やさしい人間学 22 | NPO法人生涯青春の会

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ここに収録する記述は、会報、エッセイ「癒しの森」、高齢者情報、日々の映像のまとめなどです。

営業社員養成講座                             2010年

            やさしい人間学 22


88、妻を讃える
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10365233636.html
89、日本の心の文化
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10365759509.html
90、人間学とストレス
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10366512800.html
91、自分を磨くという意識
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10367276703.html

88、妻を讃える
 1997年1月1日、57歳の時に社会の出来事を題材とする「日々の映像」(日々の社会の出来事をどう思いますか。私はこのように捉えます。・・・というスタイルの短文エッセイ)を書き始めた。現在は2009年10月であるので、12年
9ヶ月休みことなく書き続けてきた。12年とは4350日・9ヵ月は270日である。

すなわち合計で4620日間休むことなく書き続けてきた。これが私のささやかな達成感である。どうしてここまで書き続けられたのか、その一つは日本社会の「賛嘆の文化」が乏しいという怒りであった。ただの批判の山だけの社会ではどうにもならないのである。個人に当てはめても、評論・批判をするだけで、人を褒めない人がいる。このような人は人間学の視点から言えば三流の人物といわねばならない。

今回も赤塚充良さんの文章を引用して、一流人の心の琴線に触れてみたい。
以下の「妻を讃える」という一文を読んで感動した。これほど深い次元から妻を賛嘆する文章に出会ったのは初めてであった。

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妻を讃える
http://ameblo.jp/syogai1/entry-10256237061.html
 前回に引き続いて赤塚充良さんのことを書きたい。

 赤塚充良さんは「不可能を可能にする人生論」のあとがきで含蓄のある素晴らしい「妻を最大級に讃える一文」を綴っておられる。

「本書にはあえて書きませんでしたが、そのすさまじい人生の容量を、常に半分抱えてくれたのが、我が妻ひさ子でした。私が失敗を重ねても、一言も口に出さない忍耐力。いざという時に私の迷いをふっ切ってくれる度胸。そんな彼女がいつも側にいてくれたからこそ、私は安心して前に進むことができました。妻への感謝の気持ちは、とても軽々しい言葉などでは書き尽くせません。だだ『これからも共に歩いてくれ』と言うのが精一杯です。」

 今まで妻を讃える文章を他に何度か読んだ記憶があるが、これほど深く感謝の心が滲んでいる感動的な文に出会ったのは初めてである。今宵は赤塚充良さんとの会話で心が豊かになった。書物を読むことは作者との会話なのである。

良き書物を読むことは、過去の最も優れた人と会話を交わすようなものである
                 フランスの哲学者デカルト(1596~1650)
                   1997年2月28日の日々の映像から
http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=19970228

更に「どれだけ社会に貢献したか、また人々の幸せにどれだけ手助けになったかを常に省みてきました。企業の存在価値(経営者の存在価値)はこのような観点の点検と評価の中から生まれるものと思っています」とある。素晴らしい経営者の志である。この一節を読んだときシラーの次の語録を思い出した。

人間を偉大にしたり卑小にしたりするのはその人の志である。    シラー 
               2003年12月31日の癒しの森に引用 
 
http://www.enpitu.ne.jp/usr3/bin/day?id=30290&pg=20031231

--シラー--
Friedrich von schiller(フレデリック・ヴァン・シラー)
ドイツの詩人・戯曲家。ゲーテとともにドイツ古典主義の黄金時代を築いた。若い時にはシュトルム・ウント・ドランクと呼ばれる文芸運動に参加し、この運動で感情の力を強調しようとした。戯曲「群盗」「ドン・カルロス」「オルレアンの少女」「ウィリアムテル」など。詩では哲学思想史の傑作「理想と人生」「散歩」など。〔1759~1805〕

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89、日本の心の文化
日本人の大半の人たちが「心の文化が廃退している」と思っていると思う。
12年前の記録であるが、現在もこの傾向の中にいると思う。あなたは幸せですか」と質問して「ハイ」と答えた人の割合は日本が最低なのである。12年前から比較すると、収入を含む家庭環境が悪化しているので「あなたは幸せですか」に対して「ハイ」という割合は少ないと思う。なぜこんなになるのか。人が生きていく基本的な文化を伝える「人間学」の欠落から来ているといわざるをえない。

日本の心の文化
                   1997年1月14日 日々の映像から
 さまざまな論説があるか、日本は心の文化が廃退していると思う。一番のデータは子供たちの反応である。べネッセ教育研究所が世界6ヵ国の大都市に住む小学生4500人に「あなたは幸せですか」と質問して「ハイ」と答えた人の割合は以下の通りであった。
中 国        75%
ニュージーランド   42%
米 国        39%
日 本        26%  
日本がどうしてこのように低いのか、納得がいくような解説を読んだことが無い。
  ・物だけで 心の文化の 廃退か 子供の心に 未来が映らん

