ことこと列車【3】おもてなし | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

平成筑豊鉄道の観光列車「ことこと列車」に乗った話。

1回目「豪華な車両」、2回目「驚きの食事」に続き、3回目は「おもてなし」等。

 

【1】のどかな車窓

「ことこと列車」から見える風景は、田園風景が中心です。

天気がイマイチでしたが、のどかな田んぼの中を、ことこと走っていきます。

 

終点の行橋駅が近づくと、山の中を走ります。

先頭かぶりつきだと、橋を渡るのは、ちょっと怖い感じがします。

 

線路を渡って参拝する神社の前を通ります。

食事が終わったら時間帯に、車窓案内が多いのは、バランスがとれています。

このような観光案内をするのは、主に運転士さんです。

景色が良い場所に着くと、列車を停めて、運転士がマイクで案内をするのです。

人員が限られたローカル線で、全員でおもてなしをする姿勢は素敵です。

アテンダントさんによると、この日は話が一番面白い運転士さんだったとのこと。

 

新型コロナが収束したら、また乗りに行きますので、車窓の案内は、その時にでも詳しくまとめます。

 

【2】車内販売

食事が終わった頃に、アテンダントさんが、車内販売にきました。

グッズのカゴを抱えて、回ってきました。

車内販売マニアと名乗るだけあって、「買うか買わないか」ではなくて、「何を買うか」考えました。

クリアファイル500円、ランチクロス800円、ポストカード800円。

その中で、わたしはピンバッジ800円を買いました。

敬意を込めて、購入したバッジを、早速服につけました(^^)/

 

【3】直方駅ホームで手ぬぐい販売

ことこと列車は、始発の直方駅を出発してから、一度また直方駅に戻ります。

戻った直方駅では、ホームで手ぬぐい販売が行われていました。

この店の御主人は、お笑いタレントのようなノリ。

50過ぎのオヤジである私に、ピンク色の派手な手ぬぐいを「いかがですか」と勧めてきた。(^^)

「おう、良く似合いますね・・・、何て言うわけあるかいな」という、突っ込みを期待してたようです。

色々な手ぬぐいが売られていました。

手軽なのは、ハンカチ510円です。500円で売っていたのに消費税アップで510円になったのが、よくわかります。

私はピンクの手ぬぐい攻撃をかわして、こちらを買いました。↑

SLの動輪が描かれた手ぬぐいを購入しました。

 

【4】田川伊田駅マルシェ

田川伊田駅では、15分停車します。

この15分間、ホームでマルシェが開かれます。

ほぼ全員の客がホームで品物を見ていました。

販売していたのは、黒酢、にんにくドレッシングを始めとする地元の特産物。

品物の横には、写真が置かれていました。

渥美清、とらさんが映画の撮影に来たときの写真のようです。

私が買ったのは、チロルチョコ100円です。

福岡県田川市に、チロルチョコの工場がありますので、地元の品ということになります。

 

【5】分かりやすい案内

「ことこと列車」では、案内を分かりやすくする工夫がされていました。

天気によっては見えにくい景色を紹介するのに、写真を用意している場合があります。

「ことこと列車」では、炭鉱地帯の昔の山の形を写真で示していました。

今は山が削られて、形が大きく変わっているのです。

 

「ことこと列車」から降りた後、平成筑豊鉄道で戻る客のために、割引切符の案内です。

言葉で説明するより、複数の情報を比較できるようにしてあります。これは分かりやすいですね。

私は、終点行橋駅で降りた後は、日豊本線で小倉方面に行きましたので、買いませんでした。

 

石炭の他に、近くの山で石灰石が採れるという案内もありました。

石炭と石灰石の実物が置いてありました。

普段なかなか手に取ることはありませんので、これは良い取り組みです。

 

【6】沿線から歓迎

直方駅を発車する際には、観光協会のハッピを着た人たちが、手を振って、送り出してくれました。

 

料理のひとつ「枡パルフェ」の酒枡に書かれていた日本酒が「九州菊」。

この酒蔵の近くを通ります。

わかりますか、酒蔵の前に手を振ってくれている人がいます。

拡大すると、こうです↓ (写りが悪くてすみません)

そして!

