昨晩、NHKの「芸術劇場」で、成田屋さんの、パリ・オペラ座公演の模様を放送していました。
過去に、「勧進帳」とドキュメンタリー番組は放送されましたが、「口上」と「紅葉狩」は初めての放送。
楽しみにしていました♪
口上では、全員がフランス語を交えて挨拶。
年配の方の中には、途中で「う~~」とつまる方もおられましたが、普通に覚えるだけでも大変なのに、本場フランスで、舞台の上で大勢の観客の前、TV撮影もある・・・という、大変なプレッシャーの中、皆さん、本当によく頑張って覚えられたなーと感心してしまいました。
團十郎さんの、ハッキリすぎるほどの発音には、ちょっと笑ってしまいましたが、さすが座頭!
かむことなく、長い文章を言い切られました。
若手はやっぱり強いですね~。
海老蔵さんの、流暢な挨拶にも感心しましたが、亀治郎さんが素晴らしかったです。
ジョークまで交え、本当によどみなく、フランス語を話してました。
さて、紅葉狩。
久しぶりに、海老蔵さんの女形を見ることができました。
やっぱり、ちょっと「男」が垣間見えてましたが、この更科姫は、本当は鬼女という設定。
それはそれで良かったのではないでしょうか。
二枚扇を使っての踊りもお見事でした。
維茂(これもち)が眠ったとみるや、時折、鬼の表情を見せるんですが、その時の目の力が印象的。
最後は、女形の衣装のまま、大股でドスドスと上手に引っ込むのは面白い(笑)
終盤、鬼に変身した海老蔵さん、本当に素晴らしかったです。
こういう隈取が似合うようになりました。
以前は、線が細くて、二枚目はいいけど荒事はね・・・という感じだったのですが、最近は「暫」なんかも様になってきたし、ますます成田屋を背負って立つ、いい役者に成長したなーと感動しました。
こういう派手な隈取では、化粧に負けてしまいがちなのですが、海老蔵さんの目は活きていました。
技術的なこと、専門的なことはわかりませんが、海老蔵さんには、その場の空気を変える力があると思います。
圧倒的な存在感、華やかさなど、舞台人として、何もかも持っている人です。
まだ29歳。
歌舞伎の世界では、まだまだこれからのはずなのに、既にこれだけのオーラを持っているとは驚きです。
終演後、カーテンコールがありました。
本来、歌舞伎にカーテンコールはありません。
でも、一人一人ステージに登場して、満場の喝采を浴びるのは、役者冥利に尽きるもの。
日本でもやってほしいな・・と思いました。
それと、出来たら上演時間を短くしてほしい(^_^;)
このパリ公演みたいに、3時間ぐらいで終わってくれると、もっと見やすいんじゃないかなぁ。