90、人間学とストレス
「人間学」を学んだ人はストレスに強いことは体験的に理解してきたが、最近は脳外科医が臨床の中で体験している。「人間学」を学んだ人は、環境を支配される割合が少ないのである。自分の置かれた環境に好ましい影響を与える生き方が必然的に出来る割合が高いのである。1997年1月8日に書いた短文エッセイを引用したい。

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今年のイメージは「混迷」(ストレス)
                   1997年1月8日 日々の映像から
 新聞に今年のイメージは「混迷」と発表された。ここのところのマスコミの報道は総悲観論になっている。マラソン選手がこんなことを言っていた。折り返し点を通過した時「もう半分過ぎた」と思うか「まだ半分残っている」と思うかで、気分が断然違ってくる。たかが気持ちとあなどれない。
混迷が続くのは、政治と金融機関の不良であって、その他の分野は逐年明るさが見えてくるのではないだろうか。

  ・混迷の 丑年ここに 始まれり 八方塞がり いつまで続くか

*ストレス
1月7日の日報の視点論点で、ストレスに関する解説があった。少々私の見解とは異なる。一番ストレスを感じるのは、全財産をかけて事業を経営している経営者である。サラリーマンもストレスがあるが、その深さから言ったらたかが知れている。要は環境を支配しているか、支配されているかでストレスの質が根本的に異なってくるのである。環境に働きかけることによるストレスは、心地よい疲労感なのだ。
 
 ・環境に 支配されゆく 受身では ストレスごまんと たまりゆくかな 

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91、自分を磨くという意識
身の回りの一切の出来事を自分の成長につなげて行きたいものである。突き詰めれば志を持ち「自分を磨く」という意識である。これがあると人は限りなく成長するように思う。 松下幸之助の語録を引用したい。

志さえ失わなければ、困難や問題は
全て新たな発展の契機として生かすことが出来る。
                    松下幸之助(パナソニック創業者)

1997年1月6日「成長する人:しない人」と題して短文エッセイを書いた。要は会社での総ての努力は自分のためになるのである。

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成長する人:しない人
                   1997年1月6日 日々の映像から
 会社に入社して成長する人と全くしない人がいる。この判別は誰が見ても成長する人と、そうでない人とに分けられる。この原因は、何処から来るのであろうか。さまざまな分析があるがその原点はいとも単純なところにあるのではないだろうか。ある社長が言っていた。「会社に入るということは、月給を貰いながら、社会勉強をするようなものだ」と。
 
 要は仕事を通じて、自分を磨くという感覚があるかどうかである。仕事は会社で指示された部門で、付加価値を生み出すために社員は働く・・見方によっては会社のために働くようなイメージもあるが、実際はそうではない。仕事を通しての努力の総てが自分自身に帰ってくるのだ。
 
 私は1日1枚のエッセイを何の負担もなく書いているが、これは会社の仕事で膨大なリポートを書いてきた賜物なのである。会社の仕事で苦悶しながらリポートを書いてきたお陰で、私の文章力がまとまって来たのである。自分を磨くという側面を考えると、年齢は関係ないように思う。1月3日「老いてなお 心の健康 保つ人」と書いたが自分を磨くという意識を持つことが、心の健康を保つことではないかと思う。
 
  ・会社での 総ての努力は 我がためだ 原点判れば 力湧き立つ

やさしい人間学 22の補足講座

1、短歌
・物だけで 心の文化の 廃退か 子供の心に 未来が映らん
・混迷の 丑年ここに 始まれり 八方塞がり いつまで続くか
・環境に 支配されゆく 受身では ストレスごまんと たまりゆくかな 
・会社での 総ての努力は 我がためだ 原点判れば 力湧き立つ

2、語録・名言
人間を偉大にしたり卑小にしたりするのはその人の志である。  
                         シラー 
王国を統治するよりも、家庭内を治めることのほうがむずかしい。
                   モンテーニュ 「随築集」
泣くことも一種の快楽である。
                   モンテーニュ 「随想録」
「考える」ということばを聞くが、私は何か書いているときのほか考えたことはない。
                   モンテーニュ 「随想録」


志さえ失わなければ、困難や問題は
全て新たな発展の契機として生かすことが出来る。
                        松下幸之助

何事もゆきづまれば、まず、自分のものの見方を変えることである。
案外、人は無意識の中にも一つの見方に執して、
他の見方のあることを忘れがちである。
                        松下幸之助

人間は失敗する権利をもっている。
しかし失敗には反省という義務がついてくる。
                        本田宗一郎 

人間というものは、悲しさ、無念さを心底から味わいながら、それに耐えなければならない。耐える心に、新たな力が湧くものだ。 全てそれからである。
                        本田宗一郎 

強烈な出来事やたび重なる経験は、潜在意識に蓄積される。
そしてその潜在意識は顕在意識に代わって驚くべき早さで、
正しい判断をするようになる。
あらゆることを真剣に繰り返すことにより、
潜在意識が迅速に正しい判断を下せるようになる
                          稲盛 和夫
自己犠牲をいとわない人間性でなければ、
経営者になってはいけない
                          稲盛 和夫