10月31日で、東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」から、ワゴン販売が打ち切られます。
グリーン車だけは例外的に残るものの、多くの普通車の利用者は、車内販売を利用できなくなります。
JR東海は、車内販売でなく、ホームで購入して欲しいと呼びかけています。
「シンカンセンスゴイカタイアイス」や「ホットコーヒー」の自販機を、ホームに設置すると発表しています。
実際に東京駅に行って、現状を確認したうえで、いろいろ考察してみました。
【1】ワゴン販売打ち切り《事実関係》
★2023年10月31日までは、東海道新幹線の「のぞみ」「ひかり」では、車内販売が実施されています。
弁当は種類が少なく品切れの時もありますが、お酒、コーヒーなど一通りの品物をワゴン販売しています。
ワゴン販売廃止の大きな理由が「人手不足」で、まもなく業務大幅縮小ですから、人材の新規募集を積極的にしているとは思えません。「16両編成でワゴン1台」の巡回で、自由席には回って来なかったというツイート(現在はX)も、見かけます。
★2023年11月1日からは、ワゴン販売が無くなります。普通車の乗客は、車内販売を利用できなくなります。
グリーン車の乗客は、スマートフォンを使用して座席で注文することが可能になります。
でも大部分の普通車の乗客は、車内販売を利用できなくなります。
PETボトルのお茶1本も、車内では買えなくなります。
★ホームにアイスやコーヒーの販売機を設置
弁当や缶ビールも車内販売では買えなくなります。でも特に車内販売で購入する人が多かったのが、アイスとコーヒーです。
「シンカンセンスゴイカタイアイス」と呼ばれるアイスは、途中で融けないようにドライアイスで非常に低温にしていて、硬さが評判になっています。これをホームの自販機で買えるようにしました。(昨年から買えましたが増設されます)
また、ドリップコーヒーを淹れる自販機も、ホームに設置します。
自販機の設置は、「のぞみ号」が停車する東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪です。「ひかり号」の車内販売が無くなる静岡・浜松・米原には設置されません。
公式発表は、こちらです↓
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042982.pdf
【2】東京駅に行ってみた
10月20日と10月24日に、東京駅に出かけました。
入場券を買って、現在の状況を確かめてみました。
クレジットカード利用だと、小型の券売機でも入場券が買えます。
コーヒーの販売機は10か所と発表されていますが、設置は14.15番線の14号車付近だけでした。
他の9カ所は、上からの電源工事は完了していましたので、あとは設置だけとなります。
あと8日あれば設置はできるとは思いますが、トラブルが無いことを祈ります。
【3】ドリップコーヒーの販売機
14.15番線の1か所だけは、10月20日にはコーヒーを飲むことができる状態でした。
ただし
★アイスコーヒーは10月28日以降の予定。
★サイズ大は、まだ利用できず。
多くの人が利用するであろうホットコーヒーは、300円。
微妙に味が違うそうです。
「のぞみブレンド」(ソフト・苦味)
「ひかりブレンド」(コク・酸味)
「こだまブレンド」(コク・苦味)
ドリップコーヒー自販機での注意点ですが、
★ドリップの時間が95秒かかる覚悟が必要です。
★交通系ICカードも現金も使えます。
★ミルクと砂糖を入れるかは、多数ある注文ボタンから1つ選んで有無を決めます。
★2杯欲しい時などに使える、カップを置くスペースがあります。
完成時の動画です↓
BGM「会いに行こう」が流れています。テンション上がる人もいると思います。
完成までの時間の目安が表示されています。
【4】コーヒーを飲んでみた
実際に、ドリップコーヒーを飲んでみました。
★「のぞみブレンド」
「のぞみブレンド」300円です。
かなり美味いコーヒーです。300円は高くありません。
フタが付いた状態で、出てきます。
★「ドクターイエロー」
コーヒーには、「ドクターイエロー」もあります。
値段は500円ですが、ホントに素敵な香りがしました。
紙コップが黄色なのは、芸が細かいですね(笑)
フタがキッチリと閉まっていて、持ち運び中にこぼれることはあまり無いのでは?
