の匂いがした。つづく

(39)弘美がバイトを始めて二週間が過ぎる頃には、再び野球部の集会も迫っていた。内緒ではないのだろうけど、皆に何か言われそうな気配を感じるほど二人は仲良くなっている。

 

涼子が再び行ってみると、ランチタイムの忙しい時間帯を終えているようだった。

 

「弘美、変わったね」

 

「そう?お昼の時間だけ働かせて貰ってるよ。松田くんは優しいけど仕事中は真剣で」

 

「それだけ一生懸命なのよ」

 

「うん、それからさ、情報だけど渡辺くんが妹さんを連れてきて食べてたよ」

 

「この間の女性?」

 

「うん、結婚すらしいよ。彼女、渡辺くんとひと回りくらい違うんじゃないの ?ハーフかな」

 

「そう? ・・」

 

そこへ松田くんが来て「はい、スペシャルラーメン」

 

「わー、すごい。美味しそう・・松田くん、また集まりがあるけどバイトの弘美をどう紹介するの?」

 

「忙しいからバイトして貰ってます。と、言うだけですよ」


弘美の離婚が決まれば、フルタイムで働かせてもらう事になっていた。

 

「それだけ?」

 

「涼子っ私まだ・・離婚したら言うからさ。あまり責めないで」涼子は思った。もう弘美は、私より松田くんに味方していると。 


(ニラの花)

「渡辺くんの妹さんって結婚するんだってね」

 

松田「うん 母国のフィリピンに帰るらしいよ」

 

「じゃ、今度の集まりは、渡辺君の妹さんの結婚のお祝いと、弘美の結婚に向けて・・」

 

緑「やめてよ。私はまだ・・」

 

「協議離婚で合意してるんでしょ」

 

「うん・・」それを聞いて、松田は喜んでいるようにみえた。

 

「渡辺くんの事、誤解しちゃってたわね。不倫かと思っちゃったよ」

 

松田「あはは、でも願望はあるんじゃないの ? 男だから・・」

 

弘美「え!、松田くんも」

 

「ん?俺は、逆に女性には無頓着だったから・・」

 

「だから?」

 

「だから・・結婚出来たら、いつも側に居たいかな・・」


「そうなんだ。今週の土曜日に集まりで、渡辺くんにも聞いちゃう?、冬子は来るの?」

 

「いや、ここには来ないけど、一泊の温泉旅行には来てたけど」

 

「そうだったのね?冬子」

 

「現地集合、現地解散だったから。それに冬子さんは両親を連れて来ていたから、食事も別行動だったんだよ」

 

「そうなんだ、親孝行してるんだ」つづく