昨日の夜、何気なくテレビを見ていたら、ジュリー・テイモアのドキュメンタリー番組を見つけました。
彼女は、ミュージカル「ライオンキング」の演出で有名ですが、去年の暮れにMETライブビューイングで上映された、モーツァルトの「魔笛」の演出をした人でもあります。
なんとなく見始めたのですが、彼女の話に引き込まれてしまい、結局、最後まで見てしまいました。
母と一緒に見ていたのですが、母は彼女が大変気に入ったようで、時々映る稽古風景を見て、
「いっつも違う顔をしてる」とか、
インタビューを受けてる彼女の話を聞いて、
「よくこんなに、話したいことが次から次へと出てくるなぁ」と感心していました。
私も同感でした。
演出家に限らず、芸術家達は、批評を気にしていてはやっていけないですね。
テイモアも言っていましたが、一人でも、自分の作り上げたものに心を動かしてくれる人がいれば、それで幸せなのではないでしょうか。
批評家の意見を気にして、自分の考えを変えてしまっては、それはもう、その人の個性が失われてしまいますから。
母は、時折映る、ライオンキングの舞台や稽古風景を見て、しきりに「面白い!」と言っていましたが、70歳を過ぎた人にもそう思わせるテイモアって、やっぱりすごいなって思いました。
テイモアは、日本を初め、インドやインドネシアといった、アジア各地にも住んでいたことがあるようで、それらの伝統芸能にも、大変造詣が深い人のようでした。
一つ驚いたのは、小澤征爾指揮、ジェシー・ノーマン主演で、松本で上演された「エディプス王」。
これを演出したのが、彼女だったとか!
ちゃんと見ていませんが、断片的に覚えています。
もう一度見てみたいなぁ。
演劇、ミュージカル、オペラの演出を手がけた彼女は、最近は映画の監督もしたようで、そのパワーには、本当に頭が下がります。
彼女の演出が好きだと言うわけではありませんが(言えるほど、作品を知らないし)、溢れ出るアイディア、いい作品を作ろうとする、彼女の情熱に魅せられた番組でした。
もう一度、先日録画した「魔笛」(英語バージョンで、2時間の短縮版)を見てみようっと。
この魔笛、私は大好きです。
ドイツ語版(同じ演出でノーカット)の方も見てみたいですね。