1on1の目的は「業務確認」ではない
ある日突然、部下から「実は辞めようと思ってます」と言われる。
上司が一瞬固まる…いわゆる「びっくり退社」
でも本人にとっては、それは突然でもなんでもなく「ずっと前から決めていたこと」なんです。
退職はある日いきなり起こるように見えて、実際には違和感の積み重ねで起きます。
ちょっとした不満、慢性的な疲れ、職場での孤独、行き場のない不安。
それらが誰にも拾われないまま、心の中で静かに膨らんでいく。
そしてある日、「もういいか」と思った瞬間、糸が切れる。
それがびっくり退社の正体です。
防ぐ方法はあります。
それが、定期的な1on1。
でも、ただ「仕事の話」を聞くだけでは意味がありません。
「最近どう？」
「家のことは落ち着いてる？」
「今後どんな働き方をしたい？」
そんな何気ない質問を交わすだけで、人は「理解されている」と感じます。
理解されていると、人は安心する。
安心すると、辞めようという気持ちは自然と薄れていく。
上司にとって1on1は「聴く場」ではなく「つながる場」
相手の人生に少し関心を持つだけで、職場の空気はまるで変わります。
人を知ることが、マネジメントの本質
スタッフも人間です。
子育て中の人、介護をしている人、夫婦関係で悩んでいる人、健康を気にしている人。
みんなそれぞれの背景を抱えながら働いています。
その現状を少しでも理解できていれば、声のトーンや任せ方が変わる。
そして相手も「この人はちゃんと見てくれている」と感じる。
その安心が、組織への信頼を育てます。
びっくり退社は、コミュニケーション不足の結果ではなく、「関心の欠如」の結果。
日々の小さな会話こそ、最高のマネジメント。
人を動かすのは制度でも評価でもなく、「見てくれている」という実感なのです。
