前回 の引きである委任契約について話そうと思う。

通常、委任契約(SES契約は業務委任契約に当たる)は信用の下で取り交わされる契約になる。なので、その信用の範疇で行われる事ならば法律のお世話になる事はない。

僕がフリーランス等で他の会社に入る場合は、偽装請負のような自分に有利な法律(*1)を探していた。それが今では逆に会社に有利な法律を探している。。。


まぁ、前回だけに限らないけど会社にも相当問題があるけれど技術者にも問題がある。そんな問題の技術者に対して行う措置というのを今日は紹介しようと思う。

繰り返しになりますが、この法律を通常は会社が適用してくる事はありません。このような事態に陥った場合はすでに信頼関係が崩れていると言う最悪な事態に陥っていると思ってください。


【注意】

僕は法律の専門家ではありません。

ここに書いている事は正式な文面ではないため、使用する際には真偽のほどを確認の上使用願います。

本記事が原因で何らかの損害を被っても僕は一切関知いたしませんので悪しからず。



■1.会社に損害がある場合

会社に損害を発生させてしまった場合は否応なく、会社から損害賠償を訴えられます。通常この状態に陥る事は無いのですが、何かの決断を迫られるような状況下に陥った場合やメンバーの管理不届きなどが発生して損害が生じた場合に請求されます。

読んでわかるとおり


その気になればどんなこじ付けも出来ます!


何かのプロジェクトが上手く進んでいない時に「お前の部下が居眠りをしていたから情報が行き渡らずプロジェクトが遅延したんだ!賠償金を払え!」なんてありえないようなこじ付けをされるかもしれません。(極端な例ですが、その気になればこじ付けは出来るでしょう。)


このような賠償請求が出来るのが以下の法律になります。

(下線の所はかなり怖い文面と言えます。)


民法650条3項・・・受任者が事務処理にあたって損害を被った場合、受任者に過失がなければ委任者に対してその賠償を請求することができる。この際、委任者は自己に過失がなくても請求に応じなければならない



■2.契約を一方的に破棄する場合

これは、受ける方でも使える法律です。

通常は契約を一方的に破棄することは出来ませんが、両者の合意が取れた場合に限り契約を破棄する事が出来ます。

損害賠償の対象になりますのでこのような事が起きないようにくれぐれもご注意を。


民法651条1項~2項・・・委任は委任者と受任者との間の高度な信頼関係の上に立つ契約であり、この信頼関係が損なわれた場合を考慮し、民法は各当事者はいつでも委任契約を解除することができることとしている(651条1項)。これを任意解除権というが、通常の解除と異なり遡及効がない解除であるため「告知」といわれる。ただし、当事者の一方にとって不利な時期に委任契約を解除した場合で、かつ、そのことにやむを得ない事情があるわけではない場合には損害賠償義務が生じる(651条2項)

■3.週報等の提示を行いたい場合

本当に委任した人(会社)が働いているかを知るために受任者は任意のタイミングで処理状況の提示を行わなければなりません。

なので雇い主は任意のタイミングで日報や週報の提示を行う事が可能です。

(これに違反した場合は1番の事務処理による損害に当たりますので注意)


民法645条・・・委任者から請求があった場合はいつでも委任された事務の処理状況を報告しなければならず、委任の終了後は遅滞なくそのてん末を報告しなければならない



■4.引き継ぎを行わせたい場合

担当者が辞める場合は当然引き継ぎが必要です。その際にスムーズに引き継ぎをしてくれない場合は以下の法律が効果的です。


民法646条1項・・・委任事務の処理にあたって受領したものを委任者に引き渡さなければならない
民法646条2項・・・委任者のために、受任者の名前で得た権利を委任者に引き渡さなければならない


こうやってみると、なんだかんだと会社の方が有利に立てるものだと感じますね。と言うか、お金を払う方が有利なのは消費者をみても同じなのです。我々もクーリングオフ等の法律に守られているように会社もこのような法律に守られているのです。




余談

この手の法律は請負でも大体使える内容になっています。



*1・・・偽装請負は何故悪いのか?偽装請負について 等に昔書いてた。懐かしい記事である。