◆11月15日(金)
この日はもう一度、Dimaに関する展覧会が催されている博物館へ行くことにしました。
まず、この博物館について少しだけ説明を…。
博物館の名前はМузей-усадьба Юдина(Museum-Estate of Yudin)。
シベリアの商人であった、Gennady Vasilievich Yudin(1840-1912)という人のダーチャだそうです。
街の中心部からは少し離れており、車で10分ほどかかります。
この日は初めてタクシーを利用することにしました。
ロシアのタクシーはぼったくられるとか、ロシア語ができないと値段交渉ができないとか言われてきましたが、今はタクシーアプリがあって本当に便利。
おまけに、チップのつもりで少し多めに払って、"Спасибо!"と言って降りようとすると、慌ててお釣りを渡そうとしてくる真面目なドライバーさんにビックリしたり。
車で到着すると、こういう場所で降ろされます。(写真はネットから拝借)
前日にツアーで行っていたからわかりましたけど、いきなりこんなところで降ろされたら戸惑ったと思います。
そう、この階段をひたすら上るんです…。
ドライバーさんもジェスチャーで、「この上だよ」って教えてはくれましたけど。
この写真と違い、行った日は階段が少し凍ってましたからね…なかなかスリリングでした。
上ったら上には学校があったりして、「え?チケット売り場はどこ?で、博物館は?」となりそうなので、前日に行っておいて本当に良かったです。
料金は300ルーブル。日本円で約600円弱ぐらいでしょうか。
中に入ると、靴カバーをつけさせられます。
これ、13年前にロシア美術館へ行った時にも経験してるので懐かしかったです。
確かに雪道を歩いてきた靴で歩かれると、あっという間に床が汚くなりますからね。
入り口前の壁にかかっていたモニターでは、このビデオが上映されていました。
ロシア語が読めなくても、Dimaの幼少期から学生時代、そしてキャリアが写真によってよくまとめられているのでわかると思います。
ずっと見ているのはかなり辛いですが…。
ちなみに、館内は写真撮影OK。
前日のツアーもこの日も、Dimaの展覧会に来ていたのは私1人でした。
特に2日目のこの日は自分のペースでゆっくり見ることができ、誰にも邪魔されず写真撮影ができて本当に贅沢な時間でした。
入り口はこんな感じ。Dimaが出迎えてくれます。
上の写真の正面奥に見える絵はこちら。
肖像画はかなりあちこちに飾ってありました。
Dimaは彫刻が得意でした。
こちらの馬の彫刻の写真は彼が10歳の時の作品だそうです。
ご両親などご家族との写真、そして眼鏡もあります。
こちらはカーディフ・コンクールで着用した衣装。
これを買うお金がなかったためDimaは借金し、優勝賞金で返したというのは有名なエピソードです。
この衣装、たぶん2003,2005年の来日公演で着ていたものだと思います。
2004年に赤の広場で歌った時にも着ていました。
館内の雰囲気がわかるように、ビデオも少し貼っておきます。
壁一面にDimaの写真…なんてのもありました。
この部屋は彼が出演したオペラの舞台写真、プログラム、衣装などの資料が展示されています。
彼のオペラのキャリアがよくわかります。
この右側の手帳に見える文字は、Dimaがクラスノヤルスク・オペラハウスでデビューした時の、
彼自身による手書きの記録メモだそうです。
デビューは「リゴレット」のマルッロでした。
なお、ここでの撮影は写真とビデオ、合わせて55枚にもなってしまい、とてもこちらに全て載せることはできませんでした。
もし、もっと見てみたい!と思われる方は、OneDriveのほうに保存してありますのでご自由にご覧下さい。
パスワードはDmitriHvorostovsky(スペースなし、大文字小文字にも注意)です。
なお、2020年3月31日までの期間限定とさせていただきます。ご了承ください。
前日のツアーで丁寧に解説してくださった女性にも、またお会いできました。
会うなり、「あれ出して」とポケトークを要求され、「何かわからないことがあったらいつでも聞いてくださいね。」と言ってくださったので、11月末で終了する予定のこの展覧会が、その後どうなるのか訊いてみました。
「この展覧会はサンクトペテルブルクへ持っていく予定です」
その後、ロシアメディアによって、モスクワで行われる予定であることも知りました。
いずれにしても、しばらくはクラスノヤルスクを離れることになりそうです。
現在、クラスノヤルスクでDimaの記念館を建設する予定だそうですが、敷地すらまだ決まっていないとのことでした。
ちなみに、この展覧会はDimaが亡くなってから始まったわけではなく、規模は小さかったようですが、ずっと以前からやっていました。
同じ博物館でやっていたかはわかりませんが。
なので、私は彼の生前から一度行ってみたいとずっと思っていました。
もちろん、亡くなってからはご両親から寄贈された物もあり、展示数はかなり多くなりました。
また、展示の方法なども少しずつ変えているようです。
今の形で始まったのは2018年10月16日(Dimaの誕生日)から。
当初、2019年7月で終了予定でしたが、同年11月22日、彼の命日まで延長されたようです。
7月までだと私は見られなかったので、本当に運が良かったと思います。
夜は劇場でバレエ「バヤデルカ」を観ることになっていたので、ホテルで準備をしていたのですが…。
この時、なぜか部屋で突然涙に襲われました。
博物館でたくさんのDimaの写真に囲まれたことを思い出し、ふともうDimaはいないんだ…という現実に引き戻され、しばらく声を上げて泣いてしまいました。
この日からかなり寒くなっていましたし、寒さが身に染みたのかもしれません。
以前は外国人料金設定があって、ロシアの劇場で観るのは敷居が高かったようですが、最近はネット予約ができるようになりました。
クラスノヤルスク・オペラ・バレエ劇場も例外ではありません。
結構間際にチケットを取ったのですが、まだ十分席は空いていました。
最高額の席で700ルーブル…1,200円ぐらいですよ!
安い…日本だったら一番安い席でもそんな値段で観られない…。
で、肝心の舞台ですが。
これが結構楽しかったです
主役の2人はレベルが高く、特にニキヤを踊ったダンサーは安定感があって、とても品がある美しい人でした。
休憩中にもう一度ロビーへ出て、Dimaの展示を見てきました。
ちなみに、Dimaの展示があるのは2階のロビー。
これも前日にツアーで行っていなかったら、1階だけ見て、この展示には気づかなかったかもしれません。
観客の服装はか~なりカジュアル。
私は黒のワンピースを着ていきましたが、それでもちょっと浮いていたかも。
夜の劇場もキレイです。
明日は最終日+帰国です。
もう一度お墓に向かいます。
買い物もしなくては~