中央線快速にグリーン車が導入されます。
正式には2025年3月15日(土)からですが、すでにグリーン車両が連結されている車両も走っていて、別料金無しでグリーン車に乗ることができています。
【1】発表されている事項
12月現在のパンフレット↓も含めて、既に発表されている情報は、次の通りです。
《1》3月15日から有料
2025年3月15日のダイヤ改正の日から、正式にグリーン車がスタートします。
無料グリーン車が終了して、グリーン料金が必要になります。
東京駅からの料金でしたら、50km以内の西八王子までなら750円、50kmを超える高尾~大月は1000円になります。(共にSuica事前払いの料金)
そして、グリーン車内のトイレ、洗面台、Wi-fiが利用できるようになります。
《2》他路線と通しの料金で乗り継ぐのは不可
中央線青梅線と、東海道線・湘南新宿ライン・高崎線などと通しの料金で乗ることはできません。
たとえば、横浜から東京駅で中央線に乗り換えて三鷹まで乗る際は、今までのルールでしたら「逆方向」ではないので通しで乗れました。しかし、中央線青梅線は他の路線と通しの料金で乗ることはできません。
【2】車内販売はあるの?
手元に「12月現在」と書かれた中央線快速・青梅線グリーン車サービスのパンフレットがあります。
車内販売に関しては、直接は触れられてはいません。
このパンフには、微妙な表現ですが、こう書かれています。
『車内では2025年3月15日(土)以降、JR-EAST FREE Wi-fi、洗面台、トイレ等もご利用いただけるほか、
グリーンアテンダントがグリーン車に乗務し、ご案内等のサービスを実施する予定です。』
グリーン車が有料になると、グリーン券を持たない乗客から料金を徴収する必要が出てきます。
当然、JRの係員、この場合はグリーンアテンダントが乗務することになります。
「ご案内等のサービス」の「等」に、車内販売が含まれているのか、直接はわかりません。
《3月19日追加》
車内販売は、品目限定で実施されています。
【3】車内販売の3つの選択肢
車内販売をどうするか、選択肢は次の3つです。
《A》3月スタート時から車内販売実施
最も望ましいのが、こちらです。
他の路線と同様に、3月15日からグリーン券を車内で販売するのに加えて、車内販売が実施できれば理想的です。
ただし、乗りなれていない、グリーン券を買い慣れていない乗客が大多数ですから、車内でのグリーン券の発行にかなり手間がかかると、わたしは予想しています。
グリーンアテンダントの中には、東京など他のグリーンアテンダントセンターで乗務してきた経験豊富な人もいると思いますが、新採用されたアテンダントも多いと思います。3月15日から手際よく乗務するためには、1か月以上、他の路線で仕事に慣れるのが欠かせません。
慣れない乗客に、慣れないアテンダントだと、時間がかかりすぎて厳しいのではないかと感じます。
《B》車内販売は実施しない
他の路線と比べて、長時間の乗車は少ない、駅間が短いのが中央線快速です。
車内販売マニアにとっては、車内販売が無いと非常に残念ではありますが、車内販売を実施しない可能性もゼロではないと思います。
特に「グリーン車が予想以上の混雑になった場合」と「アテンダントの募集が順調ではなかった場合」は、車内販売無しもありうるのではないかと心配しています。
《C》1~2か月は車内販売無し
Suicaにタッチしてグリーン車に乗るシステムに慣れない客が減って、「手間がかかりにくい」状態になるのには、1~2か月かかりそうです。
その1~2か月の間は、車内販売は実施せずに、アテンダントも乗務に慣れて、5月の連休明けにでも車内販売を開始するという選択肢もあります。
これと少し似た例もあります。2021年は1月から7月までの半年間は、新型コロナの影響で車内販売を中止していた時期があります。4月に乗務を始めた新人アテンダントは車内販売の経験が無かったのですが、3か月間はグリーン券の発売など他の業務をしていましたので、すぐに慣れていきました。
私なら、この「1~2か月は車内販売無し」が現実的と思います。
【4】グリーン定期券は3月15日から発売
グリーン定期券は、3月15日から発売されます。
3月14日以前の無料お試し期間には購入できません。
実は私は、上野東京ライン開業日の「前日」から乗れる上野~東京間を含むグリーン定期券を買いました。
(購入当日は上野~東京間はグリーン車が走っていないので承知の上で購入)
ところが、開業前日にグリーン車の座席の上部にタッチしたところ、青に切り替わらない場合が何度かあったのです。
システムの大幅変更に対応するのは大変なようです。
【5】座れるか確認してからグリーン定期を買うべし
グリーン定期券を買う場合の大きな問題は、自由席で座れるか不明な点です。
三鷹から東京行き快速グリーン車に乗ると、時間帯によっては座れないと推測します。
立川からでも、確実に座れるか不安だと思います。
なにしろ「特急はちおうじ」と「特急おうめ」が廃止されますので、その影響が分からないのです。
グリーン車導入後の1週間ほどは、その都度グリーン券を購入して、グリーン車に座れるか確認したうえで、グリーン定期券の購入をするのが無難だと思います。
もともとグリーン定期券は、週休2日の会社員なら、むしろ割高になる可能性大ですから。
↓グリーン定期券をお考えの方は必見の記事です。
グリーン定期券(1か月)の例を示します。
荻窪~東京 (18.7km)→32670円
三鷹~東京 (24.1km)→45810円
八王子~東京(47.4km)→56410円
高尾~東京 (53.1km)→69330円
3か月定期は、1か月の約2.85倍です。
ここからは、非常にマニアックな領域になります。
【6】グリーン定期の通し購入は可能?
