ついさっき、バレエファン仲間の方からメールがあり、モーリス・ベジャールの訃報
を知りました。
かなりショックです。
私がベジャールの存在を知ったのは、小学校5年生の時。
まだ、彼のバレエ団が20世紀バレエ団だった頃で、TVで「エロス・タナトス」と「魔笛」を見て、子供ながらに衝撃を受けました。
高校生になって、オペラにハマるまで、私にとって「魔笛」は、このベジャールのバレエ「魔笛」でしたから。
来日公演にも、何回か足を運びました。
一番印象に残ってるのは、“最後の”といわれた「春の祭典」。
今でも、東京バレエ団が踊っていますが、この時の「春の祭典」は、1階席の一番後ろで観たにも関わらず、初めてバレエで泣いてしまったほどでした。
残念ながら、ジョルジュ・ドンの「ボレロ」は、生で観ることができませんでした。
ドンは、「コンクール」の刑事役を観ただけでした。
ベジャール作品は、哲学的なものも多く、私のおつむでは理解不能だったりして、全ての作品が好きとは言えませんが、「春の祭典」「ボレロ」「ディオニソス」「ザ・カブキ」「アダージェット」などなど、好きな作品はたくさんあります。
「春の祭典」や「ボレロ」なんかは、何の知識がなくても、観るものに、きっと何らかの衝撃を与えてくれる、不朽の名作だと思います。
なにより、ベジャールの作品によって、男性ダンサーの美しさを知ることができたのが大きかった。
鍛え上げられた身体の美しさもさることながら、ベジャールの作品は、男性の腕の美しさを際立たせるものが多いように思います。
特に、ドンとガスカールは、とても腕が長く、そして美しかった。
ドンの踊る「瀕死の白鳥」なんて、女性が踊るバージョンより、ずっと衝撃的で、彼の腕のほうが、白鳥の羽ばたきを思わせました。
バレエは、肉体を爆発させる芸術だと、ベジャールの作品によって教えられたような気がします。
ベジャールさん、ありがとう。そして、ゆっくり休んでください。
今頃、ドンと、天国で再会しているのかしら・・・・。