また、22日がやってきました。
5か月が経ちました。
バルセロナのリセウ大劇場では、Dimaが出演する予定だった「デーモン」の初日を迎えようとしています。
2015年に、セミ・ステージ形式ながらDimaがロールデビューを果たし、その時とほぼ同じキャストで、今度はフル・オペラで上演されます。
主役だけが変更になるのはとても残念です。
おめでたいニュースもありました。
Dimaの娘さん、マリアさんがもうすぐママになられます!
ご自身のインスタにも大きなお腹の写真を載せておられ、ロシア・メディアでも既にニュースになっています。
Dimaにとってはもちろん初孫。
おじいちゃんになるはずでした。
マリアさんはDimaの養女で実のお子さんではありませんが、どのお子さんよりも、そして今の奥様よりも長くDimaのことを知っていて、実のお子さん同様の大事なご家族の一員です。
母子ともに大事に、元気な赤ちゃんを産んでいただきたいですね。
話は変わりますが、ようやくデータベースが完成しました。
といっても、語学力もない素人が調べて作ったものですから、もちろん完璧なものではありません。
今回はオペラの出演、そしてオペラハウスでのパフォーマンス(ガラコン、リサイタルなどを含む)に注目してまとめてみました。
METのデータベースに慣れていたので、どこのオペラハウスも同じようなものを持っているのだと思っていましたが、いざ検索してみるとほとんどのオペラハウスはそのようなものを持っておらず、Twitterでフォロワーさんに呼びかけたり、実際にオペラハウスにメールして訊いてみたり…と、結構地道な作業となりました。
Operabaseが使えればもう少し楽だったかもしれませんが、残念ながらDimaの名前で検索しても、現時点ではエラーが出てしまうので見ることができませんでした。
メールの返事が一番早くて正確だったのは、ヒューストン・グランド・オペラ。
ここの回答が完璧だったので、ほかのオペラハウスも期待してしまったのですが、そう甘いものではありませんでした…。
ベルリン州立歌劇場とモスクワのノーヴァヤ・オペラへの質問メールは、完全にスルーされてしまいました。
リセウ大劇場はお返事がありましたが、「リサイタルとコンサートの出演があります」とだけ書かれ、具体的な年、日にちの明記はありませんでした。
ちなみにリセウにはオペラでの出演もあり、それについて訊いたはずなんですけどね…。
チューリッヒ歌劇場は、「昔の上演データは残念ながら残っていない。」ということで、ダブル、またはトリプルキャストで出演したということは教えてくれましたが、Dimaが何回、何日に出演したかはわかりませんでした。
データベースの作業も大詰めになった頃、ありがたいページが見つかり、これが大いに役に立ちました。
私がファンになりたての頃、Dimaのファンサイトは2つあったのですが、1つは有名なレイチェルさんのサイト、そしてもう1つはアドレスにOneginを持つサイトで、こちらのほうが古いファンサイトのようでした。
現在は2つともクローズされているのですが、Oneginさんのサイトのスケジュールページが偶然にも見つかったのです。
1995年から2005年の記録が、断片的ではありますが残っていたことはとても助かりました。
ただ、これを丸写しするのではなく、1つ1つ裏をとってからデータベースに加えるようにしました。
なので、裏が取れなかったいくつかの公演は、私のデータベースには載せていません。
ここ数年は、決まったオペラハウスで決まったレパートリーのみを歌っていた印象のあるDimaですが、若い時はかなり色々な場所で幅広いレパートリーを披露していたことがわかります。
人気歌手たるもの、どの方も同じだとは思いますが、こうやってまとめてみるとDimaも本当によく働いていました。
もっと若い時から知って応援していたら、モーツァルトやベルカントが聴けたのかな…と思うと悔しさがこみ上げてきます。
録音や映像は持っていますが、Dimaが歌う「フィガロの結婚」の伯爵、私はとっても気に入っているんです。
若い時は声も軽かったし、声の美しさ、レガートの美しさに加え、女好きだけど貴族としての品があっていやらしくなく、憎めないカワイイ伯爵でした。
「エルナーニ」のドン・カルロや「オテロ」のイアーゴ、先ほどあげた「デーモン」など、1~2回しか歌ってないけどもっと観たかったものも多くあります。
ファンは欲張りなものですから、まだまだ観たいものがあった…と言ってしまいますが、Dimaはきっと「やり遂げた。これ以上はない。」と思っていることでしょう。
2017年は全てのパフォーマンスを記録しておきました。
どの公演も、Dimaが命を削りながら行った渾身のパフォーマンスです。
カットすることはできません。
5ヶ月経ちましたが、Dimaがもういないという現実を、まだ完全に私は受け止めることができないでいます。
Dimaの写真を見る度に、「あ、もういないんだっけ。灰になってしまったんだよね…。」と自分に言い聞かせ、残酷な現実を受け止めた時、涙があふれてしまいます。
改めて、Dimaは私にとって完璧な人でした。
Dimaを知るまでに15年以上オペラを聴いていましたが、Dimaのような声に出会ったのは初めてでした。
それまで遠い存在だったロシアという国に興味をもち、ロシア歌曲の素晴らしさ、ロシア民謡の魅力を知りました。
一方、気分屋で気難しく、ほかの歌手の皆さんみたいにファンサービスに長けていないし、いつもハラハラさせられ通しで気疲れし通し。
でも…だからこそ魅力的な人でした。
心の奥に、誠実さを持っていることを感じさせてくれる人でした。
Dimaは、こちらの世界で生きるにはあまりにも完璧な人だったのかもしれません。
Dima、今は苦しみから解き放たれて思いっきり笑ってるよね…。