中央快速のグリーン料金は、東海道線など他の路線との通しでは購入できないと発表がありました。
ところが、グリーン定期券では、取り扱いが現在でも異なっているのです。
《パターン1》同じ方向に乗り継ぎ
千葉から川崎に行くには、東京駅または品川駅で乗り換える必要があります。
従来も「同じ方向で乗り換える場合」は、問題なく通しの料金で利用できていました。
ところが中央線は、東海道線などと通しの料金で乗ることはできません。
だから「横浜→(東海道線)→東京→(中央線)→四谷」をグリーン車に乗るには、別々の料金が必要になります。
ですから「グリーン定期券でも通しの料金で計算できない」と、素直に受け取るのが一般的です。
ところが実は、グリーン定期券の場合に限り、通しで計算できる例があるのです。
《パターン2》逆方向に乗り継ぎ
ところが、グリーン定期券でしたら、通しの料金で計算できるのです。
実はこれ、グレーゾーン扱いで、発券できるとは明文化されてないが、発券できないという規定も無い あいまいな領域でした。(窓口の職員さんを何度も困らせてしまいました。) 現在は券売機でも逆方向に乗り継ぐグリーン定期券の発行が可能になって、事実上発行可能となっています。
全区間の距離が50km弱なので、グリーン料金分だけなら「津田沼~東京」と「津田沼~東京~松戸」は同じく33520円増しになります。(1か月定期の場合)
Suicaでその都度購入の場合は、中央線快速と、他の路線を通しで利用できないのは分かっています。
ですが、グリーン定期券の場合は、現に逆方向でも通しで買えるのです。
ただ、1月1日時点では、中央線のグリーン定期券では通しで買えるか、まだ発表になっていません。
もしグリーン定期が通して買えるのでしたら、このようなグリーン定期が買えることになります。
★横浜→(東海道線)→東京→(中央線)→三鷹
★大宮→(湘南新宿)→新宿→(中央線)→三鷹
★船橋→(総武快速線)→東京→(中央線)→三鷹
私は、逆方向でもグリーン定期券が買えるのですかすら、東京駅乗換の中央線グリーン定期券も買えるのではないかと予想しています。
《パターン3》重複区間があって逆方向に乗り継ぎ
この区間のグリーン定期券は、現在でも通しで買うことはできません。
上野~日暮里間が重複となるからです。
常磐線の松戸方面から大宮方面に行く場合、日暮里には宇都宮線と高崎線が停まらないため、日暮里~上野間の料金不要で上野乗り換えが可能です。ですが、グリーン定期券の場合は、そのような特例は適用されません。
ですから、グリーン定期券でも「松戸~上野~久喜」でしたら、グリーン定期券が2枚必要になります。
(どうしても1枚にしたいなら、上野を経由せずに、日暮里~赤羽を京浜東北線利用でグリーン車使わない定期にするしかないかな)
これでは事実上、使えないと思って良いでしょう。
↑写真のグリーン定期券は、1枚になっていますが、料金は2枚分の単純合計です。(だから8万円超えで凄く高い)
タッチする利便性の関係で1枚に強引にしてもらいましたが、別々に2枚のグリーン定期券を買うのと同じ料金です。(正確には、上野~日暮里の運賃は片方だけでOKですが同額で、結果的に2枚別々に買うのと同じ)
これと同様の例が、「東京~神田」と「新宿~代々木」です。
★大宮→(高崎線)→東京→(中央線)→四谷は「東京~神田重複」
★横浜→(湘南新宿)→新宿→(中央線)→四谷は「新宿~代々木重複」
このため、この2つの重複区間を含むグリーン定期の購入は、望み薄だと思います。
《3月19日追加》
中央線と東海道線など他路線との乗り継ぎグリーン定期券は、通しの割安料金で買うことができます。ただどの範囲の乗り継ぎが通し扱いになるか、詳細は確認していません。
【参考】今までの中央線快速関係の記事