【5】アイスの販売機
アイスの販売機は、現在も東京駅に設置されています。
●スジャータ●
いわゆる「シンカンセンスゴイカタイアイス」の自販機は、昨年から設置されています。
14.15番線の2号車付近と、16.17番線の6号車付近です。
これが2台から7台に増えるそうです。
10月23日現在、まだ設置されていません。稼働は11月1日からと張り紙がありました。
現在買えるのは、バニラ以外には、抹茶、ストロベリー、ベルギーチョコがあります。
交通系ICカード、クレジットカード等は使えますが、現金は使用できません。
●サーティーワン
スジャータに加えて、サーティーワンのカップアイスも参入します。
すでに14.15番線の14号車付近で稼働していましたので、購入しました。
すべて350円です。
コットンキャンディを買いましたが、スジャータの自販機と同じくらいの硬さという印象です。
メチャ硬いという訳ではありません。
こちらは逆に現金だけです。クレジットカード、交通系ICカードは使えません。
【6】20分後のアイスは・・
冷凍庫ではなく、ドライアイスで冷やすから、非常に硬いアイスになるわけです。
この先、ホームの自販機でアイスを買ったらどうなるか、実際に確かめてみました。
自販機で買った20分後に、ふたを開けて「とけ具合」を確認しました。
自販機で買って20分経つと、かなり融けていました。
写真ではうまく伝わりそうもなかったので、急きょ動画で撮影しました。
●スジャータ・ベルギーチョコ↓
今回は、自販機で買って20分で確かめました。
買って20分で、かなり融けていました。
東京発の新幹線が、新横浜を発車するのは約18分後になります。
東京駅の発車2分前にアイスを買うと、新横浜で20分となります。
自販機のアイスは、20分経った新横浜では、かなりドロドロに融けた状態になるのです。
【7】ホットコーヒーは、ぬるくなりにくい
私は以前、ホットコーヒーを紙コップに注ぐと、どのくらい温度が下がるか実験したことがあります。
自動販売機の缶コーヒーは65℃前後です。
65℃の飲み物を紙コップに注いでフタをすると、
10分で約51℃、
20分で約47℃
30分で約43℃に下がりました。
50分で体温と同じ37℃前後になりました。
(43℃でも、ぬるくて飲めない!という人もいるかもしれませんが)
淹れたてのコーヒーは65℃より高温ですから、アイスとは違って30分は十分に温かいと言えるでしょう。
この実験結果はこちら↓
【8】感じること
11月1日からワゴン販売打ち切り後の新体制で、感じたことをまとめてみました。
《A》ホットコーヒーは、けっこう自販機が使える
ホットコーヒーのワゴン販売は無くなります。
でも、ホームのドリップコーヒーの自販機が美味しいですし、冷めるまでに時間がかかります。
そして東京駅のホームには、スタバなど他のコーヒー店もあります。
《B》アイスは激しく不便に
アイスは、サーティーワンの本格参入で選択の幅は拡がります。
しかし、ホームで買っても20分で半分が融ける状態になってしまいます。
乗ってすぐ食べるしかなくなります。
融けるのを楽しむアトラクションという位置づけは完全になくなります。
暑がりの人が、夏にアイスを食べて体温調節をするのが難しくなります。
東京から名古屋まで乗る際に、適度な柔らかさの区間が、極端に狭くなってしまいます。
《C》売店の閉鎖、何とかしなきゃ
ワゴン販売がなくなるため、駅で買う流れになるのは、一応理解できます。
でも、閉まったままの駅の売店が、東京駅でも目立ちます。
東京駅の新幹線ホームにいると、外国人観光客が非常に目立ちます。大勢の客が利用する時期で、ワゴン販売が打ち切られるのに、ホームの売店が閉まっているのは厳しいです。
《D》山陽新幹線「博多のぞみ」は車内販売継続
東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」の普通車では、10月末でワゴン販売が終了します。
その一方で、直通運転している山陽新幹線のうち、博多発着の「のぞみ」の多くは、現在車内販売が行われていて、11月からも継続します。
「のぞみ」の車内販売が廃止、というイメージが先行して、せっかく続いている山陽新幹線「博多のぞみ」に車内販売が無いと誤解される可能性が高まりそうです。
その関係もあると思いますが、JR西日本の交通系ICカード「ICOCA」を山陽新幹線の車内販売の支払いで利用すると、ホットコーヒーとアイスが50円引きになります。
山陽新幹線「博多のぞみ」は、頑張って車内販売しているんだぞ!とのアピールでしょう。
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●ワゴン販売打ち切り後の乗り方
●東京~新大阪を1日3往復乗りまくった話
●東海道新幹線の車内販売40品目全制覇した話
あと1週間で、東海道新幹線の車内販売が終了します。
私は最終「のぞみ64号」で、最後の利用をします。
その最終列車に、「山崎12年」や「オーボンヴュータンプティフールセック」、そして「スジャータアイス」が、売り切れてないことを願います。