最も感激した「手振り」は、こちら↓

油須原駅では、小さい女の子が、旗を振ってくれました。

当然、私も大きな「手」を振り返しました。

 

【7】車内イベント

アテンダントさんは、車内の乗客の気持ちを一体化する取り組みを行っていました。

平成筑豊鉄道に関するクイズを出して、反応が良さそうな客をいじって(?)、車内を盛り上げるのです。

旅行会社のツアーので一緒に乗るのでない個人客ばかりです。

一緒に笑えば、周りの客を「性格良さそうな人たちだな」と感じます。

話しかけたりしやすくなるわけです。

 

誕生日を迎えた乗客が乗っていました。

これに対して、アテンダントさん総出で、ハッピーバースデーのお祝いです。

私を含めた周りの乗客何人かも、一緒に拍手です。

このように、周りを巻き込むのは、満足度を上げられますので、見事だと思います。

ふつう、豪華な車両と料理が自慢のハイレベルな列車では、一歩間違えるとイメージダウンになりかねません。

でも「ことこと列車」では、親密な雰囲気を出すのに役立っていました。

 

【8】傘の用意

油須原駅では、トイレ休憩があります。

その時には、小雨が降っていました。

私なら、傘を広げるのが面倒なので、このくらいの小雨なら、ホームまで小走りに走ってもいいなと感じるくらいの雨でした。

アテンダントさんは、傘を用意してくれました。トイレは、この傘をお使いください、というわけです。

せっかくなので、私は傘を借りました。

全員車内に戻り、11分のトイレ休憩が終わり、あと1分で発車となりました。

すると、アテンダントさんは、少し濡れた傘を束ねて、しまおうとしました。

傘をしまう場所は、カウンター付近のようです。

驚いたのは、アテンダントさんは、傘を束ねて、車両の外・ホームを通って隣の扉から乗り込んだことです。
上の図の、赤い矢印でなく、青い矢印を通ったのです。
濡れた傘を抱えたまま、客が座る隣の通路(赤い矢印)を通っても、水滴が飛び散ることは、まずないでしょう。
料理は一通り出し終わって、一部の人のテーブルにコーヒーだけ出ている時間帯ですし。
ですが、なかには濡れた傘が隣を通るだけで、気になる人がいるのでは、と考え、小雨の降るホームを通って、傘を運んだのだと思います。
おもてなしの想いが伝わります。

別の駅でも、降りる時に濡れないように、傘を差しだしてくれました。

 

【9】客の気持ちを先取りした応対

「ことこと列車」では、感心した接客が続きました。

「石灰岩の実物を持って回る」というような、一律に全乗客に行うなら準備しやすいのですが、個々の乗客の気持ちを察して動くのは、なかなかできません。

すべき仕事を着実にという「守りの仕事」ではなく、状況判断を間違えるとマズイ「攻めの仕事」が多いのです。

いくつか紹介しますと・・・

■漫画に出ています

私は見るからに鉄道ファンです。鉄道ファンだろうと思われましたので、こんなことを言われました。

「ことこと列車が、漫画雑誌に出てます」

初老の女性に伝えても、わざわざ買って読もうとは思わないでしょうから、ピンポイントの対応ですね。

■旗をもらえた

私が「大きな手」を持ち込んで、ホームの人に手を振っていました。

すると、アテンダントさんが、旗を渡してくれました。

これは、嬉しいです。

■記念撮影

終点の行橋駅では、全員降りた後で、順番に記念撮影タイムとなりました。

私は1人だし、乗り継ぎの普通列車まで時間があったので、最後にお願いしました。

私の時だけ、アテンダントさん6人のうち、男性責任者が「女性陣と一緒に撮りたいでしょ」と席を外してしまったため、このような写真になりました(笑)

私はマジな話、凄腕アテンダントなら男女関係ないですが、ここまで「客を喜ばせようという」気持ちには感激しました。

 

初期のころの「伊予灘ものがたり」と「ろくもん」は、今回の「ことこと列車」に似ていました。

2つの列車とも運転開始して間もない時期は、今ほど洗練された上質な接客ではありませんでしたが、「何とかして客に満足してもらいたい」という強い気持ちを感じ取ることができました。

私はアマノジャクですから、粗削りでも、頑張る姿に感動するタイプです。

今回の「ことこと列車」では、「コーヒーのミルクと砂糖を出し忘れた」ような若干抜けている点はありましたが、そんなことより頑張っている姿に感激したのです。

 

現在は運休中ですが、また乗りに行きたいです。

 

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「ことこと列車」の内容は、今回まで3回です。

写真は全部で60枚くらいで、内容も多いので、5回に分けてもいいくらいです。

ですが、1回の中身を充実させるため、このスタイルを続けます。

1回の中身を少なくして毎日更新すれば、とりあえずアクセス数は上がりますが、2~3日に1本のスタイルが好きなもので。